今あるものを最大限に活かす その2.32 未来のためにできること 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
常に最先端に身を置くというのが私の信条です。
だからこそ今あるものを最大限に活かすということを常に意識しています。新しいものに貪欲であるからこそ、新しいものを喰い散らかさないという感じでしょうか。
それは父母を見てきたからか…
私の自宅の今あるものを最大限に活かすという意味での昭和モダンの住宅のアップデートの歴史をご紹介したいと思います。
経緯
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建設会社の技術系役員だった祖父の手により、製図はT定規と三角定規、構造計算は計算尺を駆使して設計され、祖父立会のもと建設された昭和モダンの家が対象です。
その辺りはこちらをご覧になって下さい。
その2.1は上述の建物自体のアップデートについて。
総二階化し駐車場と玄関周りを拡張しました。
その2.2は、建物の設備のアップデートのお話しです。
特に戸、窓のアップデートと静粛性向上についてした。
その2.31は、水回りの設備のアップデートのお話しです。 先ずはキッチンから。
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今回は、水回りの設備のアップデートのお話しの続編です。
お風呂場のアップデート。
これは意外にも安直に結果を出せました。
新築時は天井を除き壁面から下は総タイル貼りのクリーム色とブルー主体の明るいお風呂場でした。シャワーもイケていて使い心地満点でした。昭和としてはとてもスマートな部類のデザイン。
当時主流になりつつあったバランス型風呂釜では有りませんでした。給湯器は台所にある大型の業務用瞬間湯沸かし器からなのでタイル貼りの深めの浴槽とお湯と水の蛇口、排水口だけとてもシンプルな構造。小洒落てるけど、まぁ言っちゃえばドラム缶にお湯を入れて入る風呂と同じ… でも子どもながらにお気に入りのお風呂場でした。
しかしコンクリート造りなので都区内とはいえ特に冬が寒い。底冷えする感じでした。また衛生面を考えて選択しなかった循環式ではないので、単純に給湯器からのお湯を利用する設計。湯温が冷えたら栓を抜いて少し排水して高温のお湯を足す感じ。しかも綺麗好きの母親だったので頻繁にお湯を全部抜いて掃除するというルーティンでした。狙い通り清潔そのもの。
一方タイル貼りの欠点である目地の白セメントの管理が大変でした。兎も角カビを生やさないこと。一旦生やしてしまうと中々目地の着色が取れないんです。今ならカビキラー等の次亜塩素酸水が簡単に手に入るのでそれ程でもないのですが。目地は痩せて来るので定期的に目地を新しい防水セメントで埋めるという手間も有りました。
また、排水が古典的な排水で浴室からの排水を土管で受ける構造でした。ですから残念ながら排水パイプと土管の隙間からどうしても昆虫類が侵入して来ます。
また脱衣所とお風呂場の仕切りは、当時サッシが無かったのて木製の扉でした。木の香りがして良いのですが所詮木製のなのでどうしても腐ってしまいます。何度か扉(引き戸)部分(レールとその台座部を含む)を交換しましたが、慢性的な弱点でした。
隣接する脱衣所兼洗濯機置場も広めで新築時は当時珍しかったユニット型洗面台に2層式(洗濯槽と脱水槽が別。いちいち洗濯後に脱水槽に洗濯物を移すという設計)洗濯機を意識した給水と排水設備が付いていました。
しかし当時はまだユニット型洗濯機置場はなく、床に直置きしていました。流石に不都合だったのでステンレスを貼った作り付けの洗濯機置場に直ぐ変更しました。こちらは木製ですがステンレスが貼ってあるので腐ることはありませんでした。
そもそも当時は洗濯機は室内には置かず例えば洗濯板と洗い桶を使って洗濯をしていた水場に、或いは屋外の物干し場に置くという方も多かった時代でした。
その脱衣所の床も木で、これも経年劣化で水分を吸ってプカプカするようになり浴室扉と同じタイミングで交換していました。これも畳替えじゃないですが、新調するとなんとも良い木の香りがしてそれはそれで有りという感じでした。
ということでお気に入りのお風呂場でしたが、母親が歳を取ったので手前いらずのお風呂場にアップデートという次第。
手っ取り早く完成度が高い定番のユニットバスを採用ということなのですが、一般的にはユニットバスにするとどうしても壁面が厚くなり、浴室が狭くなる傾向にあります。幸い広めの浴室だったのでユニットバスにして広々感は減りましたが、標準的なお風呂場という感じでしょうか。
それでも以前に比べると狭いのは仕方がない。しかし流石ユニットバス。デザインは完璧、柔らかいピンク色を選んだのですが、居心地良くずっとお風呂に浸かっていたい感じです。湯船は全自動でお湯はり、追い焚き、温度調節、浴室には多機能シャワー。この多機能シャワーは優れもので複数のシャワーモードが選べるという当時は出始め、今正により進化して流行しているタイプ。
浴室には室内温度制御付きのヒータ、換気も通常の換気と24時間換気、浴室乾燥機能等フル装備です。
これらの相乗効果出始めお風呂場のメンテナンスの手間も激減した感じです。
ということで当たり前過ぎて意識しなくなっていることなのですが、住宅建設の中で難易度の高い浴室を工業製品レベルで受け止めてくれるユニットバスの恩恵は、正に画期的。
システムキッチンと並ぶ大発明なのです。
昭和の風呂場との比較で分かって頂ければと思います。
同じノリで脱衣所のユニット型洗面台も最新型に刷新し、より明るい部屋になりました。ユニット型洗濯機置場も快適で、木製ステンレス貼りに比べて振動も騒音も減少しました。排水管の取り回しも合理的で良い感じ。
そして大正解のご紹介。洗濯機の給水に温水も利用できるようにしたので洗濯槽のクリーニングなどの洗濯機のメンテナンスや特に冬期の洗濯には便利です。これは強くお勧めします。
このアップデートをして大分経ちますので今となっては標準的なユニットバスの設備になってしまいましたが(笑)
昭和40年から始ったあるものを最大限に活かすというプロジェクト、今で言いうリフォームの嵐の話は、まだまだ続きます。
つづく
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