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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#リハビリ

高齢者は医療に過度な期待はすべきでない

高齢者は医療に過度な期待はすべきでない

『大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】』著)中村仁一

の中に

健康寿命を伸ばすことに異論はない。

ただ必ず周囲の援助を受けながら

生きる期間がある。

その期間で大事なことは

『世話され上手になること』

が大切と書かれています。

世話され上手とは

1.自分でできることは精一杯する

2.自分でできないことをしてもらったときは相手が誰であろうと、必ず礼をいう

3.できるだけ愚

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リハビリの沼

リハビリの沼

脳梗塞後遺症左麻痺の70代の男性。

ご家族はケアマネさんに「もっとリハビリ(機能訓練)するようにサービスを組んでください、きっとまだまだ回復するはずです。」と。

急性期、回復期に集中的に機能訓練を行い回復したんでしょう。

まだまだ回復するはず、と娘さん奥様は希望を持ち、介護保険サービスも機能訓練ができるデイケア・訪問リハビリを本人に受けさせる。

肝心の本人の在宅生活は特に何をするでもなくセ

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【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

今回は生活のバランス(作業バランス)についてお話しますね。

実はリハビリで大事なことのひとつは

生活の仕方

なんです。

生活の仕方で心身は変わるんです。

本題に入りますね。

私達の生活は以下のような要素で

構成されているとします。

生活の構成要素セルフケア(食事、排泄、入浴、更衣、整容)

生産活動(仕事・勉強、家事など)

余暇活動(趣味、休息など)

40代男性の生活バランス(

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【高齢期】介護・支援が必要になったときの心構え

【高齢期】介護・支援が必要になったときの心構え

老化を止めよう、遅らせようという

書籍がブームすね。

アンチエイジングは健康を保つこと

本が売れるということは

自分で自分の健康を保つという

意思の表れだと感じます。

アンチエイジング・健康を保つには

栄養、運動・活動習慣

社会交流

好奇心を持ち続けること

年齢など関係ないという思考をもつこと

などが主な方略がよく紹介されてます。

これは介護が必要になっても基本的には

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【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

【高齢者の健康】老化の波に飲み込まれない方法

「なんか調子が悪いな。」
「〇〇が痛いな。」



「今日は動くのやめとこ。」



生活縮小が積み重なる



身体機能低下



生活縮小

はたまた

「おい、これやってくれ。」と妻に頼む夫

「わたしがしますから、おばあちゃんはゆっくりしてね。」と
嫁、娘が率先して家事などを行い、家での役割がなくなる祖母



生活縮小



身体機能低下

いずれも生活不活発病の

典型的な

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【高齢期ケア】老衰前のケア・リハ

【高齢期ケア】老衰前のケア・リハ

老衰「亡くなる準備をされているのかな。」

訪問リハビリをしていますと

感じることです。

どちらかの医師がテレビで仰ってましたが

亡くなる前は自ら

食べない、飲まないを

自然に行うようですね。

わたしも自分の祖母も含めて

老衰の方をみてきました。

わたしの祖母は93で亡くなりましたが

最期の一週間前くらいから

自らの意思で食べない、飲まないように

みえました。

食べない・飲

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【高齢期ケア・リハ】生活リハビリは砂山

【高齢期ケア・リハ】生活リハビリは砂山

リハビリテーションは毎日の積み重ね

という側面があります。

生理身体面(栄養・水分・睡眠・運動)

セルフケア(食事・整容・入浴・排泄・更衣)

生産活動(家事・仕事)

余暇活動(趣味・休息など)

の積み重ねで

当人の心身が作られていきます。

そして

老化すると部分的にできないことが

増えてきます。

介護保険サービスの役割そこでこんな方法で

できないこと再開してみましょうか

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【高齢期リハビリ】医師とセラピストのか・ん・け・い

【高齢期リハビリ】医師とセラピストのか・ん・け・い

医師とセラピストは連携強化せよ介護保険下の訪問リハビリは

医師の指示が必要でして

さらに

国は今年度の介護保険改正で

医師とセラピスト一緒に

リハビリの目標と計画を立ててくださいね

とメッセージを出してきました。

さもなければ…

収入を減額しますよ!

といった

強いメッセージです。

しかも

訪問リハビリ事業所と同じ施設の医師が

訪門リハ利用者を直接診察しないと

さらに収

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【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

生活習慣とリハビリは非常に相性が

良いと常日頃思っておりまして。

体調が崩れる・身体が弱る理由

病気や体調にしても

身体機能、精神面にしても

生活習慣によって良い方向にも

悪い方向にもいくのは

なんとなく私達も実感としてあると

思います。

睡眠不足や脱水、低栄養であれば

その日は

頭がボーッとしますし

身体も何かだるい。

一日動かなければ

寝付きも悪くなるし

身体がな

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【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

介護老人保健施設(以下、老健)は

いわゆる介護保険サービスの

リハビリ施設です。

ある老健の生活
ある老健入所ご利用者の生活はこんな感じです。

※起きている間の生活パターンです

起きている時間を7:00〜20:00の13時間として計算しました。あくまで概ねです。

内訳は

セルフケア

食事30分×3回

排泄5分×5回

更衣5分×2回

入浴30分(週2-3回)

整容5分

余暇

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【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

人が行動を起こす理由人は何か報酬があるときに行動に移しますよね。

「ケーキを食べる」は

おいしさ、甘さという報酬

「人に何かを教える」は

役に立った達成感や満足感

世界が少し良い方向にいくかもという期待

「働く」は

給料をもらう

世のために役立っているという自己肯定感

このように報酬があると

人は行動をはじめる

無目的な労働は心理的拷問逆に報酬がない無目的な作業は苦痛を生みま

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【高齢期リハビリ】リハビリを望まないけどリハビリを受ける高齢者

【高齢期リハビリ】リハビリを望まないけどリハビリを受ける高齢者

望まないリハビリ訪問リハビリの現場では

リハビリを望まないけれども

リハビリを受けることになる方もおられます。

禅問答?

本人が望まないリハビリは

経験上、効果が少ない方が多いです。

本人が望まないとは

家族やケアマネさんの強いすすめで

渋々、リハビリに応じられる方です。

リハビリ自体が

魔法の手によって

身体がフッと良くなるなんてことはなく

やっぱり

リハビリは当人との

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【高齢期リハビリ】身体に触れるリハビリをしなくても高齢者は健康にむかう

【高齢期リハビリ】身体に触れるリハビリをしなくても高齢者は健康にむかう

高齢者のリハビリに携わって丸15年経ちました。

ここ数年は

身体評価とリスク管理、コミュニケーション以外で

ご利用者に触れることが少なくなりました。

身体に触れなくても

要支援、要介護の方は良くなっていくんだな

と最近よく思います。

作業療法士は
心身を自身や家族で管理できるよう促すこと

生活を工夫してご利用者と作り上げていくこと

できている生活を励ましていくこと

疾患や老化の

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