内藤郁子 Ikuko NAITO

内藤郁子INClaireです。 音楽について日々思うことや生活の中の音楽の話を書きます…

内藤郁子 Ikuko NAITO

内藤郁子INClaireです。 音楽について日々思うことや生活の中の音楽の話を書きます。 音楽のたくさんのジャンルで壁を作らず線引きだけして、どれも体験して魅力の違いを比べるのがおもしろい。 音楽って一曲ずつそれぞれの魅力だと思います。

記事一覧

二人組の相性

Chère Musique イントロダクション 私の主宰する音楽アトリエヴォアクレール(vc)では、生徒さんのためのコンサートやクリスマスイベントでソロだけでなくアンサンブル…

アートカフェフレンズへの感謝

Chère Musique 私の演奏のホームグラウンドだった恵比寿の“アートカフェフレンズ”が、先日2024年3月31日でその幕を下ろしました。 素晴らしいお店でした。 ここでは、…

故郷を恋うる歌たち

Chère Musique 『故郷』高野辰之、岡野貞一 『椰子の実』島崎藤村、大中寅二 『故郷の人々』勝承夫、S. フォスター 『峠の我が家』岩谷時子、アメリカ民謡 どれも皆、歌…

演奏のための基礎知識リスト

Chère Musique 最近なぜか中級や上級のレッスンで多いのが、楽典の教本にあるような基礎知識を、初心に帰ってあらためてもう一度教える場面。 私の普段の指導の中での話…

歌解説『朧月夜(おぼろ月夜)』

Chère Musique 朧月夜(おぼろ月夜) 作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一 菜の花畠に 入日薄れ 見渡す山の端 霞深し 春風そよ吹く 空を見れば 夕月かかりて 匂い淡し 里…

オーケストラ代理のピアノ

Chère Musique 最近はモーツァルト作品の合唱レッスンを受けることが多いのですが、そんな中でオーケストラの代理のピアノ演奏についていろいろ思うことがあります。 原…

シニアのための音楽講座いろいろ

Chère Musique イントロダクション 渋谷区民シニアのための音楽講座“歌ってラララ”、2023年度後期が今月で終わります。 6ヶ月ごとのクラスで、4月から9月の前期と10…

ミサ曲という音楽

Chère Musique “ミサ曲”というものを演奏する機会に恵まれています。 私はキリスト教徒ではなく、音楽家の一員として演奏したり勉強したりしているだけです。 ただ音楽…

大きく広い視点から近づく

Chère Musique どんな聴き方? 二月の週末講座CSMは、 いつもの“音楽瞑想”から始まりました。 これは私が勝手に考えた瞑想もどきで、ここでも何度か話題にしたことが…

歌うときの上半身

Chère Musique 歌の中での空の高さ コンサートで、空や星や月などの歌詞を歌うときの首と目線の角度を、いつも考えます。 歌詞をどこまで深く解釈できるか、その解釈を…

演出されるという体験

Chère Musique 演奏するということは声や楽器の音を奏でること。 どんな音をどんなふうに奏でるか。 でも実は、演奏の中にはそれ以外にもすることがあります。 「歌った…

イギリスの舞踏音楽の思い出

Chère Musique イントロダクション このところ、“音楽と心や体”という感じのお話を続けています。 1月の週末講座を「音楽の中にたっぷりと浸って、体と心を活性化さ…

舞曲は踊る?聴く?

イントロダクション 前回は、音楽と身体や心が一体になれる、という話題でした。 そして今回それが「踊る」ということ、そして「踊るための音楽」というお話へと繋がりま…

音になる

前回は、先日の週末講座で、音楽の力を借りたストレッチなど、寒さで固まった心と身体を解放することをやりました、というご報告から、音楽と人間の関係を考えてみるような…

心もカラダも暖かく

Chère Musique 毎月一回、日曜日に音楽講座をしています。 1月21日に今年1回目がありました。 寒い雨の日曜日でしたが、音楽ストレッチをして、冬の歌をたくさん歌って…

ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート

Chère Musique 今年の感想の一番は、「演奏者から引き出す」です。 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサート。 日本にとって特殊な一年の幕開け…

二人組の相性

二人組の相性

Chère Musique

イントロダクション

私の主宰する音楽アトリエヴォアクレール(vc)では、生徒さんのためのコンサートやクリスマスイベントでソロだけでなくアンサンブルも多く出演されます。
“二人組”の演奏もたくさんあります。
その二人組に二人に対して一緒にレッスンしていて、皆さん良い感じに大切なところで相性が合っている、と思える時がたびたびあります。

歌の二人組とは?

