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読み出す前にその本が面白いのかは分からない
分かる、と思うかもしれない
帯があったり、その本の広告があったり
読ませる側は、読む前からいかにその本が面白いかを伝えようと一生懸命だ
映画のトレイラーも同じく
本編全てを観なくても、作品がいかに面白そうで観たいと思ってもらえるか
そう考えて尽力していることだと思う
それがいい悪いということではなく
やっぱり
それが実際面白いのかどうかは、観てみないことには、また、読んでみないことに
現状に引き戻す手は引く手あまた
現状内は感情たっぷりで刺激的で魅力的
Web zine #11 手のひらから飛んでいったものは
みんなその小さな手の中に
大切なものをたくさん持っている
懸命に集めて落とさないように握っている
けれど
集めることに必死で掴んだなにかを
それが何か分からなくても
失うこと自体が今度は恐ろしくなる
そうして
溢れそうな手の中を
なんとかバランスを保ちながら
ふらふら進んでいる
目線は手元に落ち
前はよく見ていない
失うことは怖いけど
怖いことはいけないことではないよ
こうして言葉を綴る
Web zine #10 通り過ぎて行った愛達
愛というものは時に足が生えて通り過ぎていってしまう
恋はよくそうして足早にいなくなってしまうものだが
愛は足がなくていつまででもそこにいるだろうと、あぐらをかいてしまう人も多いものだが
恋に恋していても、その中には欠片でもその人なりの愛も入っていて
また、少しずつ大きさを増したりして
2人の間にお互いそれぞれに不器用なかたちの愛を持ち寄ろうとして
でも時には不意に愛が去ってしまう時もあ
Web zine #9 ショコラショー
ショコラショー=ホットチョコレート
私にとってのショコラショーはパリのカフェだ。
学生の研修旅行で行ったパリの
道端のカフェでゼミの先生に奢ってもらった一杯。
(奢ってもらったものは格別美味しく感じる気がする)
寒い外気とは反対に熱々の湯気を上げて
鈍く底の見えないゆっくりと渦を巻く濁り
カカオの苦味と生クリームの甘いコク
深い深い味わい…
どっしりと舌に安息を届ける…
特別に特別な時間の味
Web zine #7 午後8時のピロリの夜道
頭痛もするし食欲も湧かないし…
みたいな状態でどろどろと
明日のためのヨーグルトを買うためだけに
午後8時の夜道を歩く
なぜかというと、
今日内科でお腹にピロリ菌がまだいると言われたからだ。
まだ、というのは、
1ヶ月ほど前に胃カメラをしてピロリ菌除去薬を飲んだ検査結果だからだ。
そして私は、なんちゃらというお腹によいというヨーグルトをピロリ菌除去薬のために摂るようにいわれ今に至るのだが、
Web zine #4 本当の真っ暗
本当の真っ暗って、
実はなかなかない。
物理的な意味で。
夜電気を消して、「真っ暗だ」と思ったものも
しばらく経てば見えてくるもの
砂漠の夜道を歩いたって、
星や月や、雲の反射がほんのりとある
昔遊びに行った
「養老天命反転地」という施設で
本当に一切の光をなくした空間を体験したことがある
本当の真っ暗。
目の前が完全に黒で塗りつぶされている。
目を開けても閉じても変わらない。
距離も空
web zine #3 将棋倒しのような食器入れ
大体、普段家事をしていない人間の家事には抜けがあるものなんです
(タイトルは短く男、としたけど、
今のご時世、常に男がそちら側とも限らない。)
弟が洗ってくれた後の食器カゴはまるでプレイ前の将棋崩し。
ともかく、
食器を珍しく全部洗ってくれたと思ったら、
炊飯器のご飯は忘れ去られてた、なんてことはざらです。
ざらかもしれませんが、
それを気づいてしまうのはあなたが言わばベテランだから。
ここ