Chako Amano

ニュージーランドでスローな暮らしを楽しんでいます。この国に来たおかげで自分をいろいろな…

Chako Amano

ニュージーランドでスローな暮らしを楽しんでいます。この国に来たおかげで自分をいろいろなことから解放することができたような気がしています。ブログ「気長に、楽しく、軽やかに」でつづってきたことや、日々の気づきなどをゆっくりシェアしていけたらと思っています。

マガジン

  • 心を楽に、体を軽く

    心がもっと楽になったらなあと思っている方々とシェアしていけたらと思います。コメント大歓迎です!

  • ニュージーランドで学んだこと

    ニュージーランドでの暮らしの中で、気づいたことや、視野が広がったことなどをつづっています。

  • スローライフの勧め

    ニュージーランドの自然の中で、スローな暮らしのよさを学んでいます。大学で日本語を教える仕事を長いことしてきましたが、その職も去り、スローな生活をさらに楽しめる状況になりました。スローに憧れる方たち、すでにスローな暮らしを楽しんでいる方たちとつながれたら嬉しいなと思っています。

  • 日本語とコミュニケーション

    長い間、日本語教育に携わってきました。語学を教えていると、日本語そのものへの見方が変わってきたり、ことあるごとにコミュニケーションの仕方に注意をそそられます。そんな体験の中で、気づいたことや学んだことなどをシェアしています。

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はじめまして

ニュージーランドに移住して30年経ちました。若い頃から海外にあこがれ、外国暮らしを夢見ていたのも、今思うと、自分の文化を離れ、自分を見直す機会を求めていたからな…

Chako Amano
3年前
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つながりの時間 Being present

夏休みの旅行から戻った長女一家を訪ねた。パパは仕事で10歳の孫は友だちの家へ。そこでママが出かけてる間、7歳の弟と遊ぶことになった。レゴがしたいと言うので、子ど…

Chako Amano
1年前
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拡大家族 Extended Family

普通は結婚すると家族が増える。夫や妻の両親や兄弟と「義理」の関係を結び、義母とか義兄とか、急に家族が拡大する。 でも、私の家族は、離婚してから大きくなった。結…

Chako Amano
1年前
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天からのサイン

自分ではなかなか決めかねない時に、こっちへどうぞと導かれることがある。今回の旅行の日程もそうだった。 アイルランドの南岸に落ち着いた次女一家を訪ねることになった…

Chako Amano
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道草人生

 なんであんな学校に3年も通ったんだろう  なんであんな店でバイト続けてたんだろう  なんであんな人と5年もつきあってたんだろう  あんな学校で店で人とぐずぐず…

Chako Amano
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愛してほしかったんだよ

数年前の、ロンドンの空港でのこと。 久々に再会したヨーロッパ人の友達を送って、国際線のカウンターに行くと、係りの女性が “Over there” と、自動チェックインの機械…

Chako Amano
2年前
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しょうがない

何気なく使ってるけど、「しょうがない」にはいろんなニュアンスがある。 自分の思い通りにいかない時に「しょうがないね」とあきらめたり、自分を困らせた人を「しょうが…

Chako Amano
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加害者を責めない被害者

ニュージーランド人の生き方、もののとらえ方に感心することは尽きないけれど、中でもすごいのは、惨事に遭った被害者なのに、加害者を責めない人たちがいるというところ。…

Chako Amano
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お日様先生

ラジオでマオリ彫刻のアーティストのインタビューを聴いた。 この女性は、40年間刑務所に通って、受刑者達にマオリ彫刻を教えたと言う。このアートクラスは特に受刑率の…

Chako Amano
2年前
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人は見かけによらず

庭のタイルをはりかえてもらうことになった。 友達に勧められた人が見積もりに来てくれたけど、しっくり来なかったので、いろんな職種の会社や職人たちが登録されてるサイ…

Chako Amano
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10代のママたち

「ニュージーランドの保育所を見学できますか」 数か月後にスタディツアーでオークランドに来ることになっている大学生から、ニュージーランドの福祉制度に関心があるので…

Chako Amano
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足かせをはずす

「人を許すことは自分に親切にすること」 日本語の授業(30年ほど大学で日本語を教えていました)で、ある学生が、「私の好きな言葉」という作文にこのことわざを選んだ…

Chako Amano
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これだけの自分...だけど、これでいいよね?

