今あるものを最大限に活かす その2.2 未来のためにできること 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 常に最先端に身を置くというのが私の信条です。

 だからこそ今あるものを最大限に活かすということを常に意識しています。新しいものに貪欲であるからこそ、新しいものを喰い散らかさないという感じでしょうか。
 それは父母を見てきたからか…

 私の自宅の今あるものを最大限に活かすという意味での昭和モダンの住宅のアップデートの歴史をご紹介したいと思います。

経緯
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 建設会社の技術系役員だった祖父の手により、製図はT定規と三角定規、構造計算は計算尺を駆使して設計され、祖父立会のもと建設された昭和モダンの家が対象です。

その辺りはこちらをご覧になって下さい。

 その2.1は上述の建物自体のアップデートについて。
総二階化し駐車場と玄関周りを拡張しました。

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 今回は、建物の設備のアップデートのお話しです。

 その2.1の中でベランダの拡張をご紹介しました。そのタイミングで2階の8畳と10畳の子供部屋2.部屋は2重ガラス戸の重厚なアルミサッシと雨戸に総入れ替えされました。元々天井を高く設計しているので建設当時出たてであった為にサイズバリエーションが少なく、最大サイズのアルミサッシの上段に窓用のサッシを加えていました。それも今回のアップデートでビル用の大きなアルミサッシにした為に2段重ねは解消しデザイン的にもとてもスッキリしました。
 新築での建設当時、木製の雨戸と初期のアルミサッシの組み合わせでは、例えば台風時には雨戸はカタカタ言うしサッシはその音を防音しきれず結構うるさいという状態でした。雨戸も上段の窓用のサッシの部分はありませんでした。勿論その前の時代の木製の雨戸に木製のガラス戸の組み合わせに比べれば雲泥の差ではあったのですが。2重窓の威力は凄まじく、東京の喧騒は完全に遮音されました。台風時もそもそも音の発生源の1つであった木製の雨戸からのカタカタ音がなくなった上に、雨戸自体が制震性があり加えて裏側には防音材が貼ってあるという念の入れようの設計なので静粛で快適そのものになりました。
 1回のリビングも同時に2重ガラス戸になりました。リビングは広々感を演出するために雨戸は無く、台風の時は雨音が入ってきて、強化ガラスが撓(しな)るのが分かり怖かったのです。しかし新しい2重ガラスは流石、外の音は聞こえず、台風でもガラスが撓ることもなく静粛かつ安心。
 リビングと一体となって使用頻度の高いL字型のキッチンの窓2枚も2重ガラスのアルミサッシにアップデートしています。こちらは道路側ということもあり、建物全体の騒音低減には効果的でした。
 これらのアップデートほ昭和の家の雑音レベルを劇的に低減してくれて、その古さを感じさせなくしてくれたのでした。この様に南側は隣家の構造と遠路の構造上陽当りも良く上述のアップデートほ効果でした。

 一方北側は道路を挟んだ隣家群の構造上、特に西側に有った邸宅に最近相続が発生して1軒家が3軒の建売住宅になりました。そのこともあり、道路に面して建物がびっしり詰まっています。皆さん南側に庭や駐車場を作られるので圧迫感は有りませんが、まるで城壁の様に北風から我が建物を守っていてくれています。

 そんな北側の玄関。搬入口としての機能も考慮した2枚扉は扉自体を新しくし、それに伴ってノブやチェーンを新しいものしてアップデート。重厚感を保ちたいとシックなデザインで統一しています。漆喰や珪藻土と同じノリで昭和の時代にはまだ流行だった大谷石が玄関内にも有ります。その2.1でご紹介した玄関外側の大谷石の次亜塩素酸水によるアルカリ化で本来の白さを取り戻した玄関周りは、内と外の大谷石の景色ガラスが新築時の景観を取り戻した効果でシームレスなデザインの統一感が再度生まれました。

 同じ北側の勝手口。こちらは使用頻度が極めて高く玄関があるにも拘らず、多くのお客様は勝手口を利用されます。そのため早い時期に玄関と意匠を合わせたシックな木製扉に交換していました。その扉も玄関のアップデートに合わせて補修、塗装もし直し、鍵もこれでもかと3重にしてアップデートされました。

 一方で今のところ1階の応接間、和室は手つかずです。理由はそもそも庭木が防風林代わりで風雨が2階に比べれば相対的に緩和されていることです。東西も通路を挟んでの隣家との距離が比較的近く同様に風雨の心配も無く、騒音の発生源も無い状況です。加えて最も利用頻度の高いリビングからは距離が有り、寧ろリビングの防音の為の緩衝空間になっています。丁度防音の為の2重壁の様なイメージ。また利用頻度が圧倒的に少ないことも有り2重ガラス化は今のところ優勢順位が低い状態です。

 昭和40年から始ったあるものを最大限に活かすというプロジェクト、今で言いうリフォームの嵐の話は、まだまだ続きます。(笑)

つづく
 

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