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高齢になる前に知っておくべきリハビリ・ケアの考え方

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【本マガジンの対象】 ご高齢者のご家族、これから高齢期を迎える方、要支援・要介護の方、OTS
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#訪問リハビリ

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

【高齢期リハ・ケア】生活のバランスはとれていますか?

今回は生活のバランス(作業バランス)についてお話しますね。

実はリハビリで大事なことのひとつは

生活の仕方

なんです。

生活の仕方で心身は変わるんです。

本題に入りますね。

私達の生活は以下のような要素で

構成されているとします。

生活の構成要素セルフケア(食事、排泄、入浴、更衣、整容)

生産活動(仕事・勉強、家事など)

余暇活動(趣味、休息など)

40代男性の生活バランス(

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【高齢期】介護・支援が必要になったときの心構え

【高齢期】介護・支援が必要になったときの心構え

老化を止めよう、遅らせようという

書籍がブームすね。

アンチエイジングは健康を保つこと

本が売れるということは

自分で自分の健康を保つという

意思の表れだと感じます。

アンチエイジング・健康を保つには

栄養、運動・活動習慣

社会交流

好奇心を持ち続けること

年齢など関係ないという思考をもつこと

などが主な方略がよく紹介されてます。

これは介護が必要になっても基本的には

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【高齢期リハ】原因不明の慢性痛

【高齢期リハ】原因不明の慢性痛

訪問リハビリでは内科、整形外科的に問題がなく診断がつかなくても痛みを訴え続ける人がおられます。

痛みはその方にしかわからない、主観的で生活の幅を狭める非常にやっかいなものです。

たとえば

訪問リハビリ開始時に痛みを100点満点で1000点と表現していた方が現在は60点、70点と答えられるも「痛くてどうしょうもないんです。」と訴える方。

趣味の話をしていると全然痛みを気にしていないようにみえ

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【高齢期リハビリ】速い老化・遅い老化

【高齢期リハビリ】速い老化・遅い老化

訪問リハビリを長年していますと

老化の速い方、遅い方がいらっしゃる

と感じます。

老化4原則(ストレーラー)そもそも老化とは

誰にでも起こり(普遍性)

少しずつ進み(進行性)

生物には元々プログラムされており(内在性)

機能低下を起こす(有害性)

の4つの原則が提唱されてます。

※wikipedia「老化」より引用

そして

老化はなぜ起こるのか、は

色々な説がありますが

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【高齢期リハビリ】傾聴・会話はリハビリとして成立するかPart.2

【高齢期リハビリ】傾聴・会話はリハビリとして成立するかPart.2

以前、訪問看護ステーションに

勤めていましたときに

「○○さんのとこ、会話してきました。」

とよく耳にしました。

また同僚のセラピストからも

「△△さんのリハビリは傾聴です。」

と聞いたりしました。

やっぱり疑問が

傾聴・会話は「リハビリ??」

かな?

Part.1もよろしければどうぞ。

積極的傾聴積極的傾聴といえばカール・ロジャースさんです。

かの有名な「自己理論」をベー

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【高齢期リハビリ】医師とセラピストのか・ん・け・い

【高齢期リハビリ】医師とセラピストのか・ん・け・い

医師とセラピストは連携強化せよ介護保険下の訪問リハビリは

医師の指示が必要でして

さらに

国は今年度の介護保険改正で

医師とセラピスト一緒に

リハビリの目標と計画を立ててくださいね

とメッセージを出してきました。

さもなければ…

収入を減額しますよ!

といった

強いメッセージです。

しかも

訪問リハビリ事業所と同じ施設の医師が

訪門リハ利用者を直接診察しないと

さらに収

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【訪問リハビリ】進行性疾患の環境調整はほんとに難しい

【訪問リハビリ】進行性疾患の環境調整はほんとに難しい

訪問リハビリでみる進行性疾患進行性の疾患は数多ありますが

訪問リハビリでは次のような疾患の方が

多いように思います。

パーキンソン病

脊髄小脳変性症

大脳基底核変性症

筋萎縮性側索硬化症

関節リウマチ

ほとんどが神経性進行疾患ですね。

進行スピードは十人十色
進行のスピードも様々で

特にパーキンソン病は百人百様といわれるほど

症状の出方、進行具合は個人差があります。

薬や生

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【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