有名人とか、地位や権力のある人たちのの名前を、ポンポン出して、いかにも「彼らを知ってるんだぞ~」とカッコつけることを、name-dropping (名前落とし)という。 自分…

Chako Amano
3年前
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Noと言う勇気

しばらく前だけど、出張先で過度の飲酒を強いられ、死に至った社員の家族に、遺族補償の給付が認められたという記事を見た。 海外でテレビ番組の制作に関与していた日本人…

Chako Amano
3年前
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気持ちのいい方を選ぶ

「最近、急に政治に目覚めた」という友達と、政治の話をした。 彼女のスタンスは、できる限りの情報を集め、対立する政党双方の言い分を徹底的に調べ、吟味し、公平な判断…

Chako Amano
3年前
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はじめまして

はじめまして

ニュージーランドに移住して30年経ちました。若い頃から海外にあこがれ、外国暮らしを夢見ていたのも、今思うと、自分の文化を離れ、自分を見直す機会を求めていたからなのかもしれません。

それ以前にイギリスとオーストラリアで暮らした経験はあったのですが、どちらも短期間で、まだまだ腰をすえてじっくりと向き合う時期ではなかったようです。

この国に移住したとたんに、円満だった結婚生活の均衡が崩れ始め、まるで

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つながりの時間 Being present

つながりの時間 Being present

夏休みの旅行から戻った長女一家を訪ねた。パパは仕事で10歳の孫は友だちの家へ。そこでママが出かけてる間、7歳の弟と遊ぶことになった。レゴがしたいと言うので、子ども部屋にあったレゴの箱を居間に運び、彼はパトカーや白バイの続きを、私はそれに合わせて牢屋〈らしきもの)を造ることにした。

孫と一緒なら何をしてても楽しいものだけど、床に座っておしゃべりしながら共に手を動かす時間はことさらだ。

そういえば

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拡大家族 Extended Family

拡大家族 Extended Family

普通は結婚すると家族が増える。夫や妻の両親や兄弟と「義理」の関係を結び、義母とか義兄とか、急に家族が拡大する。

でも、私の家族は、離婚してから大きくなった。結婚していた時の家族との縁は夫と別れてからも続いているし、それに加えて、元夫のパートナーの家族とのつながりができたのだ。

今年のクリスマスは長女一家が旅行に出る前に、元夫とパートナーのファームに集まることに。大テーブルに長女夫婦、小学生

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天からのサイン

天からのサイン

自分ではなかなか決めかねない時に、こっちへどうぞと導かれることがある。今回の旅行の日程もそうだった。

アイルランドの南岸に落ち着いた次女一家を訪ねることになったのだけど、いつどのぐらい滞在するかを決める段階になり、フリーランスの次女たちと退職した身の私には、何の外的制約もなく、次女たちの希望と自分の気持ち次第という、極めて贅沢な状況に陥った。

次女たちは、窓から港が見える大きい方の部屋を使って

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道草人生

道草人生

 なんであんな学校に3年も通ったんだろう
 なんであんな店でバイト続けてたんだろう
 なんであんな人と5年もつきあってたんだろう

 あんな学校で店で人とぐずぐずやってないで
 さっさとやめればよかったのに
 なんて無駄なことをしちゃったんだろう

あの無駄にした3年間、5年間を人生から抹消したくなる。そして、やめなかった自分の不甲斐なさを悔やみ、責め、自己嫌悪に陥る…。

でも、こんな時自

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愛してほしかったんだよ

愛してほしかったんだよ

数年前の、ロンドンの空港でのこと。

久々に再会したヨーロッパ人の友達を送って、国際線のカウンターに行くと、係りの女性が “Over there” と、自動チェックインの機械をアゴで指した。

 えっ、Pleaseもなしに??
 ここって、紳士淑女の国の玄関じゃ?

座り方からして、緊張感に欠けるその係員の、いかにも機械がやってくれるから暇でいいわ的な態度に、友達は爆発した。

「何、言ってんの!

