新人。

映像表現への批評をしているつもりです。質問、疑問点など気軽にどうぞ。出来る限り返答致し…

新人。

映像表現への批評をしているつもりです。質問、疑問点など気軽にどうぞ。出来る限り返答致します。 嘘はつきたくないので、本音で記事を書いています。どうぞ宜しく。

記事一覧

固定された記事

「聲の形」は障害を克服する物語ではなく、欠陥を受け入れる物語である。

2016年と2023年のアニメーション 『聲の形』は2016年に公開された、京都アニメーション制作の劇場作品だ。 また、2016年のほぼ同時期に新海誠監督の『君の名は。』が公開さ…

新人。
4か月前
22

「タブロイド思考」意味は、複雑なものごとを皮相的に単純化・類型化して把握する思考パターン。タイパだとかいってネタバレサイトや考察動画を見て作品を理解した気になったり、SNSで盛り上がっていたり、興行収入が幾らかを基準に作品の評価をしたりする人達は正にこの思考パターンなのだろう。

新人。
3日前
1

「奪還のロゼ」一話を見た。コードギアスシリーズへのリスペクトを感じるが、当然それだけでは満足できないので旧メンバーが居なくなり名ばかりの傭兵集団となった黒の騎士団を主人公達が成敗するなんてシーンがあれば野心的で良い作品になると思う。果たしてどうなるか。この先の展開に期待する。

新人。
6日前

何も考えずに作品を消費するのは論外だが、作品の内側にある謎や伏線について言及する所謂「考察」に耽溺すると作品に没入し過ぎて、作者の思想やその作品が社会に及ぼす影響等の作品を俯瞰して観る能力を失う。なので、考察厨は「考察」記事ばかり読むのではなく、「批評」記事も読んで下さい。

新人。
1か月前
1

「呪術廻戦」#25を見直した。やはり御所園絵コンテ凄い。冒頭10分で物体ナメ歌姫を数度見せた後、OP前でナメにしていた物体を踏みつけて五条が登場する。これにより、初登場のインパクト+瓦礫の下敷きになる歌姫と見下ろす五条に実力の差がかなりあることを撮影方法のみで演出している。凄い。

新人。
1か月前
1

笠希々とかいうアニメ感想系youtuberに「作画が良い」=「良いアニメ」という価値基準では話にならないと意見したらブロックされた。「作画が良い作品が好き」なら理解できるが、それが傑作かどうかは別問題。好き、嫌いと良い、悪いの違いが分からない。だから、価値基準が稚拙になる。

新人。
2か月前
3

「閃光のハサウェイ」を見直した。村瀬監督は演出家としても一流だと再認識した。特に素晴らしいのはハサウェイとギギの二面性や心情を分かりやすいモノローグだけでなく被写物の扱いやアングルの工夫などの実写映像的な演出で表現している点。この作品は、台詞ではなく描写を注視すべきだ。絶対。

新人。
2か月前
1

「戦隊大失格」の3話コンテが良かった。理由は、目に見えているものを疑わない人間や戦隊が人間に見せている幻想を打ち砕く、目を覚まさせる怪人の物語を目に関わる演出を頻出させ、視聴者に目への意識を強調させることで考えさせるという演出からテーマを思考させること可能にしたコンテだからだ。

新人。
2か月前
1

演出を読み解けない人の多くは
「クリティカルリーディング」が出来ない、または知らないのだと思う。
無理もない。欧米では、当たり前のように教育されるそれを日本国は全く教えていない。代わりに教えているといったら答えは模範回答の一つのみでそれ以外の解釈に✖︎を付けるもの。悪しき正解主義。

新人。
2か月前
1

ヒット作には元ネタがあるが本当に大事なのは元ネタ探しではなくアップデートできているかだ!

面白かった点 2024年春アニメが始まった途端に面白い作品を二つ観たので、雑感というか感じたことを素直に書こうと思う。 一つ目は、ガルパンやSHIROBAKOでお馴染み水島…

新人。
3か月前
7

「好き」という個人的な評価がSNSによって動員され集合することで「良い」という本来、客観性を持つ正当な評価が偽装され、あくまで見かけの上だけだが「好き」=「良い」が成り立ってしまったのが今日の情報社会。そこに同調圧力と権威主義も加われば、誰も自分で良し悪しを判断したりしない。

新人。
3か月前
2

私的2023年度優秀絵コンテ賞発表!!!