【高齢期リハビリ】精神科医の生活習慣処方

生活習慣とリハビリは非常に相性が

良いと常日頃思っておりまして。

体調が崩れる・身体が弱る理由

病気や体調にしても

身体機能、精神面にしても

生活習慣によって良い方向にも

悪い方向にもいくのは

なんとなく私達も実感としてあると

思います。

睡眠不足や脱水、低栄養であれば

その日は

頭がボーッとしますし

身体も何かだるい。

一日動かなければ

寝付きも悪くなるし

身体がな

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【認知症ケア】認知症に対しての無力感

【認知症ケア】認知症に対しての無力感

落ち着けない認知症ご利用者
訪問リハビリの現場では

認知症の方も多く

中でも

精神症状(興奮、イライラ、無気力など)

行動症状(暴言、暴力、介護拒否、弄便等)

が強い方がたくさんおられます。

これらが

ご家族がひどく疲弊される原因のひとつです。

ですが

対応の仕方で

落ち着かれることが多々あることも事実です。

訪問リハビリの現場訪問リハビリでは

そんなご家族が困りやすい症状

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【高齢期ケア・リハビリ】要介護高齢者は自分自身を元気と感じられるか

【高齢期ケア・リハビリ】要介護高齢者は自分自身を元気と感じられるか

元気になった?要介護高齢者訪問リハビリで

客観的にみて

元気になってこられたな

という方がおられまして。

でもご本人は

「うーん、前と変わらないですね。」

とおっしゃる。

客観的な変化は

食事量が増えた

寝たきりでなくなった

家の中を歩けるようになった

テレビや雑誌、新聞を見るようになった

階段昇降ができるようになった

などです。

元気と感じる瞬間
もし、わたしたちが

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【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

【高齢期リハビリ】ある高齢者施設の生活

介護老人保健施設(以下、老健)は

いわゆる介護保険サービスの

リハビリ施設です。

ある老健の生活
ある老健入所ご利用者の生活はこんな感じです。

※起きている間の生活パターンです

起きている時間を7:00〜20:00の13時間として計算しました。あくまで概ねです。

内訳は

セルフケア

食事30分×3回

排泄5分×5回

更衣5分×2回

入浴30分(週2-3回)

整容5分

余暇

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【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

【高齢期ケア・リハビリ】高齢者の意欲を引き出す技術

人が行動を起こす理由人は何か報酬があるときに行動に移しますよね。

「ケーキを食べる」は

おいしさ、甘さという報酬

「人に何かを教える」は

役に立った達成感や満足感

世界が少し良い方向にいくかもという期待

「働く」は

給料をもらう

世のために役立っているという自己肯定感

このように報酬があると

人は行動をはじめる

無目的な労働は心理的拷問逆に報酬がない無目的な作業は苦痛を生みま

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【高齢期ケア・リハ】人生100年の楽しみ方

【高齢期ケア・リハ】人生100年の楽しみ方

寿命が伸びれば伸びるほど

生活障害(生活につまずきができる)

の期間が多くなる可能性がありますね。

たとえば下のグラフ

人生100年とすると以下の期間があるとします。

1.自立した生活が送れる期間
(いわゆる健康寿命)

2.少し生活に手助けがいる期間

3.かなり生活に手助けがいる期間

世の中の風潮1.自立した生活が送れる
(いわゆる健康寿命)

の期間を増やすことは重要ですね。

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【高齢期リハビリ】リハビリを望まないけどリハビリを受ける高齢者

【高齢期リハビリ】リハビリを望まないけどリハビリを受ける高齢者

望まないリハビリ訪問リハビリの現場では

リハビリを望まないけれども

リハビリを受けることになる方もおられます。

禅問答?

本人が望まないリハビリは

経験上、効果が少ない方が多いです。

本人が望まないとは

家族やケアマネさんの強いすすめで

渋々、リハビリに応じられる方です。

リハビリ自体が

魔法の手によって

身体がフッと良くなるなんてことはなく

やっぱり

リハビリは当人との

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