自己中心世界の終りとハード育児ワンダーランド

仕事でなかなか子育てに時間が割けない日々を送る新米パパのエッセイ。 それでも毎日を大…

自己中心世界の終りとハード育児ワンダーランド

仕事でなかなか子育てに時間が割けない日々を送る新米パパのエッセイ。 それでも毎日を大切に、育児のエッセイを綴ります。思ったように育児に参加できない私と同じようなパパ、子育てに悩みながら毎日奮闘するママ、子育ての道を歩む皆さんへ、一緒に日々の子育てを大切に楽しんでいきましょう。

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プロローグ

 人生にはターニングポイントがあります。人はそれが来たときに、自分自身を見つめ直し、自分がどこに立っているのか、どこへ向かっているのかを再確認します。私のその瞬…

五月人形への道

 今日はひな祭り。本来ならば女の子のお祝いの日だが、我が家では特別な意味を持つわけではない。しかし、そんな中でも家族が集まる機会となれば、それはそれで素晴らしい…

音楽の種、友情の花

 先日、大学時代を共に駆け抜けたバンドメンバーとの再会で生まれた、ある新たな計画。それは、遠隔で共同で曲を作るという野心的なプロジェクトだ。時間も空間も超えて、…

勇気のバッジ

 帰宅すると、いつものように息子の笑顔が迎えてくれる。それが私の一日の疲れを癒やしてくれる。しかし今日は、その笑顔に少しの影が。小さな顔には、新しいバッジのよう…

笑顔で癒される旅の疲れ

 実家での日々に別れを告げ、今日は帰路につく日。昼過ぎの電車に身を委ね、その後新幹線へと乗り換える。帰りの道中、またしてもビールを手にしてしまい、昨日の迎え酒が…

復活の味噌汁と迎え酒

 二日酔いの朝は、まるで大海原に放り出された小舟のように、揺れる意識と戦いながら目覚めた。楽しい時間の裏返しとしてのこの苦しみ、まさに遊びの後の代償は大きい。し…

懐かしの笑顔フェスタ

 今日は、何年も時を越えて繋がる絆を再確認した日だ。田舎での同窓会イベントは、まるでタイムカプセルを開けるようなもの。長年の間には様々な道を歩んできた私たちが、…

青春の残響、眠れぬ夜に

 夜行バスでの帰省は、まるで青春の一ページを再びめくるような、そんな冒険だった。地元での同窓会イベントを前に、友人と共に久々に故郷へと向かうことに。仕事がある中…

機嫌予報、曇り時々晴れ

 最近、我が家では小さな天気予報が立ち上がっている。その名も「息子機嫌予報」。日中、この予報によれば、息子地方は曇りがちで、時折、嵐のような駄々こねが発生してい…

ハッピバースデー、未来のシンガー

 息子が生まれて1年2ヶ月。まだ喃語の世界に生きる彼が、なんと歌い出した。人生における最初の大発見かもしれない。  おばあちゃんからの贈り物、ハッピーバースデーの…

ラジオから飛び出した夜

 通勤のお供はいつもラジオ。その中でも、特に心をくすぐる番組が2〜3個あり、その一つが東京ドームでの大イベントライブを開催するという。まさかのチケットゲットで、私…

青春のメロディ再生

 今宵は、時間の流れを一時的に逆行させたかのような夜だった。大学時代に肩を並べて音を鳴らしたバンドメンバー、そして同じ軽音サークルで騒いだ後輩たちとの再会。その…

小さなストライカー誕生

 息子が新たな遊びをマスターした。今までの彼のボールゲームといえば、一言で言うなら「投げ捨てる」ことだった。しかし、最近はまるで小さなサッカー選手のように、ボー…

うるさくて甘い帰路

 沖縄での短い休暇が終わり、今日は帰路につく日となった。昼過ぎには空港に着き、帰りの飛行機に乗る準備をした。息子との旅は、いつも予想以上の冒険をもたらしてくれる…

大きな声と沖縄物語

 息子の大声は、私たち家族の日常の一部となっている。昨夜のレストランではその大声が、静かな食事を求める他の客たちにとっては、おそらく天災に等しかっただろう。今朝…

空の上の小さな反乱

 息子の飛行機デビューは、まるで小さな探検家が未知の大陸に足を踏み入れるかのような大事件だった。コロナ禍で旅行に出かける機会が減った分、溜まったマイルポイントを…

プロローグ

プロローグ

 人生にはターニングポイントがあります。人はそれが来たときに、自分自身を見つめ直し、自分がどこに立っているのか、どこへ向かっているのかを再確認します。私のその瞬間は、40歳になった後に訪れました。そう、私は40歳で初めてパパになったのです。

