今あるものを最大限に活かす その2.42 未来のためにできること 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

 常に最先端に身を置くというのが私の信条です。

 だからこそ今あるものを最大限に活かすということを常に意識しています。新しいものに貪欲であるからこそ、新しいものを喰い散らかさないという感じでしょうか。
 それは父母を見てきたからか…

 私の自宅の今あるものを最大限に活かすという意味での昭和モダンの住宅のアップデートの歴史をご紹介したいと思います。

経緯
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 建設会社の技術系役員だった祖父の手により、製図はT定規と三角定規、構造計算は計算尺を駆使して設計され、祖父立会のもと建設された昭和モダンの家が対象です。

その辺りはこちらをご覧になって下さい。

 その2.1は上述の建物自体のアップデートについて。
総二階化し駐車場と玄関周りを拡張しました。

 その2.2は、建物の設備のアップデートのお話しです。
特に戸、窓のアップデートと静粛性向上についてした。

 その2.31は、水回りの設備のアップデートのお話しです。 先ずはキッチンから。

 その2.32は、水回りの設備のアップデートのお話しの続編。お風呂場(含脱衣所、洗面所、洗濯機置場)のアップデート。


 その2.33は、水回りの設備のアップデートのお話しの続々編です。トイレのアップデート。

 その2.41は、空調の設備のアップデートのお話しでした。
見直されている扇風機のアップデート。
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 今回は、空調の設備のアップデートの続編です。

 ジュラ紀と白亜紀は、大気中のCO2濃度は現在の10倍〜20倍くらいあり、気温も今より10℃程度高かったとは言え、都区部もこの100年程トレンドとして気温は上昇しています。例えばこんな感じです。

新築時頃    1970年8月 31.7℃
今年      2023年8月 34.2℃ 本日時点

ですから扇風機だけでは凌げなくなって来ています。室温自体を下げるには当たり前ですが、エアコンが必要。 

 実際新築後エアコンではなく冷房専用、クーラーを応接間兼父の書斎に導入することになりました。

 当時のクーラーは直方体の箱に今のエアコンの室外機と室内機が入っていて重たく、構造上その設置に耐えられる壁面が必要でした。

一体型エアコン
屋外側

 それが可能であったのは応接間でした。それでも設置する壁面は相応の補強をする必要が有りました。加えて消費電力が大きく、昭和としては余裕を持った電源環境でコンセントも当時としては多めでしたが、それでも配電盤にエアコン専用のブレーカを設けて、配線も新しく引き直す必要が有りました。 
 この様な設置工事を経てやっと米国製のクーラーが導入されたのです。真夏の昼間は家族全員が応接間に集合して団らんするという、別の意味で家族の一体感を醸し出す装置としても機能していました。なんだかほのぼのしていて居心地良かった記憶があります。
 一方で動作音が凄かった。電源を入れるとブーンと壁面まで振動して音響工学的にはまるで無限大バッフルにスピーカーを取り付けた感じです。

無限大バッフルにスピーカーをつけた感じ

バッフルとは音を遮蔽するもの
この場合スピーカーの裏側から出る逆位相の音を遮断

応接間はピアノが有った為に防音対策(吸音材)された壁や天井でしたが、特にMAX ACという外気を取り入れず出力最大で冷房するモードの時が飛び抜けて大音量でした。
 ですから流石に防音対策してあっても屋外の騒音が酷く、真夏には隣家から苦情を言われる程でした。
 そのためMAX ACモードは厳禁となり、NORMALモードでの騒音を気にしながらの使用が続きました。
 
 一方、暖房は父が石油会社であった為に、灯油がふんだんに有りました。倉庫に真っ新なキラキラ光る金属製の一斗缶入の灯油が積んで有りました。ですから専ら石油ストーブが主役でした。
 しかし、灯油の管理、石油ストーブの給油や芯の管理が面倒だった上に、火災や燃焼ガスの安全性の問題がの加わって脱灯油ということに。ですがオール電化とは成らず、2階の子供部屋の増築に合わせてガス配管を増設し、当時東京ガスさんが推していたガス暖房に電気での冷房を加えた一体型のエアコンが応接間に導入されました。お隣さんへの配慮から南側の庭側に設置となりました。南側なので冷房の熱交換器の排熱側の温度が高くなってしまいエコには逆行しますけど…

