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文系大学院進学を考えている人へ

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記事一覧

20代

わたしにとっての20代は、
自分には何ができないのかを知る時代だった。



20代は成長の時代、チャレンジの歳

そんな風に言ったりする。

自分のできることを突き詰めるとか、
力を試すとか、
成長して仲間を増やすとか、

若さとはそういうプラスの歳月のことだと思っていた。



わたしにとっての20代は、

自分には何ができないのかを痛みをもって知る時代だった。

やりたいことがあっても、

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言葉を歩かせる

 今日も仕事終わりに散歩をして帰る。
 なんだか最近、右脚のふくらはぎだけやけに痛いと思ったら、右肩にバックをかけて何時間も夜道を歩いているからだった。毎日取り憑かれたように散歩をしているのは、日中のもどかしさを何とか埋め合わせしようとしているのかしら。

 街を歩いていると本当にいろいろな発見がある。東京はこんなに坂が多かったのかと驚いた。それもちょっとした坂じゃなくて、かなり急勾配が多い。生ま

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専門家は専門の本しか読まない?

専門家と呼ばれる人の読書の範囲ってどのくらいなのでしょうか。

わたしは大学院生として研究(?)に少しだけ足をつっこんでいました。大学には専門家や教授と呼ばれる人たちがいます。そのような方たちを観察すると、実は自分の専門外の本も読んでいることがわかりました。

確かに専門家たちはかなり難しい専門分野の本をたくさん読んでいました。教授といえば思い浮かぶような、数式の本やさっぱりわからない図表が挿し込

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なぜ大学の外で研究するのか。

わたしはなぜ大学の外で研究しようとするのだろう。

大学の中のほうが、設備も整っていて、資料もあって、同じような仲間もいて研究しやすいのに。

何故か。

多分それは摩擦を求めているからだろう。

よい摩擦というものがある。

違う環境の人と出会ったときにおこる摩擦。

問うまでもない前提を共有していない人たちと出会った時、そこには凹凸が生まれる。

それは合わさったときに擦れあって、熱を帯びた摩

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研究がボツになる瞬間――あるいは新しい問いの浮上

 研究がボツになる瞬間というのがあります。

 それは大体が、想定していたことと事実が違うことが原因です。研究に関する記事は巷に多いですが、上手くいかなかった裏側をお話することはあまりありません。今日はそのような話から始めてみます。

 さて、最近実体験として研究がボツになることがありました。何の研究かというと、「すきぴ」という言葉についての考察です。先日から「すきぴ」という言葉について考えていま

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生きている実感――若者の場合

正しい評価制度って何か?

その人がどんな実力か?
今日一日で何をどれだけできたか?

そういうものすべてが可視化され、数値化されて、能力の倍率がかけられて給与が決まるのだとしたら。

それは、恐ろしいですね。

ただ、そっちの方がいいと思ってしまう自分がちょっとだけいるのも、若干の絶望ですが。

わたしは社会に出てから、自分が何の仕事をしているのかよくわからないし、
できることがあっても立場が違

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『言葉とは何か』

 また本を買った。
 丸山圭三郎『言葉とは何か』筑摩書房 2008年4月

 世の中が不穏な空気になるほど、わたしの書棚に言葉についての本が増えていくのはなぜなのか。きっと救いを求めているのだろう。

 わたしは大学院で言葉について研究していた。言葉の研究者が一番帰るべきところは、やはりソシュールだろう。帰るべきというより、迷ったら帰るような場所だ。

 そうは言っても、ソシュールは簡単に理解させ

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元文系大学院生の独り言。

文系大学院生の就活のリアルはどうなのか。

本当の声はどこにあるんでしょうかね。

インターネットの中でも、大きな声や影響力のある発信ばかりが目立って、リアルな所がわかりません。

わたしの経験の中では、
なにかに疑問を持つことや、問い直す力が、
逆に組織や既存のシステムの中では足かせになる気がしています。

そんなこと考えなくていいよ、とか
いちいち疑問に思ったらダメだ、と言われることがあります

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何も進まない今。院卒としての自分。

文系の院生の就活をもっと豊かにしたい。

そう思って社会人になったのに、

わたし自身が何も進んでないから、何も進まない。

そもそも成果主義と文系の院生って正反対なのです。

成果と院生が反対なのではなく、

成果主義と院生が反対なのです。

こういうことを言ってるから嫌がられるのでしょうか。多分そう。

つまりどういうことかと言うと、

成果が出るも出ないも、研究したいんだからそれを学ぶわけで

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摩擦

わたしはまた要らぬ摩擦を生んだようだ。

問いを見つける力など、

考える力など、

要らないのならば、

わたしたちは大学で何を学ぶのだろうか。

摩擦も議論も要らぬ世の中は

平和なのだろうか。

引用には責任が伴う。

 こんにちは。じめじめしていますね。
 じめじめはジメジメとじめじめ、どちらが正解なのでしょうか。漢字で書くと湿め湿めでしょうか。これはしめしめですね。

 さて、今日は引用についての話です。
 最近よく新書を読みます。新書は現代の出来事を専門的且つわかりやすく書いてくれているので、おもしろくいろいろなことを知ることができます。本屋さんに行くとつい買ってしまって、うちが新書だらけに。

 いつも楽

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本に書き込みができない。

本に書き込みができない。

いつからでもなく、意図してそうなっているわけでもなく、
わたしは本に書き込みができない。

書き込みをした方がいろいろ覚えられるし、
どう読んだかもぱっと見てわかるからいいんだけど、

でもわたしは本に書き込みができない。



昔は大事なところに付箋を貼って、消せる赤鉛筆で線を引いていた。

昔の研究書をひらくとまだ残っている、わたしの書き込み。

いつからか、書き

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「答えのない問い」について

 今日は答えのない問いについてお話しようと思います。

 この言葉はわたしが自分のマガジンに設定した言葉です。普段から当たり前にこのようなことを考えているので何も違和感なく使っていましたが、改めて読んでみるとちょっとかっこよすぎるかな? という気もしてきました。こういうタイトルでエッセイ本とか出せそうですよね。というかもうありそうですね。

 答えのない問いを普段から考えているとはどういうことかと

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本が好きなのに、編集者や書店員になろうと思わないのはなぜだろう。

 みなさんこんにちは。
 今日は題名の疑問について、考えてみようと思います。

「本が好きだけど、編集者や書店員になろうと思わないのはなぜだろう。」

 この疑問を持っているのは、わたしだけでしょうか。意外と多いかもしれない……。自分の周りの本好きな人を見て思ったりもします。

 わたしは本が好きだけど、でも書店員になったことはないし、こんなに今の仕事が大変でも(独り言です)、それでも編集者とか自

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