mag takahashi

2018年4月~7月、ハノイ-イスタンブールを旅した記録を書いています。相場、治安状況…

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2018年4月~7月、ハノイ-イスタンブールを旅した記録を書いています。相場、治安状況は2018年当時のものであり、現在と違う場合もあることにご留意ください。また作者の思い違いなど散見されますが、あたたかな目で見ていただけると幸いです。

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記事一覧

【アジア横断バックパッカー】#最終回 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール→日本 旅が終わる

 イスタンブールには1週間滞在した。1週間滞在しても退屈しないほどイスタンブールには観光スポットがあり、僕は毎日いろんなところをまわった。  街並みを一望できるガ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#65 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 消極的旅スタイルが身を助けることもある

 宿に戻りネットで調べてみると、まあたくさんの「騙されました」「騙されかけました」という記事が見つかった。みな騙されまくっている。僕も大多数のひとりだったわけだ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#64 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 謎の2人組の正体

 2人はアヤソフィアの前で写真を撮った。変な場所で撮るな、と僕は思った。何の変哲もない、ただの壁の前なのだ。だが彼らは満足したらしく、元来た道を戻りだした。 「さ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#62 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 一応の旅の完結、謎の2人組

 情報ノートで見た宿をなかなか見つけられず、道行く人に訊いてやっと見つけ出した。ジュエリーショップの奥に入り口があった。  値段を尋ねるとユーロで答えられた。ヨ…

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3年前
4

【アジア横断バックパッカー】#61 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール ついにイスタンブールに到着する

 バスには運転手のほかに乗務員としてグルティという男性が乗っていた。グルティは時々カートを押しながら水やチャイ、コーヒーを配り歩いた。アジア人が僕だけだったから…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#60 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット→イスタンブール 旅はただバスチケットを買うだけでも、忘…

 どうするべきか。時刻表で見るとバスが出るまで2時間以上時間があった。外に出てタクシーを捕まえ、近くのATMまで行ってもらい、トルコリラを引き出してまたここに戻…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#59 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット ただイスタンブールへ行くだけ、それができない

 ドウバヤズットのバスターミナルに着くと、イラン人2人は先頭に立って歩き出した。僕は彼らの後を追った。建物の外で客待ちをしていたらしい男性とイラン人2人が何事か話…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#58 11ヵ国目:トルコ 国境で夜が明ける

 国境の柵まで行き、トルコ人の職員に僕のバスはいつ来るんだと訊いたが、英語が通じずまったく何も分からなかった。バスの写真を撮ったことを思い出し、写真を見せても結…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#57 11ヵ国目:トルコ 僕はなにかを間違えたらしい

 外に出たところにはカフェがあり、長距離トラックが列をなしていた。僕はもうバスが待っていると思い込み、トラックの間を歩き回ってバスを探したが、結果的にバスはまだ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#56 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 勘違いで意図せず旅が動き出す

 部屋はなんと階段の途中にあり、どうやら広い踊り場を仕切って部屋にしたらしかった。広さは2畳あるかないかほどしかなく、ベッドと小さなテーブルしかなかった。シャワ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#55 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 移動して宿を確保するのはバックパック旅の最小単位

 バックパックを背負ってメトロに揺られていると、おっちゃんが席を譲ってくれた。旅人に優しいのか、僕が大変そうに見えたのか。  昨日来たバスターミナルに再び降り立…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#54 10ヵ国目:イラン-テヘラン こまごまとしたイランの文化について イランはとてもいいところ

 「マシュハド・ホステル」は旅行者に有名な宿なので、日本語の情報ノートが置いてあった。古き良き旅文化だが、あまり有益とは言えないような情報も多い。そもそも情報が…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#53 10ヵ国目:イラン-テヘラン 安宿「マシュハド・ホステル」は静まり返っている

 地下鉄は次第に日本と変わらないくらい混み始めた。そんな混雑の中でも、対面に座っていた青年が、イマームホメイニー駅が近づくと立ちあがり、次の駅だよ、と教えてくれ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#52 10ヵ国目:イラン-テヘラン ややこしい「イラン・リヤル」と綺麗なイラン地下鉄