ガス冷暖房設備

デザインも美しい

 エアコンの効きも良く、静か。暖房はガスなのですが、熱交換器のお蔭で燃焼ガスの排気は屋外。なので室内の空気は汚さないという優れものでした。
 流石東京ガスさん。装置の信頼性は抜群です。業務用機器の様に適切な定期点検と保守·アップデート下で、今でも主に暖房用として稼動しています。流石に冷房効率は最新機種には敵いませんが。

 ということで応接間には最新機種のエアコンが主に冷房用として追加されました。流石に最新機種なので電力効率は良く、春や秋の少し肌寒い季節は暖房用としても活躍しています。
 
 新築時からの子供部屋は応接間と同じタイミングでいきなりガス冷暖房設備が入りました。以降は応接間同様に冷房用としてエアコンが追加され今に至っています。

 増築した子供部屋(私の部屋)は増築時に設置した三菱さんの霧ヶ峰が現役でつい最近まで約40年間稼動していました。まだまだ使えるのに私の居ない間に母が上述の元々の子供部屋への最新機種のエアコン導入のタイミングで廃棄し、元々の子供部屋と同機種に交換してしまいました。

 その辺りはこちらをお楽しみ下さい。

 一方で暖房は小型の反射型ガスストーブでした。1面点火か2面とも点火の弱と強しか無いので温度管理が難しく、しかも排気ガスでも温めるので1時間毎に換気が必須でした。
 その後は温度管理やタイマー機能などが付いた持ち運び式の小型の電気ファンヒータが活躍していました。そもそもリビングと直結した和室の上なので、特に暖房はリビングの天井に溜まった暖気による床暖房があるようなものでしたので不自由ありませんでした。

 まぁ結局、抜き打ちで交換された最新機種のエアコン一基で冷暖房ともにアップデート完了という感じです。

 そして最も利用頻度の高いリビングは、構造上分離型のエアコンしか付けられず、冷房はそれだけです。リビング以外に玄関、トイレ、浴室、脱衣所、和室、キッチン一階部全般の冷房としての役割を担っています。ですからここの省エネ管理が最も家全体の光熱費に影響を与えます。そんな訳でここのエアコンは定期的に最新機種にアップデートしています。まぁ50年間で数台という感じです。

 一方リビングの暖房は激しい変化を遂げています。
石油ストーブは円筒形のトラディショナルなストーブ系で3世代、英国製のブルーフレーム(青い炎)、Aladdin一点張りでアップデートされました。一方反射型は日本製でのアップデートが同じく3世代続きました。
 その後リビングの床の張替えのタイミングで電気式の床暖房が追加されました。コスト的にはこれを活用することが光熱費節約には効果的なのですが。既報の様に母が火による暖房への拘りが強く、結局は石油ストーブからガスファンヒーターへのアップデートで確定し、現在2世代目です。家の構造上、応接間や元々の子供部屋に設置したガス冷暖房設備は導入できず、この様なアップデート、進化の道を辿ったのでした。

 冒頭に温暖化の話を掲げましたが、まぁ、同様に最低気温も切り上がっ居ます。新築時頃は都区内でも朝霜柱方に立っているほど寒い冬でした。今では霜柱は殆ど見られず、雪も子どもの時に比べれば減り、しかも溶けるのも早いという感じです。ですから暖房のアップデートは使用頻度が低くなっていることから冷房に比べれば緩慢になっています。

 改めてアップデートをまとめて見ると電気配線やガス栓の増設といったエネルギー系統のインフラ増強、扇風機と石油ストーブからの設備機器アップデートの部屋ごとの多様な進化を再認識した次第…

 面白い。

 昭和40年から始ったあるものを最大限に活かすというプロジェクト、今で言いうリフォームの嵐の話は、まだまだ続きます。

つづく





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