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ジェンダーギャップ指数118位の日本で考えること。

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ジェンダー差別やジェンダー平等などを女性の視点から書いています。
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記事一覧

手からこぼれ落ちる雫

手からこぼれ落ちる雫

上記のレポートは、私が11年前に書いたレポートです。一部を削除・修正して載せました。拙い文章にお付き合いいただきありがとうございます。

今回この記事にこのレポートを載せようと思ったのは、この映画を見たからです。

あんのこと。

幼い頃から母親に虐待され、売春を強要される、その中の客から覚醒剤を勧められ、逮捕された頃には立派な薬物中毒者に。
でもこの話はフィクションではなく、実話をもとに作られた

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房思琪(ファン・スーチー)の初恋の楽園

房思琪(ファン・スーチー)の初恋の楽園

日本のみならず、アジアには私がまだ知らない優れた文学がたくさんある。

最近読んだ本では、韓国の作家・ハンガンさんの『菜食主義者』という本を読んだ。この本を知ったのは朝日新聞の彼女のインタビューがきっかけ。

ハンガンさんの作品は、他のものもこれから読む予定で、本棚にスタンバイしている。

そしてもう一つ。
房思琪の初恋の楽園という台湾の小説だ。

はっきり言う。
もう二度と読み返したくない。

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フランスの匿名出産の現場から

フランスの匿名出産の現場から

以前こちらの記事で、日本と韓国の内密出産について紹介をした。ここでは、予期せぬ妊娠で生まれた子供のケアに焦点を当てる日本と、予期せぬ妊娠をした女性たちを一貫して支援する韓国の実情について書いた。

以前から内密出産には関心があり、関連記事などは積極的に読むようにしている。そして先日偶然朝日新聞でこちらの連載が始まったことを知り、新聞記事を全て読んだ。

私がフランスに留学をしていたとき、ホームステ

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勇気、という言葉だけでは足りないほどの勇気

父親からの性暴力を実名、顔出しで訴えた女性の動画です。

もう…勇気という言葉だけでは足りないほどの勇気です。 

ありがとう。
私はたくさん勇気をもらいました。

「死ぬ日を1日1日伸ばしてきた。」という言葉の意味、私にはとてもよく理解できます。
そんな気持ちと毎日戦っています。

新聞の記事なども読みましたが、地域の特性上、家族や親戚から無かったことにしてほしいと言われたことなど、地域のしがら
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そのとき、あなたは、何を着てた?

そのとき、あなたは、何を着てた?

現在上智大学で開催中の、性暴力と服装について考えるインスタレーションに行ってきました。

見るにはなかなか勇気がいりましたが、行ってよかったなと思います。
性暴力被害時の服装は、肌の露出が多いものはなく、どれも普段着でした。
小さな女の子のピンクのパジャマが展示されており、それが一番辛く、直視することができませんでした。

性暴力被害に遭ったとき、「あなたがそんな(露出度の高い)服装をしているから

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ジャニーズ性加害再発防止チームの会見を見た。かなり踏み込んだ内容であり、暗闇に光が当たった瞬間だった。
まず大きな痛みを伴いながら被害を訴えた方々の勇気を讃えたい。1人の男の病的な欲望を単なる『イタズラ』と捉え隠蔽してきた事務所、マスコミ、企業、私達は人間の尊厳を軽んじてきた。

あなたが何を着ていても

先日大阪で開かれた音楽フェスにおいて、DJの韓国人女性が観客に胸を触られるという性的被害を受けたというニュースが取り上げられた。

私はそのネットニュースを読んでいて被害の内容もさることながら、その記事へのコメントにショックを受けた。

そんな露出の多い服を着ている方が悪い。

胸でファンを集めているのだから仕方ない。

このコメントを見て本当に悲しくなったし、日本の認識はこんなものなのかとがっか

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内なる声を語る、ジェンダーもやもやカードの虫たちからのメッセージ

内なる声を語る、ジェンダーもやもやカードの虫たちからのメッセージ

先日、ある自治体の男女共同参画センターが共催の、興味深いワークショップに参加してきました。

その名も、

ジェンダーもやもや発見
カード完成お披露目会
です。

◼️ジェンダーってなんだ?ジェンダーって最近よく聞く言葉だと思いませんか?でもその言葉の意味はよくわからない、なんだか難しそう、という印象があります。
ジェンダーとは、生物学的な性別(sex)に対して、社会的・文化的に作られる性別のこと

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SHE SAID〜被害者の声が無駄にならないように〜

SHE SAID〜被害者の声が無駄にならないように〜

ShinanoYamaさんは、私がnoteでフォローしているnoterさんの一人だ。
彼女の書く映画、音楽、ドラマなどのレビューが非常に面白く、「私も見たい!聴きたい!」となる記事を毎回書いていらっしゃるので、noteを始めた頃からいつも記事を拝読している。

そのShinanoYamaさんが今年の2月に発表された映画記事。

この記事を読んだ時から、どうしてもこの映画を見たいと思っていたのだ。し

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私が顔を見て笑われた後にたどり着いた答え

私が顔を見て笑われた後にたどり着いた答え

3月13日からマスクの着用が個人の判断になりました。
私はマスクはしたくない派なので、電車や病院、職場ではつけますが、1人で歩いている時などは基本しないようにしています。

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女性の自分らしい生き方とは?

女性の自分らしい生き方とは?

先日、朝日新聞社主催のAging Gracefullyフォーラム 2023「女性の自分らしい生き方とは」に参加してきました。

2020年、日本の女性人口の半数が50歳以上となったそうです。

私自身今年で46歳になります。健康面はもちろんのこと、いかに自分の加齢と向き合っていくかを結構考えています。
今回のフォーラムでは以前から関心があったジェンダードイノベーションのお話も聞けるということで参加

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自分の人生にもう嘘はつかない

自分の人生にもう嘘はつかない

自分の人生に嘘をつくのは、もうやめよう。

そう思い始めたのは、トラウマ治療が終わって数ヶ月が経った頃だった。

これまでの私の人生は、自分に起きた性暴力被害を『なかったこと』にして生きることだった。

加害者たちの前でも何事もなかったように振る舞い、笑い、奴らの嘲笑にも耐え、両親の前では良い子を演じてきた。

そんな生き方をずっとしてきたものだから、本当の自分と嘘をついている自分との区別がつかな

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誰かの道しるべになれるかもしれない、それこそが最後に残された希望

誰かの道しるべになれるかもしれない、それこそが最後に残された希望

NHKクローズアップ現代+には「性暴力を考える」という特別サイトがある。

この特集が始まってから3年半。
内容に励まされ、時には勇気をもらい、知らなかったことを学び、スタッフの方には寄り添っていただいた。本当に感謝している。

その恩返しになればと、昨年の大規模アンケートにも協力をさせていただいた。その結果は、日本はこの問題に関してはまだまだ後進国なんだと気付かされ、絶望に近い感覚を抱いたものだ

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ベイビーブローカー

ベイビーブローカー

先日是枝裕和監督の最新作「ベイビーブローカー」を見てきました。
ジーンとなったり、色々考えさせられた映画だったので、備忘録としてnoteに残したいと思います。
(#ネタバレが少しありますので、これから映画を見る方はご注意ください。)

是枝裕和監督の映画を見るのは今回で4作目。一作目は『誰も知らない』、2作目はカンヌ国際映画祭の会場で見た『そして父になる』、3作目は『海街diary』。そして今回の

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