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思考の部屋

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疑問に思ったことや考えたことを文字に起こし整理しようとして書いた偏見まみれのエッセイ。 暇な方、議論や哲学、考察が大好きな変人はぜひ。
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記事一覧

「教育」の圧倒的矛盾

「挨拶をしっかり」

「返事をしなさい」

子どもにはそう教える。

当の大人は挨拶をしない、返事は雑。

子どもはやさぐれ、大人の言うことを聞かなくなる。

よくあるストーリーだ。

サービス業に従事していれば、お客様に必ず挨拶をする。

たとえそれが業務のためであっても、毎日、毎回、知らない人にも頭を下げる。

「いらっしゃいませ」

「ありがとうございます」

内心がどうであれ挨拶をしっかり

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近くにあっても見えない

近くにあっても見えない

街が苦手だ。

高層ビル群に囲まれていると気分が悪くなるくらいには。

だから休みになると車を走らせ、海や山へ向かう。

そして同じ道をたどり帰ってくる。

街が遠くに見えた瞬間、自然の中に帰りたくなる。

ふと、市街地の奥に、山が神々しく立っているのが見えた。

「なんだ、近くにあるんじゃん」

普段はビルに囲まれ見えない峰々は、市街地から離れてみるとよく見えるものだった。

ものごとから一歩引

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自転車と、旅がやめられない理由。

買い物がてらにサイクリングをよくする。

最小限の力で最大のパワーを生み出す。

自分の力でこれだけのスピードを出せているという事実がたまらない。

自転車というものは人力の限界を突破してくれる気がする。

そして、周りを見渡しながら走る余裕がある程度のスピード。

1度通りすぎてしまっても頭に引っかかるものがあればすぐに引き返すことができるフットワークの軽さ。

手軽に乗って、気づけば遠くまで。

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ナイルの水の一滴

私には、好きな文がある。

志賀直哉の「ナイルの水の一滴」だ。

「人間が出来て、何千万年になるか知らないが、その間に数えきれない人間が生れ、生き、死んで行った。私もその一人として生れ、今生きているのだが、例えて云えば悠々流れるナイルの水の一滴のようなもので、その一滴は後にも前にもこの私だけで、何万年遡っても私はいず、何万年経っても再び生れては来ないのだ。しかも尚その私は依然として大河の水の一滴に

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相手を尊重しているつもりが、そうは受け止められていなかった

私は自分と異なる見識をもつ人の話を聞いて議論するのが好きだ。

しかし親からは「お前は自分の考えを持ちすぎる」とよく言われる。

当の私は、相手の立場を理解し受け入れることを前提に議論をしているつもりであった。

それでも対話をする人から見れば、私は自分の考えを押し付けるような話し方になっていたようだ。

確かに振り返ると、自分の考えがいかに正しいか分かってもらうように努めている言葉の選択だったよ

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大学に行った意味をいつのまにか履き違えていた気がする

窮屈で、退屈だ。

最近そう感じている。

弊社はいい会社だ、数年後には私も自分の店舗を持てるだろう。

しかし、今それ以上にやりたいことができた。

正確には、ずっとやりたかったことが形になった、というのか。

いつか、「暇が鬱をつくる」という言葉をどこかで聞いた。

本当にその通りだ。

人は暇なとき、あることないこと、余計なことまで考えてしまう。

しかしネガティブなことではなく、ポジティブ

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「夢」で旅する

こんなご時世なので、どこにも行けない。

地元に帰省したいが、高齢者が多い田舎なので気が引ける。

外出も、食材を調達する程度。

本当に退屈だ。

しかし、読書とトレーニング、そしてこの記事のメインである「妄想旅」によって自我を保っている。

読書はいうまでもなく面白い。

トレーニングは楽しい。

しかし、「妄想旅」?

説明しよう。「妄想旅」とは、過去に訪れた地を写真や記憶等を駆使して振り返

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「なんもない」を体感した日

若者の言う「なんもない」は「都市部と比較してなんもない」だと定義した。

しかし私自身、1度だけ「なんもねえ」と感じた経験がある。

それは東北と北海道を車中泊で旅していたとき、秋田県能代市を通ったときのことである。

友人の出身地であり本人から再三「なんもない、行かなくていいよ」と釘を刺されていたが、私は「それは出身者だからそう感じるのだろう」と言っていた。

しかし、実際に行くことでその言葉が

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「なんもない」の考察

知り合った人の出身地を聞き、どんな魅力があるのかを聞くと、だいたいこう返ってくる。

「いやあ、なんもないよ」そんなわけない。なぜなら人が生きているという時点で、なんもないわけはないから。

では、この「なんもない」とは、どういう定義で決められるのだろうか、考察してみた。

まず、「なんもない」というのは、同世代の若者に出身地の魅力という質問を投げ掛けると返ってくることが多いように感じられた。

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