mag takahashi

2018年4月~7月、ハノイ-イスタンブールを旅した記録を書いています。相場、治安状況…

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2018年4月~7月、ハノイ-イスタンブールを旅した記録を書いています。相場、治安状況は2018年当時のものであり、現在と違う場合もあることにご留意ください。また作者の思い違いなど散見されますが、あたたかな目で見ていただけると幸いです。

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2018年4月~7月、80日間かけベトナム‐ハノイからトルコ‐イスタンブールをバックパッカースタイルで旅した記録です。2000字~3000字、基本的に毎日更新です。  新卒で入社した会社を3年でやめ、せっかくなので長期間の海外旅行へいこうと思いました。行き先の候補は①キューバ ②トルコのイスタンブール だったのですが、陸路での国境越えをしてみたく、イスタンブールへ行くことに決めました。ついでに、せっかくだから端から端まで、ということで出発地点はベトナム‐ハノイにしました。  

    • 【アジア横断バックパッカー】#最終回 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール→日本 旅が終わる

       イスタンブールには1週間滞在した。1週間滞在しても退屈しないほどイスタンブールには観光スポットがあり、僕は毎日いろんなところをまわった。  街並みを一望できるガラダ塔に登り、アヤソフィアやブルーモスクの内部を見学し、テオドシウスの城壁やグランドバザールを見に行った。トラムに乗れば大抵の観光スポットは無理なく回ることができた。ボスフォラス海峡クルーズにも行った。船によって値段がかなり違うが、安くて300円程度で2時間ほどのクルーズを楽しめた。  朝食は宿で食べ、昼はヨーロッ

      • 【アジア横断バックパッカー】#65 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 消極的旅スタイルが身を助けることもある

         宿に戻りネットで調べてみると、まあたくさんの「騙されました」「騙されかけました」という記事が見つかった。みな騙されまくっている。僕も大多数のひとりだったわけだ。イスタンブールの詐欺師の多さは有名らしく、特にブルーモスク前の広場は詐欺師で溢れかえっているらしい。観光地とは切っても切れない問題なのだ。  僕が騙されかけた手口は常套手段らしい。ただ予想に反し、睡眠薬強盗ではなくぼったくり詐欺であるようだ。ついていって一緒に飲むと「いい店を知っているからそこに行こう」と誘われ、別

        • 【アジア横断バックパッカー】#64 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 謎の2人組の正体

           2人はアヤソフィアの前で写真を撮った。変な場所で撮るな、と僕は思った。何の変哲もない、ただの壁の前なのだ。だが彼らは満足したらしく、元来た道を戻りだした。 「さあ、飲みに行こうよ」  さっきのはお愛想だと思っていたが、どうやら彼らは本気で誘っているらしい。だがどちらにしろ僕は断るつもりだった。もう8時を過ぎてるいるし、何より慣れない英語で会話するのは疲れる。要するに面倒なのだ。 「いや、やめとくよ。もう遅いし…」  言いながら、説得力がないなと思った。何しろやっと夕焼けてき

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          【アジア横断バックパッカー】#62 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 一応の旅の完結、謎の2人組

           情報ノートで見た宿をなかなか見つけられず、道行く人に訊いてやっと見つけ出した。ジュエリーショップの奥に入り口があった。  値段を尋ねるとユーロで答えられた。ヨーロッパはすぐそこなのだ。とりあえず部屋を見せてもらった。  部屋は4階だった。広々として、通りに面して大きな窓があいている。5階がリビングになっているらしくそちらも見せてもらった。  リビングは床にゴザが引いてあり、テーブルが並んで置いてあった。 「テラスもあるよ」  案内してくれた青年が僕をいざなった。通りに面

          【アジア横断バックパッカー】#62 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール 一応の旅の完結、謎の2人組

          【アジア横断バックパッカー】#61 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール ついにイスタンブールに到着する

           バスには運転手のほかに乗務員としてグルティという男性が乗っていた。グルティは時々カートを押しながら水やチャイ、コーヒーを配り歩いた。アジア人が僕だけだったからだろう、何かと声をかけてくれたが、1回だけグルティと妙なトラブルに巻き込まれた。   バスで一夜を明かし、そろそろイスタンブールという時だった。朝食を兼ねた長めの停車時、グルティに煙草を買ってきてくれと頼まれた。後で払ってくれるのだろうと思い、買ってきてグルティに渡したが、ありがとうと言うばかりでお金を払ってくれない