 白タクの男は僕の前をスタスタと歩いて行く。さて何と言って断るか。街中まで地下鉄があることは知っていた。その地下鉄がかなり安いことも。だが万が一男のタクシーが良…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#51 10ヵ国目:イラン-テヘラン どの国の空港にも白タクはいる

 窓から朝日を反射し、光り輝く海が見える。久しぶりに海を見たなと僕は思った。  シートベルト着用サインが小さな音ともに消えると、あちこちから金属のカチャカチャと…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#50 9ヵ国目:パキスタン-ラホール 「Go to Tehran?」

 ひとりになった僕はとりあえずパスポートを返してもらい、人込みをかき分け外に出た。頭は疑問と焦りでいっぱいだった。一体何がどうなっているのだ?僕はどうなるのだろ…

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3年前
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【アジア横断バックパッカー】#最終回 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール→日本 旅が終わる

【アジア横断バックパッカー】#最終回 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール→日本 旅が終わる

 イスタンブールには1週間滞在した。1週間滞在しても退屈しないほどイスタンブールには観光スポットがあり、僕は毎日いろんなところをまわった。  街並みを一望できるガラダ塔に登り、アヤソフィアやブルーモスクの内部を見学し、テオドシウスの城壁やグランドバザールを見に行った。トラムに乗れば大抵の観光スポットは無理なく回ることができた。ボスフォラス海峡クルーズにも行った。船によって値段がかなり違うが、安くて

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【アジア横断バックパッカー】#65 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 消極的旅スタイルが身を助けることもある

【アジア横断バックパッカー】#65 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 消極的旅スタイルが身を助けることもある

 宿に戻りネットで調べてみると、まあたくさんの「騙されました」「騙されかけました」という記事が見つかった。みな騙されまくっている。僕も大多数のひとりだったわけだ。イスタンブールの詐欺師の多さは有名らしく、特にブルーモスク前の広場は詐欺師で溢れかえっているらしい。観光地とは切っても切れない問題なのだ。

 僕が騙されかけた手口は常套手段らしい。ただ予想に反し、睡眠薬強盗ではなくぼったくり詐欺であるよ

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【アジア横断バックパッカー】#64 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 謎の2人組の正体

【アジア横断バックパッカー】#64 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 謎の2人組の正体

 2人はアヤソフィアの前で写真を撮った。変な場所で撮るな、と僕は思った。何の変哲もない、ただの壁の前なのだ。だが彼らは満足したらしく、元来た道を戻りだした。
「さあ、飲みに行こうよ」
 さっきのはお愛想だと思っていたが、どうやら彼らは本気で誘っているらしい。だがどちらにしろ僕は断るつもりだった。もう8時を過ぎてるいるし、何より慣れない英語で会話するのは疲れる。要するに面倒なのだ。
「いや、やめとく

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【アジア横断バックパッカー】#62 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 一応の旅の完結、謎の2人組

【アジア横断バックパッカー】#62 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 一応の旅の完結、謎の2人組

 情報ノートで見た宿をなかなか見つけられず、道行く人に訊いてやっと見つけ出した。ジュエリーショップの奥に入り口があった。

 値段を尋ねるとユーロで答えられた。ヨーロッパはすぐそこなのだ。とりあえず部屋を見せてもらった。
 部屋は4階だった。広々として、通りに面して大きな窓があいている。5階がリビングになっているらしくそちらも見せてもらった。

 リビングは床にゴザが引いてあり、テーブルが並んで置

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【アジア横断バックパッカー】#61 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール ついにイスタンブールに到着する

【アジア横断バックパッカー】#61 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール ついにイスタンブールに到着する

 バスには運転手のほかに乗務員としてグルティという男性が乗っていた。グルティは時々カートを押しながら水やチャイ、コーヒーを配り歩いた。アジア人が僕だけだったからだろう、何かと声をかけてくれたが、1回だけグルティと妙なトラブルに巻き込まれた。 