演奏の二人組

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アートカフェフレンズへの感謝

アートカフェフレンズへの感謝

Chère Musique

私の演奏のホームグラウンドだった恵比寿の“アートカフェフレンズ”が、先日2024年3月31日でその幕を下ろしました。

素晴らしいお店でした。
ここでは、私と相方ピアニスト村西則美さんの理想、「音楽を聴く」ということの基本の在り方を叶えることができていました。

それは、「くつろいで、美味しいものを食べながら飲みながら、大好きな友だちと語らいながら」、上質の空間で音楽

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故郷を恋うる歌たち

故郷を恋うる歌たち

Chère Musique

『故郷』高野辰之、岡野貞一
『椰子の実』島崎藤村、大中寅二
『故郷の人々』勝承夫、S. フォスター
『峠の我が家』岩谷時子、アメリカ民謡
どれも皆、歌の講座でよく取り上げる作品です。

『故郷』『椰子の実』は日本の歌、『故郷の人々(スワニー河)』『峠の我が家』はアメリカの歌。
共通しているのは、歌詞の内容が故郷を恋うる歌だということです。

日本の場合は、山村から都会

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演奏のための基礎知識リスト

演奏のための基礎知識リスト

Chère Musique

最近なぜか中級や上級のレッスンで多いのが、楽典の教本にあるような基礎知識を、初心に帰ってあらためてもう一度教える場面。

私の普段の指導の中での話題は、演奏テクニックに関すること以外だと、歴史、音楽家、概念的なことが多い気がします。
なので少し新鮮な気分。

楽典基礎知識というのは、簡単なこと(整理すればよいだけなこと)から、少し頭を使って覚えたり練習問題をしたりした

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歌解説『朧月夜(おぼろ月夜)』

歌解説『朧月夜(おぼろ月夜)』

Chère Musique

朧月夜(おぼろ月夜)

作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一

菜の花畠に 入日薄れ
見渡す山の端 霞深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

里わの灯影も 森の色も
田中の小道を 辿る人も
蛙の鳴く音も 鐘の音も
さながら霞める おぼろ月夜

日本の歌の表すもの

『赤とんぼ』や『里の秋』と同じように、この歌もクラスでは“歌曲”のコーナーで取り上げました。

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オーケストラ代理のピアノ

オーケストラ代理のピアノ

Chère Musique

最近はモーツァルト作品の合唱レッスンを受けることが多いのですが、そんな中でオーケストラの代理のピアノ演奏についていろいろ思うことがあります。

原曲が管弦楽や室内楽とのアンサンブルである作品は、ほとんどの場合、練習段階ではそのパートをピアノで代行します。
歌やソロ楽器などの主役のパートのために開催される演奏会では、本番もピアノで代行することもあるくらいです。

(身近

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シニアのための音楽講座いろいろ

シニアのための音楽講座いろいろ


Chère Musique

イントロダクション

渋谷区民シニアのための音楽講座“歌ってラララ”、2023年度後期が今月で終わります。
6ヶ月ごとのクラスで、4月から9月の前期と10月から3月の後期。
受講される方は毎回抽選で決まりますが、ありがたいことにご希望くださる方が多いため倍率は高いそうです。
すでに2024年の選曲も進めており、新しいクラスでの出会いや再会を楽しみにしています。

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ミサ曲という音楽

ミサ曲という音楽

Chère Musique

“ミサ曲”というものを演奏する機会に恵まれています。
私はキリスト教徒ではなく、音楽家の一員として演奏したり勉強したりしているだけです。
ただ音楽家である、ただ音楽好きであるというだけでは、体験できることの多くない音楽なので、機会を得られていることに感謝しています。

19年間という長い間、モーツァルトの作った18曲のミサ曲をすべて演奏しようという企画演奏会に、合唱団

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大きく広い視点から近づく

大きく広い視点から近づく

Chère Musique

どんな聴き方?

