「なんもない」を体感した日

若者の言う「なんもない」は「都市部と比較してなんもない」だと定義した。

しかし私自身、1度だけ「なんもねえ」と感じた経験がある。

それは東北と北海道を車中泊で旅していたとき、秋田県能代市を通ったときのことである。

友人の出身地であり本人から再三「なんもない、行かなくていいよ」と釘を刺されていたが、私は「それは出身者だからそう感じるのだろう」と言っていた。

しかし、実際に行くことでその言葉が本当であるということを知った。

商業施設がある。どこにでもあるチェーン店ばかりだ。

自然がある。海沿いならどこにでもある防風林だ。

住宅街がある。どこでも見るような風景だ。

なるほど。「なんもない」とは、

新鮮に写るものがなんもない

ということもあるのか、と。

友人の出身地から新たな「なんもない」を享受した。

大学1年のゼミで、地方都市が同じような風景になっていく現象を聞いた。

ファスト風土化というらしい、言い得て妙だ。

一応付け足すが、能代市をディスっているわけではないということを理解していただきたい。

逆に能代市は「なんもない」ことによって、私の頭の中に強烈な印象を残している。

また訪れたいものだ、「なんもない」けど。

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