企画内容 2023年度、米アカデミー賞では、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を獲得。また宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を獲得すると…

新人。
3か月前
2

JAZZが『アニメ』を喰らっても、青くは輝けない。

はじめに 上映されることは知っていたものの、劇場へ足を運べず、ずっと気になっていた『BLUE GIANT』が配信開始されたので、遅ればせながら観ました。 端的に評価する…

新人。
3か月前
2

愛とロマンで人は救われるか?否。我々は『イデ』によって浄化されるべきである。

はじめに、言っておく! まず、本稿を読む前に下記の記事を読んでみてほしい。 かなりのスキが付いているこの文章。読んでみて如何でしたか? 私はこの記事のタイトルを…

100
新人。
3か月前
5

演出家は台詞と描写を接続できて、初めて二流。では、「一流の仕事とは?」私が思うにそれをこなした上で、キャラ同士の関係性や趣味趣向、思想の違い、心情等を読み解くヒントを台詞と描写で表現すること。千と千尋の序盤のシーンにはそれが詰まっている。やはり宮崎駿は演出家としても一流である。

新人。
3か月前
1

「社会的な問題を扱っている、故に傑作である」という作品評価は信用できない。なぜなら、中身(本質)を無視しているから。「なぜ、その問題を取り上げたのか、取り上げた上で何を表現したいのか、伝えたいのか」そこに目を向けてこその評価だろう。表面的な理解の先に本質は存在しない。

新人。
3か月前
1
「聲の形」は障害を克服する物語ではなく、欠陥を受け入れる物語である。

「聲の形」は障害を克服する物語ではなく、欠陥を受け入れる物語である。

2016年と2023年のアニメーション
『聲の形』は2016年に公開された、京都アニメーション制作の劇場作品だ。
また、2016年のほぼ同時期に新海誠監督の『君の名は。』が公開され、大ヒットを記録したことにより、残念ながら興行的に影を潜める結果となった作品でもある。

それについては、「見る目のない奴が多いな」等、言いたいことが多々あるが、そんなことよりもここで言いたいのは、2016年に起きた『君

もっとみる

「タブロイド思考」意味は、複雑なものごとを皮相的に単純化・類型化して把握する思考パターン。タイパだとかいってネタバレサイトや考察動画を見て作品を理解した気になったり、SNSで盛り上がっていたり、興行収入が幾らかを基準に作品の評価をしたりする人達は正にこの思考パターンなのだろう。

「奪還のロゼ」一話を見た。コードギアスシリーズへのリスペクトを感じるが、当然それだけでは満足できないので旧メンバーが居なくなり名ばかりの傭兵集団となった黒の騎士団を主人公達が成敗するなんてシーンがあれば野心的で良い作品になると思う。果たしてどうなるか。この先の展開に期待する。

何も考えずに作品を消費するのは論外だが、作品の内側にある謎や伏線について言及する所謂「考察」に耽溺すると作品に没入し過ぎて、作者の思想やその作品が社会に及ぼす影響等の作品を俯瞰して観る能力を失う。なので、考察厨は「考察」記事ばかり読むのではなく、「批評」記事も読んで下さい。

「呪術廻戦」#25を見直した。やはり御所園絵コンテ凄い。冒頭10分で物体ナメ歌姫を数度見せた後、OP前でナメにしていた物体を踏みつけて五条が登場する。これにより、初登場のインパクト+瓦礫の下敷きになる歌姫と見下ろす五条に実力の差がかなりあることを撮影方法のみで演出している。凄い。

笠希々とかいうアニメ感想系youtuberに「作画が良い」=「良いアニメ」という価値基準では話にならないと意見したらブロックされた。「作画が良い作品が好き」なら理解できるが、それが傑作かどうかは別問題。好き、嫌いと良い、悪いの違いが分からない。だから、価値基準が稚拙になる。