 バスで一夜を明かし、そろそろイスタンブールという時だった。朝食を兼ねた長めの停車時、グルティに煙草を買ってきてくれと頼まれた。後で払ってくれるのだろうと

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【アジア横断バックパッカー】#60 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット→イスタンブール 旅はただバスチケットを買うだけでも、忘れられない出来事になる

【アジア横断バックパッカー】#60 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット→イスタンブール 旅はただバスチケットを買うだけでも、忘れられない出来事になる

 どうするべきか。時刻表で見るとバスが出るまで2時間以上時間があった。外に出てタクシーを捕まえ、近くのATMまで行ってもらい、トルコリラを引き出してまたここに戻ってきてもらう…。そうする以外に方法が思いつかなかった。そうするか…。
 だが考えていると、スタッフが意外なことを言った。
「あそこで両替できるんじゃないか」
 示された方にあるのは売店兼レストランだった。両替所らしきものはない。
「あそこ

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【アジア横断バックパッカー】#59 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット ただイスタンブールへ行くだけ、それができない

【アジア横断バックパッカー】#59 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット ただイスタンブールへ行くだけ、それができない

 ドウバヤズットのバスターミナルに着くと、イラン人2人は先頭に立って歩き出した。僕は彼らの後を追った。建物の外で客待ちをしていたらしい男性とイラン人2人が何事か話し、やがてイラン人2人は元来た方へ戻り始めた。
「どうしたの?」
 僕はよくわからず尋ねた。
「彼のバス会社でイスタンブールまで行けるらしいが、高いんだ」
 若い方が言った。2人はなぜかバス停に戻り、ベンチに座った。話を聞いてみると、ここ

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【アジア横断バックパッカー】#58 11ヵ国目:トルコ 国境で夜が明ける

【アジア横断バックパッカー】#58 11ヵ国目:トルコ 国境で夜が明ける

 国境の柵まで行き、トルコ人の職員に僕のバスはいつ来るんだと訊いたが、英語が通じずまったく何も分からなかった。バスの写真を撮ったことを思い出し、写真を見せても結果は変わらず、しまいには追い出される始末だった。

 国境にはまだバスを待つ乗客がたくさんいたが、みな自分のバスが来ると嬉しそうに乗り込んでいた。3時間近く待たされているのだ。嬉しくて当然である。
 そのうちあることに気付いた。僕と同じよう

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【アジア横断バックパッカー】#57 11ヵ国目:トルコ 僕はなにかを間違えたらしい

【アジア横断バックパッカー】#57 11ヵ国目:トルコ 僕はなにかを間違えたらしい

 外に出たところにはカフェがあり、長距離トラックが列をなしていた。僕はもうバスが待っていると思い込み、トラックの間を歩き回ってバスを探したが、結果的にバスはまだ来ていないことが判明した。そもそも乗客もほとんど来ていないのだ。冷静に考えればわかるはずだが、国境で、それも深夜に置いて行かれたらと思うと冷静ではいられなかったのだ。
 他にも何人か人がいた。別のバスを待っているらしい。イランから国境を越え

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【アジア横断バックパッカー】#56 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 勘違いで意図せず旅が動き出す

【アジア横断バックパッカー】#56 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 勘違いで意図せず旅が動き出す

 部屋はなんと階段の途中にあり、どうやら広い踊り場を仕切って部屋にしたらしかった。広さは2畳あるかないかほどしかなく、ベッドと小さなテーブルしかなかった。シャワーは別の空いている部屋のものを使っていいらしい。
 だが居心地は悪くなかった。久しぶりの個室だからかもしれない。窓も大きく、空調はなかったが夜は涼しかった。

 タブリースの街を少し歩き、見つけた店でビーフサンドイッチを食べた。店のテレビで

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【アジア横断バックパッカー】#55 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 移動して宿を確保するのはバックパック旅の最小単位

【アジア横断バックパッカー】#55 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 移動して宿を確保するのはバックパック旅の最小単位

 バックパックを背負ってメトロに揺られていると、おっちゃんが席を譲ってくれた。旅人に優しいのか、僕が大変そうに見えたのか。
 昨日来たバスターミナルに再び降り立ち、乗り場を目指して歩いていると、前を歩いていた父子がちらちら僕を見ていることに気付いた。ついに父親が立ち止まって話しかけてきた。
「息子と一緒に写真を撮っていいかい?」
 息子はまだ小さかった。快諾し、肩を組んで写真におさまった。
 父子