          【アジア横断バックパッカー】#61 11ヵ国目:トルコ-イスタンブール ついにイスタンブールに到着する

          【アジア横断バックパッカー】#60 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット→イスタンブール 旅はただバスチケットを買うだけでも、忘れられない出来事になる

           どうするべきか。時刻表で見るとバスが出るまで2時間以上時間があった。外に出てタクシーを捕まえ、近くのATMまで行ってもらい、トルコリラを引き出してまたここに戻ってきてもらう…。そうする以外に方法が思いつかなかった。そうするか…。  だが考えていると、スタッフが意外なことを言った。 「あそこで両替できるんじゃないか」  示された方にあるのは売店兼レストランだった。両替所らしきものはない。 「あそこで両替できるの?」  まあ行ってみろとスタッフが言う。僕はふらふらとそちらへ向か

          【アジア横断バックパッカー】#60 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット→イスタンブール 旅はただバスチケットを買うだけでも、忘れられない出来事になる

          【アジア横断バックパッカー】#59 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット ただイスタンブールへ行くだけ、それができない

           ドウバヤズットのバスターミナルに着くと、イラン人2人は先頭に立って歩き出した。僕は彼らの後を追った。建物の外で客待ちをしていたらしい男性とイラン人2人が何事か話し、やがてイラン人2人は元来た方へ戻り始めた。 「どうしたの?」  僕はよくわからず尋ねた。 「彼のバス会社でイスタンブールまで行けるらしいが、高いんだ」  若い方が言った。2人はなぜかバス停に戻り、ベンチに座った。話を聞いてみると、ここからイスタンブールへ行くと高いので、まずエルズルムへ行き、そこからまたイスタンブ

          【アジア横断バックパッカー】#59 11ヵ国目:トルコ-ドウバヤズット ただイスタンブールへ行くだけ、それができない

          【アジア横断バックパッカー】#58 11ヵ国目:トルコ 国境で夜が明ける

           国境の柵まで行き、トルコ人の職員に僕のバスはいつ来るんだと訊いたが、英語が通じずまったく何も分からなかった。バスの写真を撮ったことを思い出し、写真を見せても結果は変わらず、しまいには追い出される始末だった。  国境にはまだバスを待つ乗客がたくさんいたが、みな自分のバスが来ると嬉しそうに乗り込んでいた。3時間近く待たされているのだ。嬉しくて当然である。  そのうちあることに気付いた。僕と同じように、バスが来るたびに近づいては結局乗れない、ということを繰り返している40代くら

          【アジア横断バックパッカー】#58 11ヵ国目:トルコ 国境で夜が明ける

          【アジア横断バックパッカー】#57 11ヵ国目:トルコ 僕はなにかを間違えたらしい

           外に出たところにはカフェがあり、長距離トラックが列をなしていた。僕はもうバスが待っていると思い込み、トラックの間を歩き回ってバスを探したが、結果的にバスはまだ来ていないことが判明した。そもそも乗客もほとんど来ていないのだ。冷静に考えればわかるはずだが、国境で、それも深夜に置いて行かれたらと思うと冷静ではいられなかったのだ。  他にも何人か人がいた。別のバスを待っているらしい。イランから国境を越え、トルコに入国するバスはほかにもあるのだ。  待っているうちに同じバスの乗客も

          【アジア横断バックパッカー】#57 11ヵ国目:トルコ 僕はなにかを間違えたらしい

          【アジア横断バックパッカー】#56 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 勘違いで意図せず旅が動き出す

           部屋はなんと階段の途中にあり、どうやら広い踊り場を仕切って部屋にしたらしかった。広さは2畳あるかないかほどしかなく、ベッドと小さなテーブルしかなかった。シャワーは別の空いている部屋のものを使っていいらしい。  だが居心地は悪くなかった。久しぶりの個室だからかもしれない。窓も大きく、空調はなかったが夜は涼しかった。  タブリースの街を少し歩き、見つけた店でビーフサンドイッチを食べた。店のテレビではちょうどロシア・W杯の日本戦をやっていて、店員は僕が日本人だとわかると画面を指

          【アジア横断バックパッカー】#56 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 勘違いで意図せず旅が動き出す