「閃光のハサウェイ」を見直した。村瀬監督は演出家としても一流だと再認識した。特に素晴らしいのはハサウェイとギギの二面性や心情を分かりやすいモノローグだけでなく被写物の扱いやアングルの工夫などの実写映像的な演出で表現している点。この作品は、台詞ではなく描写を注視すべきだ。絶対。

「戦隊大失格」の3話コンテが良かった。理由は、目に見えているものを疑わない人間や戦隊が人間に見せている幻想を打ち砕く、目を覚まさせる怪人の物語を目に関わる演出を頻出させ、視聴者に目への意識を強調させることで考えさせるという演出からテーマを思考させること可能にしたコンテだからだ。

演出を読み解けない人の多くは
「クリティカルリーディング」が出来ない、または知らないのだと思う。
無理もない。欧米では、当たり前のように教育されるそれを日本国は全く教えていない。代わりに教えているといったら答えは模範回答の一つのみでそれ以外の解釈に✖︎を付けるもの。悪しき正解主義。

ヒット作には元ネタがあるが本当に大事なのは元ネタ探しではなくアップデートできているかだ!

ヒット作には元ネタがあるが本当に大事なのは元ネタ探しではなくアップデートできているかだ!

面白かった点

2024年春アニメが始まった途端に面白い作品を二つ観たので、雑感というか感じたことを素直に書こうと思う。

一つ目は、ガルパンやSHIROBAKOでお馴染み水島努監督のオリジナルアニメ『終末トレインどこへいく』。

二つ目は、前作が放送されてからかなりの時間が経ってからのリメイクということで話題になった『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』だ。

もっとみる

「好き」という個人的な評価がSNSによって動員され集合することで「良い」という本来、客観性を持つ正当な評価が偽装され、あくまで見かけの上だけだが「好き」=「良い」が成り立ってしまったのが今日の情報社会。そこに同調圧力と権威主義も加われば、誰も自分で良し悪しを判断したりしない。

私的2023年度優秀絵コンテ賞発表!!!

私的2023年度優秀絵コンテ賞発表!!!

企画内容
2023年度、米アカデミー賞では、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を獲得。また宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を獲得するという嬉しいニュースもありました。

それに便乗するわけではないですが、私的なアカデミー賞というか、私が2023年に放送されたTVアニメの中で非常に絵コンテが優れていたと評価するものをここに列挙し、自己満足でしかないですが、ささやかな

もっとみる
JAZZが『アニメ』を喰らっても、青くは輝けない。

JAZZが『アニメ』を喰らっても、青くは輝けない。



はじめに

上映されることは知っていたものの、劇場へ足を運べず、ずっと気になっていた『BLUE GIANT』が配信開始されたので、遅ればせながら観ました。

端的に評価すると、映画としては、75点。しかし、アニメーションとしては、65点。総合して、70点ぐらいの出来だと思う。

映画.comにかなり的を得たレビューがあったので、ここで参照しておく。

私は、かなりのアニメ党であるにも関わらず、

もっとみる
愛とロマンで人は救われるか?否。我々は『イデ』によって浄化されるべきである。

愛とロマンで人は救われるか?否。我々は『イデ』によって浄化されるべきである。


はじめに、言っておく!
まず、本稿を読む前に下記の記事を読んでみてほしい。

かなりのスキが付いているこの文章。読んでみて如何でしたか?

私はこの記事のタイトルを見た時、「かなり大きく出たな!」と思いました。だって「大人の目線」ですよ。「どのような体験を齎してくれるのか」という期待を胸にいざ文章を読み始めてみたところ…。

何ですかこれ?

どの辺が「大人の目線」何ですか?

本文開始早々、ネ

もっとみる

演出家は台詞と描写を接続できて、初めて二流。では、「一流の仕事とは?」私が思うにそれをこなした上で、キャラ同士の関係性や趣味趣向、思想の違い、心情等を読み解くヒントを台詞と描写で表現すること。千と千尋の序盤のシーンにはそれが詰まっている。やはり宮崎駿は演出家としても一流である。

「社会的な問題を扱っている、故に傑作である」という作品評価は信用できない。なぜなら、中身(本質)を無視しているから。「なぜ、その問題を取り上げたのか、取り上げた上で何を表現したいのか、伝えたいのか」そこに目を向けてこその評価だろう。表面的な理解の先に本質は存在しない。