二月の週末講座CSMは、 いつもの“音楽瞑想”から始まりました。
これは私が勝手に考えた瞑想もどきで、ここでも何度か話題にしたことがあります。
私は本物の瞑想とは?という哲学的なことや心理学的なことはよく知りません。
ですが、たぶんこのようなものを瞑想と言うのではないか、と勝手にそう呼んでいます。
心と体を普段モードから音楽をするモードに切り替える、

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歌うときの上半身

歌うときの上半身

Chère Musique

歌の中での空の高さ

コンサートで、空や星や月などの歌詞を歌うときの首と目線の角度を、いつも考えます。
歌詞をどこまで深く解釈できるか、その解釈をどこまで声で表現できるか、そして私が自分の特徴だと思っている顔つきや態度で見た目にもその解釈を表すことを、とても大切にしています。
私に言わせれば、声で表現している内容と、お客様から見た歌い手の顔つきや身振りなどの見かけが、

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演出されるという体験

演出されるという体験

Chère Musique

演奏するということは声や楽器の音を奏でること。
どんな音をどんなふうに奏でるか。

でも実は、演奏の中にはそれ以外にもすることがあります。
「歌ったり楽器を奏でたりすることだけでも大変なのに!」という方が多いかもしれませんが、私はこの「それ以外のこと」も、少しだけでもいいので大切にしていただきたい。
そうれけるようなレッスンをしたいと心掛けています。

私の企画するイ

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イギリスの舞踏音楽の思い出

イギリスの舞踏音楽の思い出

Chère Musique

イントロダクション

このところ、“音楽と心や体”という感じのお話を続けています。

1月の週末講座を「音楽の中にたっぷりと浸って、体と心を活性化させるというメニュー」でおこないました。
寒さやいろいろで固まっている心と体のために、音楽の力を借りる、という内容。

事前に不要な硬さや重さを少しでも取り除いておくと、良い演奏をすることができます。
演奏でなくても普段の生

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舞曲は踊る?聴く?

舞曲は踊る?聴く?

イントロダクション

前回は、音楽と身体や心が一体になれる、という話題でした。
そして今回それが「踊る」ということ、そして「踊るための音楽」というお話へと繋がります。

音楽には“舞曲”というものがあります。

舞曲は二種類?

舞曲という音楽には大きく二種類あると、私は思っています。
何をもってして分けるかによっていろいろな見方がありますが、私が思うのは、“踊るための舞曲”と“聴くための舞曲”

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音になる

音になる

前回は、先日の週末講座で、音楽の力を借りたストレッチなど、寒さで固まった心と身体を解放することをやりました、というご報告から、音楽と人間の関係を考えてみるような話題でした。

「音になる」

このような、音楽に心身を動かされる体験を、受講者の方々は他に言葉が思いつかないので「音楽に合わせて動く」と言いますが、厳密にいうとそれは言い方が違うと思います。
音が鳴るということと体や心の中で何かが起こると

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心もカラダも暖かく

心もカラダも暖かく

Chère Musique

毎月一回、日曜日に音楽講座をしています。
1月21日に今年1回目がありました。

寒い雨の日曜日でしたが、音楽ストレッチをして、冬の歌をたくさん歌って、スタジオはとても暖かでした。

こういう幕開けをしてしまった新年ですから、体や心が固くこわばってる方が多いのではないでしょうか。
私自身も、元気を出して体を柔らかくして、 エネルギーを持って音楽をするということが、い

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ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート

ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート

Chère Musique

今年の感想の一番は、「演奏者から引き出す」です。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサート。
日本にとって特殊な一年の幕開けになってしまったので、いつもの生中継ではなく録画放送となりました。

あの音に自分を浸して心新たに新年を走り出す、といういつものスタートを切れず、何となく始まってしまってからはいつの間にかまた仕事に追われて、なかなか「さぁ!

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