珍しく、一切何の先入観もない状態で映画を見た。 原作である村上春樹の短編小説を読んだことがなかったし、この映画の 物語をあらかじめネットで調べることもしなかった…
というタイトルの割には、多くの人に知られている映画。これだけ地味で 悲惨で救われようがない映画が、多くの人に見られていることがすごいと 思う。 私はこの映画をもう…
突然だが不定期の特集として行う予定だった「その後の深作欣二」は今回で中止する。「バトルロワイアル」を見て続ける意欲が失せてしまった。 もっとも、第1回の投稿に誰も…
<五藤氏の適正な脚本料が未払いにされていた> 私が今回のケースで一番怒りを感じたのが、この「脚本料10万円事件」だ。あえて攻撃的な意図を込めて「事件」と書いたが…
先日、新聞の社会面の小さな記事で荒井晴彦が弟子の脚本家が書いた映画の脚本を弟子に無許可で改変した行為で賠償を命じられたということを知って少し驚いた。 驚いたのは…
大宮から都内の京橋まで片道1時間半かけて見に行ったが、それだけの甲斐はある良い映画だった。日本映画黄金時代の巨匠・溝口健二の遺作である。 正直にいうと、私はこれ…
今回から不定期で深作欣二の中期以降の作品を論じていこうと思う。 タイトルの「その後」とは東映実録やくざ路線が終了した、その後という意味である。まず第1弾は深作が…
先日、ふと目にしたネット上のニュースで、早稲田松竹が25年ぶりに入場料金を値上げしたことを知りました。早稲田松竹はいわゆる名画座で、2本立てラインナップを週替わ…
公開2日目の土曜日に、しかも晴天の日に見に行ったのに観客は私を含めて6人。おそらく、この映画の不入りは確実だろう。しかし残念だとは思えない。以下にこの意欲的な映…
ネタバレ厳禁の方は要注意! 私はこの映画を2時間程度の退屈しのぎに見た。で、予想通りに退屈しのぎにはなった。 文字通り、それ以上でもそれ以下でもない映画。いわゆ…
つい先ほど、「空母いぶき」という映画を見たので、この映画の感想をアップしようと思い、ウィキで映画の基礎情報を調べてみました。 そこでこの映画の原作漫画の基本設定…
たぶん最大の問題は、映画館の券売機で障碍者手帳の提示なしにチケットが購入できるということだと思います。 といって、映画館の券売機に手帳の認証機能を導入するのは、…
先日、私は都内の映画館に行きました。そこで久しぶりに券売機ではなく受付でチケットを買うことになり、受付の男性から「チケットのカテゴリーを選んでください。」と言わ…
私が三宅唱監督の映画を見るのは、「PLAYBACK」以来、これで2本目になる。たまたまだが同監督のデビュー作と最新作のみを見たことになる(正確に言うと長編デビュ…
ネタバレ厳禁の方は要注意! この映画を最初に見たのは、市内にある図書館の視聴覚ホールだった。月に1回無料の映画鑑賞会が開催されていて、そこで私はこの日本映画史上…
最初の記事は自分がこれからやってみたいことを投稿するのがおすすめだということなので、素直にそうしておこうと思います。 私は映画鑑賞歴(ざっと)40年の映画フアン…
邦画太郎
2024年6月16日 12:39
珍しく、一切何の先入観もない状態で映画を見た。原作である村上春樹の短編小説を読んだことがなかったし、この映画の物語をあらかじめネットで調べることもしなかったからだ。あらかじめ知っていたのは、出演者がイッセー尾形と宮沢りえだということだけ。実際に見てみると、これは映画というよりは小説と映画を融合させたアート作品というのが正確だと思った。もちろん小説を映像化しているのだから、ごく一般的
2024年6月12日 11:48
というタイトルの割には、多くの人に知られている映画。これだけ地味で悲惨で救われようがない映画が、多くの人に見られていることがすごいと思う。私はこの映画をもう一度見たいとは思わないが、見なければよかったとも思わない。映画を見ている間、緻密な脚本、抑制された演出、精度の高い撮影などに感心しつつも、心の奥では映画が早く終わってくれることを祈っていた。YOUの演じる母親が4人の幼い子供たちを
2024年6月8日 13:22
突然だが不定期の特集として行う予定だった「その後の深作欣二」は今回で中止する。「バトルロワイアル」を見て続ける意欲が失せてしまった。もっとも、第1回の投稿に誰もスキしてないので、何の問題もないと思うのだが。「バトルロワイアル」という傑作を今回の特集の締めにして何度か深作の後期の映画を語っていこうと思っていたが、「バトルロワイアル」が傑作でも何でもない映画だったので、特集自体を続ける意欲が無く
2024年6月2日 16:48
<五藤氏の適正な脚本料が未払いにされていた>私が今回のケースで一番怒りを感じたのが、この「脚本料10万円事件」だ。あえて攻撃的な意図を込めて「事件」と書いたが、これを事件ではなくインディペンデントな映画業界での長年の慣習にすぎないと考える映画人たちがいる。まずそのことに驚いた。映画「天上の花」のプロデューサーは寺脇研と配給会社・太秦の代表である小林三四郎だが、彼らの言い分は概ねこのよう
2024年6月2日 13:59
先日、新聞の社会面の小さな記事で荒井晴彦が弟子の脚本家が書いた映画の脚本を弟子に無許可で改変した行為で賠償を命じられたということを知って少し驚いた。驚いたのは荒井晴彦が人様から訴えられるような人ではないと思ったからではなく、荒井氏本人が20年以上前に、今回とそっくり同じようなケースで脚本改変の「被害者」になっていたからだ。ちなみにこのときの「加害者」は監督の阪本順治で、映画は「KT」。