 何年もの間、妻と二人で子どもを望み、果敢に挑戦してきました。当然、すべてが順風満帆だったわけではありません。実際には、山あり谷ありの道のりでした。初めて妊

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五月人形への道

五月人形への道

 今日はひな祭り。本来ならば女の子のお祝いの日だが、我が家では特別な意味を持つわけではない。しかし、そんな中でも家族が集まる機会となれば、それはそれで素晴らしいことだ。息子にとっては、まだ「ひな祭り」という言葉の意味はわからないかもしれないが、家族が集まる喜びは感じていることだろう。

 妻の実家では、お母さんが特製のちらし寿司を作ってくれた。久しぶりに食べるそのちらし寿司は、まるでこの日のために

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音楽の種、友情の花

音楽の種、友情の花

 先日、大学時代を共に駆け抜けたバンドメンバーとの再会で生まれた、ある新たな計画。それは、遠隔で共同で曲を作るという野心的なプロジェクトだ。時間も空間も超えて、再び一つの目的で結ばれるのは、まさに青春の延長線上にあるようでワクワクする。

 今日、そのプロジェクトの第一歩として、曲のアイデア、いわば「種」を彼らに送り出した。この小さな種から、どんな花が咲くのか、どんな音楽が生まれるのか、想像するだ

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勇気のバッジ

勇気のバッジ

 帰宅すると、いつものように息子の笑顔が迎えてくれる。それが私の一日の疲れを癒やしてくれる。しかし今日は、その笑顔に少しの影が。小さな顔には、新しいバッジのような傷があった。妻から聞いた話では、公園での冒険がちょっとしたアクシデントを引き起こしたらしい。手はしっかりとついたものの、重たい頭が勝ち、結局地面に顔を突っ込む形となった。小さな冒険者は、その時の衝撃で涙を流したという。

 夜になってから

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笑顔で癒される旅の疲れ

笑顔で癒される旅の疲れ

 実家での日々に別れを告げ、今日は帰路につく日。昼過ぎの電車に身を委ね、その後新幹線へと乗り換える。帰りの道中、またしてもビールを手にしてしまい、昨日の迎え酒がまだ続いているような気分に。しかし、こんな解放感あふれる日も、人生には必要なのだと自分に言い聞かせる。

 家へとたどり着くと、そこには久しぶりに会う息子の、最高の笑顔が待っていた。その一瞬で、旅の疲れや電車でのほろ酔い加減が吹き飛ぶ。息子

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復活の味噌汁と迎え酒

復活の味噌汁と迎え酒

 二日酔いの朝は、まるで大海原に放り出された小舟のように、揺れる意識と戦いながら目覚めた。楽しい時間の裏返しとしてのこの苦しみ、まさに遊びの後の代償は大きい。しかし、実家という安全な港にいるおかげで、この小舟はなんとか浮かび続けることができている。

 朝食は普段は食べないのだが、実家での二日酔いの朝に限っては、まるで命の恩人のように感じられる。母の手作りの味噌汁が、この酷い二日酔いを少しでも和ら

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懐かしの笑顔フェスタ

懐かしの笑顔フェスタ

 今日は、何年も時を越えて繋がる絆を再確認した日だ。田舎での同窓会イベントは、まるでタイムカプセルを開けるようなもの。長年の間には様々な道を歩んできた私たちが、再び一つの場所に集まる。人数は多くはなかったが、その分、一人一人との再会がより深いものとなった。

 20年以上の時間を経て、高校時代のクラスメイトや友人たちとの再会。変わらない笑顔、少し大人になった姿、それぞれの人生の話に、時の流れを感じ

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青春の残響、眠れぬ夜に

青春の残響、眠れぬ夜に

 夜行バスでの帰省は、まるで青春の一ページを再びめくるような、そんな冒険だった。地元での同窓会イベントを前に、友人と共に久々に故郷へと向かうことに。仕事がある中、早い時間からの開催ということで、選択肢は夜行バスしかなかった。これが何年ぶりの夜行バスだろうか、その久しさにわくわくしつつも、心のどこかで不安も感じていた。

