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檸檬 音度
2023年12月22日 19:37
今日の本はジュンパ・ラヒリ『思い出すこと』作者・ジュンパ・ラヒリは、ローマのアパートで「ネリーナのノート」という、詩が書かれたノートを見つけた。そこに書かれていたのは、ジョンパ・ラヒリによく似た女性で…。これは自伝なのか創作なのか。小説ともとれる、詩集。この本、一目惚れして衝動買いしたもので、最初の詩「失くしもの」をパラりと読んで衝撃を受けた。本というのは大概、最初の段階で好み
2023年11月16日 19:40
今日の本は 草野心平『村山槐多』22歳という若さで亡くなった、詩人であり画家「村山槐多」の燃えるように生き尽きるように亡くなった、その生涯を辿るもの。読もうと思ったきっかけは、村山槐多自身の作品集『村山槐多全集』だった。最初に『村山槐多全集』をぱらりと読もうとしたが、あまりの難解さに挫折した。異様さは伝わるけれど、全く分からなかった。もしかしたら、まずは彼自身のことを知った方が、入
2023年10月12日 19:25
黒澤明『まあだだよ』を観る。先週、本版『まあだだよ』の感想を投稿し、今回は主に映画の方の『まあだだよ』について。本の方はこちら↓(とはいえ、読まなくても支障はない)兎に角、この一言に尽きる。良かった。とても、良かった。変に飾りはいらない。ただただ、良かった。内容は、文で食べれることになった内田百閒が、教師という仕事を辞め、文の仕事に専念する。そんな内田百閒の家には、彼を慕う教
2023年10月4日 19:36
黒澤明『まあだだよ』を読む。この作品、前に「読書日記」の方で内田百閒のことを少し書いた際、内田百閒なら『まあだだよ』という黒澤明監督の映画が良いと教えて頂き、調べてみたら本が出ていて、映画は家にDVD機器がないので、とりあえず本の方を見てみることにした。この本、3部構成になっていて、1部は「エピソード」、2部は「シナリオと画コンテ」、3部は「メイキング」になっている。本当は、内容が知り
2023年6月24日 18:31
今日の本は井上ひさし『井上ひさし歌詞集 だけどぼくらはくじけない』井上ひさしさんが手がけた歌詞を集めた本。正直、この本に載っている歌詞の中で、知っているのは3つだけだった。1番有名な「ひょっこりひょうたん島」。「ねんねこころり」という子守唄。そして「ひみつのアッコちゃん」のテーマソング。(自分は「ねんねこころり」も「ひみつのアッコちゃん」も、「ねんねこころり おころりよ
2023年6月3日 18:43
今日の本は谷川俊太郎『どこからか言葉が』詩集。惹かれたものをいくつか。『はらっぱ』「はらっぱでこどもたちがはねまわっているこのくにでもあのくにでもはねまわっているむかしからこどもらははねまわっていたこれからもはねまわるだろう うんがよければおとなはわらいながらそれをみまもるそれがえにかく うたにする おはなしにするそれからそれをおもいでにしてせんそうをしによそのく
2023年4月27日 19:09
子どもの中には宇宙がある。それを示そうと試みたのが今回の本河合隼雄『子どもの宇宙』子どもの内面にある宇宙を、著者が体験してきた出来事や、児童書などを手がかりにして明かしていこうとする研究書。子どもが抱える宇宙とはどんなものなのか、興味があって読んでみた。ただ、ここに書かれていたのは、宇宙の中身というよりかは、子どもの中でどうやってその宇宙ができて広がるか、そして消えてしまうかが書
2023年2月23日 19:13
今日の本はパウル・クレー:絵・谷川俊太郎:詩『クレーの絵本』この本は、以前noteで紹介している方がいて、気になって読んでみた本。クレーという画家の絵と共に、谷川俊太郎が詩を添えている作品。なんとも独特な絵だった。表紙の魚の絵が魅力的で、他の作品もこういう色合いの絵を描く人なのかと思ったら、中身は全然違った。淡い色合いのものもあれば、ハッキリしたものもあったり、毒々しいものもあった
2023年1月27日 19:36
前回に引き続き若松英輔『亡き者たちの訪れ』前回は「死者がひらく、生者の生き方」について書いたが、今回はもう1つの講演内容「死者の詩学」について。これは、詩を通して、死者について探っていく内容になっている。これもまた、心に残った箇所をいくつかあげていこうと思う。1つ目として、宗教について。「人間は、自分では本当だと思っていても、誰かがそれを本当だと認めてくれなければ、いつのまに
2023年1月25日 19:22
「大切な人を喪くす」それは本当に「別れ」なのだろうか。実際に大切な人を亡くした著者が、死者との向き合い方捉え方を探る1冊。若松英輔『亡き者たちの訪れ』本作は、著者が以前講演で語った内容をまとめたもので、どこか傍らで語ってくれているような文体になっている。内容は、とても深い。実際に大切な人を亡くしているからこそ、語れる内容なのではないかと思う。最初は「死者がひらく、生者の生き方」
2023年1月5日 15:25
今日の本は西尾維新『怪盗フラヌールの巡回』有名だった怪盗フラヌールの正体は、父親だったと知った主人公・あるき野道足は、父亡き今、父親が盗んだ品物たちを返却しようと意気込む。何度目かの標的に選んだのは『玉手箱』という品物で、竜宮城もとい海底大学に返却しようとする。だが事はそう上手くは運ばす、怪盗フラヌールの専門家の刑事や、ウルトラな癖強めの名探偵などが立ちはだかり…。その上思わぬことが起こ
2022年12月21日 15:04
どんどんクリスマスが近づいている。色々な家で様々な色や飾りのリースが飾られていたり、お店にクリスマスグッズが増えたり、木々はカラフルなライトで彩られ、至る所でクリスマスソングが流れている。クリスマスが近づくにつれて、どんどん気分が高揚してくる。クリスマスはやっぱり素敵だ。そんな最高のクリスマスのお供には、素敵なクリスマス絵本がピッタリだと思う。なので今回はいくつか紹介していこう思います。
2022年11月21日 20:07
今日の本は高野文子『るきさん』ゆるっゆる漫画。るきさんというマイペースな女性と、その友達のえっちゃんとの日常が綴られた四コマ漫画。とにかくゆるくて、シュール。最初はこれはどいういオチなんだろうとわからない箇所もあって戸惑うのだが、読み進めていくうちにじわじわくる。だんだんと、るきさんの虜になってしまうのだ!少し『サザエさん』のようで、サザエさんが好きなら、きっと好きになると思う。
2022年11月7日 14:53
今日の本は糸井重里『ボールのようなことば』詩のような、ことばが詰まった作品。耳元で囁いてくれるような、ポロポロと落ちてくる言葉を拾っていくような、不思議な感覚になる本。どれも優しくて、作者の人柄の良さと豊かな感性が滲み出ていた。そっと寄り添ってくれるような、背中を押してくれるような、それでいて視野や視界を広げてくれるような感じがした。時に、考えさせられたり。後、合間合間に出てくる絵