2024年5月26日 21:40
大宮から都内の京橋まで片道1時間半かけて見に行ったが、それだけの甲斐はある良い映画だった。日本映画黄金時代の巨匠・溝口健二の遺作である。正直にいうと、私はこれまで溝口の映画とはあまり相性がよくない。敗戦後に監督した有名どころの作品を何本か見ただけで、「山椒大夫」はあまりに退屈で最後まで見られなかった。 私がこれまでに見た溝口の映画では「近松物語」が最高傑作で、他の映画はどうもあまり好きに
2024年5月26日 21:20
今回から不定期で深作欣二の中期以降の作品を論じていこうと思う。タイトルの「その後」とは東映実録やくざ路線が終了した、その後という意味である。まず第1弾は深作が初めて監督した時代劇「柳生一族の陰謀」。私はこの映画をテレビで4回ほど、映画館で1回見ている。映画館のスクリーンでこの映画のダイナミズムを体感したときは、「七人の侍」や「十三人の刺客」に匹敵する時代劇大作の傑作だと感じた。今回、テレ
2024年5月19日 15:55
先日、ふと目にしたネット上のニュースで、早稲田松竹が25年ぶりに入場料金を値上げしたことを知りました。早稲田松竹はいわゆる名画座で、2本立てラインナップを週替わりで上映してくれる希少な映画館です。(すでに承知の方も多いと思いますが、多くの名画座では上映ラインナップが原則日替わりになっています。そのため見たい映画が土日に上映されないという事態も珍しくありません)私が好きな映画館ということもあ
2024年5月19日 09:23
公開2日目の土曜日に、しかも晴天の日に見に行ったのに観客は私を含めて6人。おそらく、この映画の不入りは確実だろう。しかし残念だとは思えない。以下にこの意欲的な映画の不入りに同情できない理由を書いておく。 1. 映画の内容が観客の(私の)期待を裏切る 私は事前にこの映画をミステリーでもあり、ノワールでもある映画なのだと期待をして見に行った。しかし実際には、この映画はミステリーでもないし
2024年5月12日 15:12
ネタバレ厳禁の方は要注意!私はこの映画を2時間程度の退屈しのぎに見た。で、予想通りに退屈しのぎにはなった。文字通り、それ以上でもそれ以下でもない映画。いわゆる1回見るには悪くないが、絶対に2回以上見る必要のない映画であり、以下、その理由を箇条書きにしていく。 1. 映画のタイトルが観客に誤解を生む。 この映画の原作は元々「チェインドッグ」というタイトルで、後に「死刑にいたる病」に
2024年5月12日 14:50
つい先ほど、「空母いぶき」という映画を見たので、この映画の感想をアップしようと思い、ウィキで映画の基礎情報を調べてみました。そこでこの映画の原作漫画の基本設定が大幅に(ウルトラ級に)映画用に脚色されていたことを知り、愕然としました。私は原作漫画を全く知らないので、原作漫画の基本設定も映画と同様なのだろうと、勝手に思い込んでいたのです。正直、この改変のあまりの離れ業にショックを受けて、鑑賞後
2024年5月6日 15:11
たぶん最大の問題は、映画館の券売機で障碍者手帳の提示なしにチケットが購入できるということだと思います。といって、映画館の券売機に手帳の認証機能を導入するのは、映画館の経営から言っても、個人情報保護の面から言っても現実的ではない。ならば、すべての映画館で上映前のチケットのもぎりを必ず行って、その際に手帳の提示を求めるのはどうか。これができるのなら「もうやっている」でしょうね。受付でのチ
2024年5月6日 15:10
先日、私は都内の映画館に行きました。そこで久しぶりに券売機ではなく受付でチケットを買うことになり、受付の男性から「チケットのカテゴリーを選んでください。」と言われたので、障碍者のカテゴリーでチケットを購入しました。その場で(一瞬、間があったので)持参していた障碍者手帳を受付の男性に提示しました。 記憶に間違いがなければ、私が映画館で従業員に障碍者手帳を見せたのは、これが初めてかもしれません。も
2024年5月6日 15:08
私が三宅唱監督の映画を見るのは、「PLAYBACK」以来、これで2本目になる。たまたまだが同監督のデビュー作と最新作のみを見たことになる(正確に言うと長編デビュー作は「ろくでなし」だが、この映画はアマチュ ア時代に製作されている)。以前に見た「PLAYBACK」もそうだったが、この「夜明けのすべて」もまた語るのが難しい映画だ。決して物語は難解ではない。むしろ映画で語られる物語は極めて単純であ
2024年5月6日 15:06
ネタバレ厳禁の方は要注意!この映画を最初に見たのは、市内にある図書館の視聴覚ホールだった。月に1回無料の映画鑑賞会が開催されていて、そこで私はこの日本映画史上に名高い映像叙事詩と出会い、この映画を見た誰もがそうであるように、クライマックスの演奏会 ― 加藤嘉と子役の少年とが日本列島を放浪する無言の映像と、オーケストラによる悲壮なテーマ曲に、さらに丹波哲郎の語りに声を上げずに号泣した。 今
2024年5月6日 14:59
最初の記事は自分がこれからやってみたいことを投稿するのがおすすめだということなので、素直にそうしておこうと思います。私は映画鑑賞歴(ざっと)40年の映画フアンです。日本映画とアメリカ映画を中心にこれまでに無数の映画を見てきました。しかし、ここ数年、映画を見てもひどく虚しいと思うようになりました。映画がつまらないから、ではありません。たとえ文句のつけようのない傑作を見ても、やはりどうしようもない