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すべてのワインを味わう必要があります
アイルランドの女子大生、ブリーダの英知を求めるスピリチュアルな旅。
その旅を導くのは、2人の師。
恐怖を乗り越えることを語らずとも教える魔術師の男と、魔女になるための秘儀を伝授する女。
2人から特別な力があると認められているブリーダだが、自分の道は自分の手で切り拓かねばならない。
実世界との結びつきと、刻々と変わる自分自身との狭間で、彼女の心は揺れる。
現実とファンタジー、現在と過去を行き来
それは白く、楕円形で、指先で割ることのできる小粒の錠剤だ
フランス文学にはまっている。
入院中に読み始めた『レ・ミゼラブル』から始まり、先日のパトリック・モディアノ、そしてミシェル・ウェルベック。
『セロトニン』は、キャプトリクスという幸福物質とも呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」を増幅させる錠剤の説明から始まる。
曰くそれは、「白く、楕円形で、指先で割ることのできる小粒の錠剤」である。
主人公のフロランにとって、親の世代の所謂"幸せ"は既にはるか
不確かな現在、そして曖昧な記憶の断片
本は断然買う派なのですが、今は収入がないので買えずにいて、積読を消化していくか図書館に行くかして、どうにか本を読んでいます(なんだかおかしな表現だけど)。
図書館でふと手に取った一冊からパトリック・モディアノの『地平線』について。
記憶というのは随分、都合が良く、かつ曖昧なものだ。
ある時、何がしかのきっかけで不意にいつかの取るに足らない記憶の断片が、脳裏に過ぎることがある。
恋人とよく訪
モンゴルの地平線とブータンの渓谷
ネタが好き、容姿が好き、トークが面白いと言ったことではなく、一人の人間として、他人ならざる人として、好きなお笑い芸人さんがいる。
オードリーの若林正恭さん。
みんなが当たり前に過ごす日常に、小さな「何で?」という疑問を抱え、悩んでいる人。
閉鎖病棟への入院にあたり積読本の中から、
若林さんの『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を持って行った。
若林さんの旅行記であるが、キューバを訪れ
もうすぐ夜が明けます
美しく端麗で、それでいて素朴な文章を書く須賀敦子に惚れ込んではや数年。
彼女は、20代後半〜30代までイタリアで過ごし、戦時中もカトリック系の学校に通い後にキリスト教に入信した女性だ。
1954年のペルージャでイタリア語を学んだという。
イタリアと言えば、ローマやミラノ、ヴェネチアなど華やかで歴史的な建物の並ぶ世界随一の観光地だ。
そんなイタリアで過ごした彼女の書く文章の中のイタリアは、世