 「どうせ寝れないだろう」という予測のもと、出発前には居酒屋で軽く飲むことに。

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機嫌予報、曇り時々晴れ

機嫌予報、曇り時々晴れ

 最近、我が家では小さな天気予報が立ち上がっている。その名も「息子機嫌予報」。日中、この予報によれば、息子地方は曇りがちで、時折、嵐のような駄々こねが発生している。ご飯の途中で急に嫌がる低気圧が近づいたり、思い通りにならないというフロントが通過したりする日が続いていた。

 原因分析を試みたところ、最近一回に減らしたお昼寝が怪しいという結論に至った。そこで、実験的に、以前のように朝と夕方、2回のお

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ハッピバースデー、未来のシンガー

ハッピバースデー、未来のシンガー

 息子が生まれて1年2ヶ月。まだ喃語の世界に生きる彼が、なんと歌い出した。人生における最初の大発見かもしれない。

 おばあちゃんからの贈り物、ハッピーバースデーの曲が流れる絵本に夢中になっている息子。その絵本を何度も持ってきては、ボタンを押し、曲に合わせて手拍子をして遊んでいる。そんな息子の姿に僕たちはいつも心を奪われ、一緒に歌を歌ってコミュニケーションを取ってきた。

 今日の帰宅時、妻から「

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ラジオから飛び出した夜

ラジオから飛び出した夜

 通勤のお供はいつもラジオ。その中でも、特に心をくすぐる番組が2〜3個あり、その一つが東京ドームでの大イベントライブを開催するという。まさかのチケットゲットで、私は1人参戦することになった。

 ラジオイベント、お笑いライブという未知の領域。自分がこんなにも番組を愛しているとは、正直驚きだった。会場への足取りは、期待とわずかな不安が入り混じるものだった。4時間半の長丁場、トイレの心配など小さな不安

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青春のメロディ再生

青春のメロディ再生

 今宵は、時間の流れを一時的に逆行させたかのような夜だった。大学時代に肩を並べて音を鳴らしたバンドメンバー、そして同じ軽音サークルで騒いだ後輩たちとの再会。その中には、住む場所が遠く、なかなか顔を合わせることができない友人もおり、この夜はまさに貴重な宴となった。

 結婚や子ども、健康といった、いわゆる「大人の会話」で盛り上がる。そんな中でも、話題が音楽に移ると、一転して熱気がみなぎる。若かった頃

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小さなストライカー誕生

小さなストライカー誕生

 息子が新たな遊びをマスターした。今までの彼のボールゲームといえば、一言で言うなら「投げ捨てる」ことだった。しかし、最近はまるで小さなサッカー選手のように、ボールを蹴って遊ぶ技術を身につけたようだ。彼のゲームは単純だ。ボールを足で転がして、蹴れなくなったら、今度は持ち上げて投げる。このシンプルなルールの中で、彼は笑顔と笑い声を絶やさず、明るく遊んでいる。

 妻は野球ファンで、いつか息子が野球をす

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うるさくて甘い帰路

うるさくて甘い帰路

 沖縄での短い休暇が終わり、今日は帰路につく日となった。昼過ぎには空港に着き、帰りの飛行機に乗る準備をした。息子との旅は、いつも予想以上の冒険をもたらしてくれる。

 帰りの飛行機は、予想通り混雑していた。そして、息子はその期待を裏切らない。大声で騒ぎ、泣き、暴れ、周囲の乗客に迷惑をかけてしまった。しかし、そんな中で救いの手が差し伸べられた。隣に座っていたおじさんは、息子の小さな大暴れにも動じるこ

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大きな声と沖縄物語

大きな声と沖縄物語

 息子の大声は、私たち家族の日常の一部となっている。昨夜のレストランではその大声が、静かな食事を求める他の客たちにとっては、おそらく天災に等しかっただろう。今朝のビュッフェでも、彼の声は朝の静けさを破る鐘のように鳴り響いた。彼の元気が有り余っていることを理解して欲しいと心から願う。

 今日のハイライトは、沖縄で喫茶店を営む妻の友人のお店を訪れたことだった。その店はまるで宝箱のように、彼女の好きな

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空の上の小さな反乱

空の上の小さな反乱

 息子の飛行機デビューは、まるで小さな探検家が未知の大陸に足を踏み入れるかのような大事件だった。コロナ禍で旅行に出かける機会が減った分、溜まったマイルポイントを利用して、我が家はついに沖縄への家族旅行に挑戦した。かつて妻と二人で訪れ、美しい思い出を作ったあのホテルに、今度は息子を連れての訪問だ。

 飛行機内での過ごし方は、まさに運命の分かれ道。他の乗客に迷惑をかけずに、いかに静かに、かつ平和に時

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