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障碍者割引について思うところ

先日、私は都内の映画館に行きました。そこで久しぶりに券売機ではなく受付でチケットを買うことになり、受付の男性から「チケットのカテゴリーを選んでください。」と言われたので、障碍者のカテゴリーでチケットを購入しました。その場で(一瞬、間があったので)持参していた障碍者手帳を受付の男性に提示しました。

 記憶に間違いがなければ、私が映画館で従業員に障碍者手帳を見せたのは、これが初めてかもしれません。もしそうだとすると、この日初めて障碍者割引という制度を「正当に利用した」ことになります。

誤解のないように書いておくと、私はこれまでに何度も何度も障碍者割引を利用しています。ただし、障碍者手帳を映画館の従業員に提示することなしに、です。

まず現在ではシネコンは当然として、ミニシアターでも多くの映画館が館内に券売機を設置しています。こうした券売機に「障碍者手帳の認証機能」というのはありません。だから、私はこれまで一度も自分が障碍者であることを証明することなく、券売機で障碍者割引のチケットを買ってきました。

次に購入したチケットを上映開始前に従業員の方がもぎりするのですが、
(これはやらない映画館もあるようです。私が先日行った映画館ではやってませんでした)
この際に障碍者手帳の提示を求められることは、現状でほぼありません。
チケットさえ所持していれば通常はフリーパスです。

・・ここから先は少々、書くのがためらわれることですが、おかしいことは
やはりおかしいので、問題提起として書かせてもらおうと思います。

5年ほど障碍者割引を利用して映画館で映画を見続けてきた私の経験から言えば、健常者であっても障碍者割引は問題なく利用できます。「問題なく」というのは、道義的、法的に問題がないという意味ではなく、不正が明るみに出て処罰される可能性が、きわめて低いということです。

現在、映画館のチケットを購入する方法には主に3つあると思います。

1.映画館の受付で直に購入する。
2.映画館に設置された券売機で購入する。
3.ウェブ上で当日券か前売り券を購入する。

1は先日、私が経験したとおり、手帳の提示を求められました。またそれが
可能です。
3のケースは障碍者割引でチケットを購入した観客に対して、映画館の側が
受付もしくは認証機械などで手帳の提示を要求するかどうかだと思います。
これは個別の映画館の判断によるとしか言えません。

問題はこれまでに私が幾度も経験してきた2のケースです。すでに書いた通り、券売機でチケットを購入した場合、その後にもぎりがあろうとなかろうと、その場で手帳の提示を求められることは、ほぼありません。特にシネコンでは99%ないというのが現状だと思います。

つまり券売機でチケットを購入する限り、健常者であっても障碍者割引を利用して、通常の半額で映画をみることが現実に可能なのです。「そんなひどいことをする人は滅多にいないよ」と言われるかもしれないし、実際にどのくらいの人がこの不正鑑賞を実行しているのか、私には分かりません。

ただ、ひとつだけ確かなのは、このような現状が放置されている限り、映画館の障碍者割引は障碍者の権利ではないということです。健常者が普通に利用可能なものを障碍者の権利とは言わないので。

今回はどうしても短くまとめることが出来ないので、次回の投稿に続けることにします。



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