たぬえもん

急に物書きがしたくなったので開設しました。30代女子の徒然なる日々を綴ります。

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急に物書きがしたくなったので開設しました。30代女子の徒然なる日々を綴ります。

記事一覧

歩道橋のマジックアワー

自分という「個」を超えて、「世界」に思いを馳せたくなる時がある。 国分寺崖線(都内のがけ地)のへりにそびえたっている中学校に通っていた。崖下の街に住んでいたので…

たぬえもん
6か月前
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流しながら生きる

何かと流すようにしている。 流すことと言えば「流し」がある。今風の言葉ではないので、少し付け足すと、台所のシンクのことである。 私は流しの排水溝を掃除するのが嫌…

たぬえもん
8か月前
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【感想文】三笘薫「VISION」ゆとり世代とプロサッカー選手を比較してみた

私は、なまけ者である。 常々、こんな性格を変えたいと思っていた。怠け者の対極にいるのが、プロサッカー選手の三笘薫選手である。そんな彼が自伝を書いた。「VISION〜夢…

たぬえもん
8か月前
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朝靄(あさもや)の気配

漆黒の夜がじわりじわりと明けはじめて、空がゆっくりと白んでくる。朝靄(あさもや)の時間がおとずれた。 早起きは苦手なのだが、たまに朝方の早い時刻に起きられること…

たぬえもん
8か月前
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京浜島と板金職人

東京都大田区にある京浜島(けいひんじま)をご存知だろうか。 夜間人口10人以下の、古くから製造業がひしめく工業団地、そして人工の島である。 京浜島へは、JR大森駅か…

たぬえもん
9か月前
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あこがれとフィクション

どこか遠くの世界に憧れることはないだろうか。 受験勉強をしていた頃、単語帳を片手に、電車にどんどこ揺られながら、新宿駅にある予備校に通っていた。ある真夏の日、外…

たぬえもん
9か月前
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俳句とフジファブリック

高校時代は俳句部に所属していた。俳句は奥が深い。季語を含めて17文字で構成し「景(=景色)」を表現するというシンプルな体裁だが、その短い言葉の中に、自然のダイナミ…

たぬえもん
9か月前
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夏になると物書きをしたくなる

じーわじーわじーわ。 蝉の声が岩に沁み入っている。 ここは都会だから岩ではなくコンクリートだけれども。 夏になると物書きの欲求が現れるので、 今までは自己満足で終…

たぬえもん
9か月前
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歩道橋のマジックアワー

歩道橋のマジックアワー

自分という「個」を超えて、「世界」に思いを馳せたくなる時がある。

国分寺崖線(都内のがけ地)のへりにそびえたっている中学校に通っていた。崖下の街に住んでいたので坂をくだって下校する。学校の正門から帰宅するときは、この坂道のルートを通ることになる。

でも私はいつも別の近道を使って下校していた。学校の裏門ルートだ。中学校の裏門から続く階段は、崖下を走る世田谷通りに降りることができる歩道橋と繋がって

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流しながら生きる

流しながら生きる

何かと流すようにしている。

流すことと言えば「流し」がある。今風の言葉ではないので、少し付け足すと、台所のシンクのことである。

私は流しの排水溝を掃除するのが嫌いだ。数週間放置すれば、ぬめって臭いを放ち、流れがよどむからだ。一度よどむと、次の排水が行き場をなくして、逆流する。ネットの中にあった食べ物のカスまで逆流してきて大変だ。

しょうがないから重い腰を上げて、
ぬめった排水溝の蓋をはずし、

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【感想文】三笘薫「VISION」ゆとり世代とプロサッカー選手を比較してみた

【感想文】三笘薫「VISION」ゆとり世代とプロサッカー選手を比較してみた

私は、なまけ者である。

常々、こんな性格を変えたいと思っていた。怠け者の対極にいるのが、プロサッカー選手の三笘薫選手である。そんな彼が自伝を書いた。「VISION〜夢を叶える逆算思考〜」という本だ。この自伝をヒントにして、VISION(=目標)達成の極意を考察したい。

1.三笘薫はどんな選手かまずは三笘選手のこと。説明にあたって、私が大の川崎フロンターレのファンだということも付け加えておく。三

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朝靄(あさもや)の気配

朝靄(あさもや)の気配

漆黒の夜がじわりじわりと明けはじめて、空がゆっくりと白んでくる。朝靄(あさもや)の時間がおとずれた。

早起きは苦手なのだが、たまに朝方の早い時刻に起きられることがあって、この朝靄に出くわすと、えもいえない気持ちになる。
今回は、この気持ちの正体を明らかにしたい。

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瞼がひらく。そこに意思はない。おのずと、瞳がしかるべき動きをとる。
すぐ後に、無意識の奥からゆっくりと意識が顔を出し、世界が

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京浜島と板金職人

京浜島と板金職人

東京都大田区にある京浜島(けいひんじま)をご存知だろうか。

夜間人口10人以下の、古くから製造業がひしめく工業団地、そして人工の島である。

京浜島へは、JR大森駅からのバスか、東京モノレールで向かう。住宅がないので、この島へ移動するほとんどの人が労働従事者である。そのため出退勤の時刻である朝と夕方のバスは混雑するが、真昼間はバスに乗る人もいなければ、島内を歩く人影もほとんどない。

島の隣には

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あこがれとフィクション

あこがれとフィクション

どこか遠くの世界に憧れることはないだろうか。

受験勉強をしていた頃、単語帳を片手に、電車にどんどこ揺られながら、新宿駅にある予備校に通っていた。ある真夏の日、外はどうしようもなく晴れているのに、建物の中に籠ってしまうのが勿体無くて、予備校の建物の前でふと足を止めた。

一回くらいなら授業をサボって、季節感を味わっても怒られはしないだろう、とあまり深く考えず、直感的にもと来た道を戻って、小田急線に

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俳句とフジファブリック

俳句とフジファブリック

高校時代は俳句部に所属していた。俳句は奥が深い。季語を含めて17文字で構成し「景(=景色)」を表現するというシンプルな体裁だが、その短い言葉の中に、自然のダイナミクス(=力学)が見て取れる。

春の海ひねもすのたりのたりかな 与謝蕪村

好きな句だ。わざわざ解説するまでもないのだが、これは、春ののどかな海で、波がちびちび浜辺にやってきては、のそのそと引き返していく、そんな景を歌ったものである。まる

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夏になると物書きをしたくなる

夏になると物書きをしたくなる

じーわじーわじーわ。
蝉の声が岩に沁み入っている。
ここは都会だから岩ではなくコンクリートだけれども。

夏になると物書きの欲求が現れるので、
今までは自己満足で終わらせていた書き物を
ブログに残してみることにした。

物書きの欲求はどこからくるのだろう?と
蝉のように急激に湧いてやってきた、
この気持ちの正体を探っている。

夏休みという言葉は、30代女子にとってもワクワクする響きだ。そのワクワ

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