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【アジア横断バックパッカー】#54 10ヵ国目:イラン-テヘラン こまごまとしたイランの文化について イランはとてもいいところ

【アジア横断バックパッカー】#54 10ヵ国目:イラン-テヘラン こまごまとしたイランの文化について イランはとてもいいところ

 「マシュハド・ホステル」は旅行者に有名な宿なので、日本語の情報ノートが置いてあった。古き良き旅文化だが、あまり有益とは言えないような情報も多い。そもそも情報が古かったり、これこれこんなことがあった、ここでどこどこ行きのチケットが買えます、などの情報をもとに実際に現地に行ってみても、情報通りに事が運ばないことが往々にしてある。

 考えるに、理由はふたつある。ひとつには書き手の主観が入りすぎている

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【アジア横断バックパッカー】#53 10ヵ国目:イラン-テヘラン 安宿「マシュハド・ホステル」は静まり返っている

【アジア横断バックパッカー】#53 10ヵ国目:イラン-テヘラン 安宿「マシュハド・ホステル」は静まり返っている

 地下鉄は次第に日本と変わらないくらい混み始めた。そんな混雑の中でも、対面に座っていた青年が、イマームホメイニー駅が近づくと立ちあがり、次の駅だよ、と教えてくれた。イラン人はとても親切だった。日本で外国人にここまでする人がいるだろうか。
 僕が降りると、青年が窓越しに手を振っていた。

 地上に出て、テヘランの街を見渡した。
 やはり都会だな、と思った。パキスタンよりもさらに綺麗になっていたが、不

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【アジア横断バックパッカー】#52 10ヵ国目:イラン-テヘラン ややこしい「イラン・リヤル」と綺麗なイラン地下鉄

【アジア横断バックパッカー】#52 10ヵ国目:イラン-テヘラン ややこしい「イラン・リヤル」と綺麗なイラン地下鉄

 白タクの男は僕の前をスタスタと歩いて行く。さて何と言って断るか。街中まで地下鉄があることは知っていた。その地下鉄がかなり安いことも。だが万が一男のタクシーが良心的な価格なら、面倒だから乗っても良かった。ついでに安い宿まで連れて行ってもらってもいい。泊まるか否かは着いてから決めればいいのだ。

 男の車はオンボロの白い乗用車だった。男がトランクを開けたところで僕は訊いた。
「シティーセンターまでい

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【アジア横断バックパッカー】#51 10ヵ国目:イラン-テヘラン どの国の空港にも白タクはいる

【アジア横断バックパッカー】#51 10ヵ国目:イラン-テヘラン どの国の空港にも白タクはいる

 窓から朝日を反射し、光り輝く海が見える。久しぶりに海を見たなと僕は思った。
 シートベルト着用サインが小さな音ともに消えると、あちこちから金属のカチャカチャと言う音が聞こえる。気の早い何人かはもう立ちあがり、荷物を下ろし始めていた。
 ドーハ空港に降り立つと僕は真っ先にM氏を探したが、結局見つけることはできなかった。

 ドーハ空港は大きく、有名な巨大なクマのぬいぐるみが座り込んでいた。そういえ

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【アジア横断バックパッカー】#50 9ヵ国目:パキスタン-ラホール 「Go to Tehran?」

【アジア横断バックパッカー】#50 9ヵ国目:パキスタン-ラホール 「Go to Tehran?」

 ひとりになった僕はとりあえずパスポートを返してもらい、人込みをかき分け外に出た。頭は疑問と焦りでいっぱいだった。一体何がどうなっているのだ?僕はどうなるのだろう?
 
 空港1階のオフィスでは男性スタッフが2人いておしゃべりをしていた。突然現れたパニック状態の異国人に、遠慮なしに不審な視線を投げかけてくる。
 僕は事の次第を説明し、チケットを変更したいのだと告げようとしたが、そこでまた絶望した。

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