【人気】極東の特級呪物「キシダノシャモジ」~ウクライナにしゃもじを贈った岸田首相の真意とは~|Z世代、20歳から見た政治
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2023年3月21日、日本国首相である岸田文雄がウクライナを訪問。
日本国の首相が戦争当事国の戦地に足を踏み入れることは、戦後初めてのことだった。
これは歴史の転換点であると言えるだろう。
そのような「キシダのウクライナ訪問」において、とある贈り物が話題となっている。
広島を選挙区とする岸田文雄首相が、あろうことか、重要な外交の場において、戦争の当事国に対して、「地元名産品の必勝しゃもじ」を贈ったというのだ。
これが事実であれば、「国家の重要な外交において地元を優先した」ということであり、公私混同も甚だしい。
しかし、私はこの件に対し、「キッシーGJ!」と言いたい。
その理由をご説明しよう。
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はじめに、岸田首相のウクライナ訪問を、簡単におさらいしておこうと思う。
岸田首相は、3月19日~21日の間に、インドを訪問。
インド世界問題評議会(ICWA)において、「インド太平洋の未来~『自由で開かれたインド太平洋』のための日本の新たなプラン~“必要不可欠なパートナーであるインドと共に”」と題する政策スピーチを行い、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のための新たなプランを発表した。
これは、明確な "安倍路線" の継承だ 「自由で開かれたインド太平洋」の構想は安倍晋三元首相が提言されたものであり、これが現在は西側諸国の重要政策となっている 。
そして21日、岸田首相はウクライナを電撃訪問。
立憲民主党などが 安全確保などを無視して 国会の事前承認が必要であると騒いでいたが、まさに "ステルスキシダ" を発揮し、「電撃訪問」となった 秘匿されていた情報を平気ですっぱ抜いたメディアには問題があるが 。
もちろんだが、戦火のど真ん中へ足を踏み入れるわけなのだから、自衛隊の警護などはつかない。
己が身を危険に晒してウクライナへ乗り込んだ岸田首相に、心からの賞賛と感謝を贈りたい 未確定情報だが、岸田首相が移動したルートに沿って、ロシアが空爆を行ったという情報もある 。
そして、岸田首相はキーウ郊外のブチャ市を訪問。
「ブチャの虐殺」の犠牲者への献花を行った上で、悲惨な体験をされた方々から話を聞き、また、その後の復旧状況についても話を聞いたとのこと。
さらに、日本政府から越冬支援として供与された発電機の視察も行ったという。
その後、岸田首相はキーウ市内の戦死者慰霊記念碑において、ロシアによる侵略における犠牲者等への献花を行ったのだそう。
日宇首脳会談および共同会見において岸田首相は、「特別なグローバル・パートナーシップに関する共同声明」を発表。
「ゼレンスキー大統領のリーダーシップの下で、祖国と自由を守るために立ち上がっているウクライナ国民の勇気と忍耐に敬意を表する」とし、「日本は、一貫してロシアを強く非難し、厳しい制裁を行うと共に、ウクライナに寄り添った支援を行ってきた」との旨を述べた。
その上で、昨年から進めてきた総額約16億ドルの人道・財政支援に加え、ロシアによる侵略から1年の機会に、改めて約55億ドルの追加財政支援を行うことを決定したと発表。
今後、これらの総額71億ドルの支援を着実に実施し、電力、地雷処理、農業など、さまざまな分野でウクライナを支えていくと述べた。
さらに、エネルギー分野などへの新たな二国間無償支援等を4.7億ドル供与すること、また、NATOの信託基金を通じた殺傷性のない装備品支援に3千万ドルを拠出することを決定したとも発表した。
そして、日本とウクライナが昨年外交関係樹立30周年を迎え、ウクライナへの連帯と支援により、二国間の協力が深化・拡大しているとし、両首脳は、基本的価値を共有するウクライナとの関係を、「特別なグローバル・パートナーシップ」に格上げすることで合意。
また、ゼレンスキー大統領は、我が国が昨年末に策定した「新たな国家安全保障戦略」に対して、称賛する旨の発言をしている。
その上で、両首脳は、「東シナ海および南シナ海における力による一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念」を共有し、「台湾海峡の平和と安定の重要性」や、「世界のいかなる場所においても力による一方的な現状変更の試みは認められない」ことについて一致した。
さらに、両首脳は、北朝鮮の核・ミサイル活動の活発化への深刻な懸念を共有し、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、緊密に連携していくことを確認した。
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この「キシダのウクライナ訪問」が起こっている裏で、実はChinaの習近平国家主席がロシアのモスクワを訪問していた。
つまり、同じタイミングで「日本 - ウクライナの連携」と「ロシア - Chinaの連携」が明確になったということだ。
これは歴史的な瞬間であると言えよう。
「キシダのウクライナ訪問」は、第二次世界大戦の "枢軸国" であった日本が、ようやく "連合国側" に所属したことを知らしめ、ロシアとChinaが新たな "枢軸国" となったことをはっきりさせたのである。
