「里に夏がやってきた」－詩ー

里に初夏が　やってきた
ウグイス　さえずり　上手になった
オタマジャクシも　手足がはえた
坊やは　新しい虫網　買ってもらった

オニヤンマは　空気を滑るように　飛ぶ
暮れると　ホタルが　光りだす
天国の　父さんが　戻ってきたよと
姉（ねえ）ねが　つぶやく
坊やは　両手合わせて　ノンノンした

虫網で　オハグロトンボを　追う
トンボはフワリ　ヒラリと　逃げる
坊やの　白い網と　トンボが
舞を　舞っているようだ

緑の風　稲穂の海を　吹き渡る　
かかしの　帽子も　飛ばされそう
かみなり雲が　モコモコ　湧いた
坊やは　半べそで　あぜ道　走る

八幡神社の　お祭りだ
坊やも　山車　引っ張った
長い　町内回りに　疲れ果て
最後は　母さんに　おんぶされた

坊やの夏は　日々　新しい夏

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