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しょうがない

しょうがない

何気なく使ってるけど、「しょうがない」にはいろんなニュアンスがある。

自分の思い通りにいかない時に「しょうがないね」とあきらめたり、自分を困らせた人を「しょうがないなあ」と許したり、「しょうがないでしょ?」とわかってくれない相手を説得したり

 しかたないんだ
 他にやりようがないんだもの
 どうしようもないじゃない

何かに行き詰って、自分の手にはもう負えないと思ったら、もがくのはやめて、立ち

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加害者を責めない被害者

加害者を責めない被害者

ニュージーランド人の生き方、もののとらえ方に感心することは尽きないけれど、中でもすごいのは、惨事に遭った被害者なのに、加害者を責めない人たちがいるというところ。

「被害者のお母さん、怒りなし」

もう何年も前のことだけど、息子の死の知らせを受けたお母さんの言葉が、新聞の見出しを飾った。ヨーロッパから帰途についていた息子さんの乗った飛行機が墜落したのだ。

29歳の息子さんは、2歳と4歳になる男の

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お日様先生

お日様先生

ラジオでマオリ彫刻のアーティストのインタビューを聴いた。

この女性は、40年間刑務所に通って、受刑者達にマオリ彫刻を教えたと言う。このアートクラスは特に受刑率の高いマオリ人の若者のためのもので、生徒はみんな窃盗や傷害事件で刑に服している青少年だ。

マオリ人でありながらもマオリ語が話せない人も多く、マオリ文化と無縁の子どもたちもいる。そんな中で、マオリのアートワークがセラピーとして取り入れられて

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人は見かけによらず

人は見かけによらず

庭のタイルをはりかえてもらうことになった。

友達に勧められた人が見積もりに来てくれたけど、しっくり来なかったので、いろんな職種の会社や職人たちが登録されてるサイトに行ってみた。

「信頼できる」「丁寧な仕事」「リーズナブルな価格」

レビュー 好評の職人さんを近所に見つけ、さっそく見積もりを頼んだ。

時間通りのノックにドアを開けると、若い男の子が立っていた。私がこうしたい、ああしたいと説明し

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10代のママたち

10代のママたち

「ニュージーランドの保育所を見学できますか」

数か月後にスタディツアーでオークランドに来ることになっている大学生から、ニュージーランドの福祉制度に関心があるので、ぜひ見てみたいとリクエストが入った。

その学生さんがネットで見つけたのは、私もかねがね募金をしている子育て支援機関で、直営の保育所が地理的にも最適な場所にあった。早速、見学の可能性を打診してみると、突然の依頼にもかかわらず、日本人学生

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足かせをはずす

足かせをはずす

「人を許すことは自分に親切にすること」

日本語の授業(30年ほど大学で日本語を教えていました)で、ある学生が、「私の好きな言葉」という作文にこのことわざを選んだ。出身の中国のことわざだそうだ。

友達がしたことに気を悪くして、3日間、口をきかないでいたけど、その状態が辛いので許すことにしたら、自分も楽になった...という例をあげながら、「許す」ことの大切さを語った。

他人を許すことがいかに大事

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これだけの自分...だけど、これでいいよね?

これだけの自分...だけど、これでいいよね?

有名人とか、地位や権力のある人たちのの名前を、ポンポン出して、いかにも「彼らを知ってるんだぞ~」とカッコつけることを、name-dropping (名前落とし)という。

自分がそういう「すごい」人たちと知り合いだと思うだけで、格が上がったような気分になるのだろうけど、「思う」だけじゃだめなので、実際にそういう人たちと、何らかのつながりを得ようと、日々、人脈作りに精を出す。

幸い、周りにもそんな

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Noと言う勇気

Noと言う勇気

しばらく前だけど、出張先で過度の飲酒を強いられ、死に至った社員の家族に、遺族補償の給付が認められたという記事を見た。

海外でテレビ番組の制作に関与していた日本人男性が取引先との会合で
「断わっては失礼」とされる一気飲みを、10杯も強いられたとのこと。

「参加者に好印象を持ってもらおうと、勧められるままに乾杯に応じた」
とあったけど、上司や顧客の気を悪くしないための行為が、命取りになってしまった

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気持ちのいい方を選ぶ

気持ちのいい方を選ぶ

「最近、急に政治に目覚めた」という友達と、政治の話をした。

彼女のスタンスは、できる限りの情報を集め、対立する政党双方の言い分を徹底的に調べ、吟味し、公平な判断を下したいというもの。先行研究を読み、緻密に分析し、そこから自らの論理を構築していくという、彼女の研究者としての在り方そのものだ~と感心した。

私はと言えば、たとえ自分が共感する政党であっても、自分が惹かれる人の話しか、聴きたいとも読み

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