「自由と平和を愛する日本|独裁と軍国主義を擁護するChina」という対比を、世界中に知らしめたのである。
これは日本史、そして世界史に残る出来事だ。
このような歴史的外交の場において、岸田首相は「地元名産品の必勝しゃもじ」をウクライナへ贈った。
私は、「これだけのことをしたんだから、しゃもじにくらい目をつぶろう」と言いたいのではない。
「キッシーよ、よくぞしゃもじを贈ってくれた!」と叫びたいのである。
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日本とロシアの関係を語る上では、さまざまな出来事・問題がある。
大東亜戦争末期、ソ連が一方的に日ソ中立条約を破棄して侵攻してきたこと 侵攻開始時は日ソ中立条約の効力期間内だった 。
大東亜戦争後、日本人を不法に拉致し、強制労働に就かせたこと シベリア抑留 。
大東亜戦争後から現在にわたって、日本固有の領土である北方領土を、ロシアが不法に占拠していること 択捉島、国後島、色丹島および歯舞群島が、現在もロシアに不法占拠されている 。
etc……
しかし、なんと言っても大きい出来事がこれだ。
<日露戦争>
1904年2月から1905年9月にかけ、大日本帝国とロシア帝国との間で「日露戦争」が勃発した。
ロシアの南下政策に伴う、朝鮮半島と満洲の権益をめぐる争いが原因とされる。
当時、ロシア帝国と大日本帝国との間には大きな戦力差が存在したが 日本が圧倒的に不利 、大日本帝国陸軍が陸戦を制圧、海軍が日本海海戦においてバルチック艦隊を撃破し、日本の勝利で幕を閉じた。
この日露戦争において、日本では「とあること」が行われていた。
「しゃもじの奉納」である。
日本人は広島県宮島・厳島神社にしゃもじを奉納し、「敵を召しとる」としてゲン担ぎを行っていたのだ。
そして、日本はロシアに勝利した。
これが「広島の必勝しゃもじ」なのである。
つまり、「必勝しゃもじ」は「日露戦争における日本勝利の象徴」とも言える。
それをロシアと戦争中のウクライナに贈ったというのだから、これ以上ない外交メッセージであると言えよう。
しかも、「必勝 岸田文雄」と日本国首相の名前を明確に書いて渡したというのだから、あまりに胆が据わり過ぎている。
我々は岸田首相を、「ステルスキシダ」から「煽りのキシダ」と命名し直すべきかもしれない。
さらに、だ。
恐ろしいことに、このゲン担ぎは日露戦争からではなく、日清戦争のころから行われていたのだ。
ご存じの通り、日清戦争においても日本は勝利している。
つまり岸田首相は、ウラジーミル・プーチン大統領(ロシア)と習近平国家主席(China)という日清・日露戦争における敗戦国の将が一堂に会するタイミングで、「日清・日露戦争における日本勝利の象徴」をロシアと戦争中のウクライナに贈ったのである。
しかも、ロシアとの関係が深いインドを経由し、「自由で開かれたインド太平洋」を強調、「インドは我々と共にある」と示した上で、だ。
なんと恐ろしいことか。
煽りの才能がイギリス人や京都人を超えている。
煽りのキシダ、GJ!
これ以上の外交メッセージはない。
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さらに言えば、この「必勝しゃもじ」には素晴らしい逃げ道が存在している。
それは、「へ?地元の民芸品をプレゼントしただけですが?なにか?」と言える点だ。
これほど強烈な対露メッセージでChinaとロシアを煽り倒しながら、文句を言われたら「ただの特産品だ」と逃げることができる。
ここまで計算され尽くした外交があるだろうか。
天才か?岸田文雄。
そして、この必勝しゃもじが効いたのかそもそもの訪宇が効いたのか、ロシアが千島列島にミサイルを配備したそうだ。
とはいえ、これは煽りのキシダ(非武力)に対する報復・威嚇・牽制でしかないので、撃ってくる確率は限りなく低いだろう。
ロシアが今、日本を撃つメリットはゼロだ。
ただでさえウクライナの攻略に1年もかけて苦戦しているのに、日米同盟を結んでおり、ウクライナよりも強烈なアメリカの支援を受けるであろう日本と事を構え、2正面、下手をすれば3正面作戦を展開する余裕など、現在のロシアにあるはずがない。
、、、、撃たれた。
日本がロシアに撃たれた。
遺憾砲を。
つまり、少なくとも「ロシアは "必勝しゃもじ" の意味を理解した」ということである。
そもそも、現代国家のインテリジェンス能力をもってすれば、この程度のことを理解するのは造作もない。
しかし残念なことに、言語も文化も異なるロシアですら理解している「必勝しゃもじ」に込められた "外交メッセージ" を、日本の野党は理解できていないようである。
ロシアが理解したということは、おそらくChinaも理解したということだ。
そしてロシアが触れたということは、世界各国が理解したということだ。
つまり、「必勝しゃもじに込められた外交メッセージ」を理解できていないのは、世界で「日本の野党とその支持者」のみであるということなのである。
これが、我が国における立法府の現状だ。
「世界に対して強烈な外交メッセージを発し、かつ "地元の名産品ですけど?なにか?" で躱せる岸田文雄」と、「日本の歴史に由来した外交メッセージを理解できず、"シャモジガー!" を国会で行ってしまう野党」の対比が、あまりにも、なんというか、、、
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では、なぜ岸田首相はここまでえげつないことができたのだろうか。
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