          【アジア横断バックパッカー】#55 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 移動して宿を確保するのはバックパック旅の最小単位

           バックパックを背負ってメトロに揺られていると、おっちゃんが席を譲ってくれた。旅人に優しいのか、僕が大変そうに見えたのか。  昨日来たバスターミナルに再び降り立ち、乗り場を目指して歩いていると、前を歩いていた父子がちらちら僕を見ていることに気付いた。ついに父親が立ち止まって話しかけてきた。 「息子と一緒に写真を撮っていいかい?」  息子はまだ小さかった。快諾し、肩を組んで写真におさまった。  父子に手を振って別れながら、見ず知らずの外国人と一緒に写真を撮るのは一体どんな気持ち

          【アジア横断バックパッカー】#55 10ヵ国目:イラン-テヘラン→タブリーズ 移動して宿を確保するのはバックパック旅の最小単位

          【アジア横断バックパッカー】#54 10ヵ国目:イラン-テヘラン こまごまとしたイランの文化について イランはとてもいいところ

           「マシュハド・ホステル」は旅行者に有名な宿なので、日本語の情報ノートが置いてあった。古き良き旅文化だが、あまり有益とは言えないような情報も多い。そもそも情報が古かったり、これこれこんなことがあった、ここでどこどこ行きのチケットが買えます、などの情報をもとに実際に現地に行ってみても、情報通りに事が運ばないことが往々にしてある。  考えるに、理由はふたつある。ひとつには書き手の主観が入りすぎていること(あそこの料理がどうのこうの…)、もうひとつはたまたまその時はそうだっただけ

          【アジア横断バックパッカー】#54 10ヵ国目:イラン-テヘラン こまごまとしたイランの文化について イランはとてもいいところ

          【アジア横断バックパッカー】#53 10ヵ国目:イラン-テヘラン 安宿「マシュハド・ホステル」は静まり返っている

           地下鉄は次第に日本と変わらないくらい混み始めた。そんな混雑の中でも、対面に座っていた青年が、イマームホメイニー駅が近づくと立ちあがり、次の駅だよ、と教えてくれた。イラン人はとても親切だった。日本で外国人にここまでする人がいるだろうか。  僕が降りると、青年が窓越しに手を振っていた。  地上に出て、テヘランの街を見渡した。  やはり都会だな、と思った。パキスタンよりもさらに綺麗になっていたが、不思議と街から、東南アジアのようなパワーを感じた。ミャンマーやタイに近いものがある

          【アジア横断バックパッカー】#53 10ヵ国目:イラン-テヘラン 安宿「マシュハド・ホステル」は静まり返っている

          【アジア横断バックパッカー】#52 10ヵ国目:イラン-テヘラン ややこしい「イラン・リヤル」と綺麗なイラン地下鉄

           白タクの男は僕の前をスタスタと歩いて行く。さて何と言って断るか。街中まで地下鉄があることは知っていた。その地下鉄がかなり安いことも。だが万が一男のタクシーが良心的な価格なら、面倒だから乗っても良かった。ついでに安い宿まで連れて行ってもらってもいい。泊まるか否かは着いてから決めればいいのだ。  男の車はオンボロの白い乗用車だった。男がトランクを開けたところで僕は訊いた。 「シティーセンターまでいくら?」 「20ドルでどうだ」  予想は出来たが、良心的どころではない。僕は一応

          【アジア横断バックパッカー】#52 10ヵ国目:イラン-テヘラン ややこしい「イラン・リヤル」と綺麗なイラン地下鉄

          【アジア横断バックパッカー】#51 10ヵ国目:イラン-テヘラン どの国の空港にも白タクはいる

           窓から朝日を反射し、光り輝く海が見える。久しぶりに海を見たなと僕は思った。  シートベルト着用サインが小さな音ともに消えると、あちこちから金属のカチャカチャと言う音が聞こえる。気の早い何人かはもう立ちあがり、荷物を下ろし始めていた。  ドーハ空港に降り立つと僕は真っ先にM氏を探したが、結局見つけることはできなかった。  ドーハ空港は大きく、有名な巨大なクマのぬいぐるみが座り込んでいた。そういえばまだ働いていたころ、短い休みを使ってドーハに行ってみようと思ったことがあったの

          【アジア横断バックパッカー】#51 10ヵ国目:イラン-テヘラン どの国の空港にも白タクはいる