空の上の小さな反乱

　息子の飛行機デビューは、まるで小さな探検家が未知の大陸に足を踏み入れるかのような大事件だった。コロナ禍で旅行に出かける機会が減った分、溜まったマイルポイントを利用して、我が家はついに沖縄への家族旅行に挑戦した。かつて妻と二人で訪れ、美しい思い出を作ったあのホテルに、今度は息子を連れての訪問だ。

　飛行機内での過ごし方は、まさに運命の分かれ道。他の乗客に迷惑をかけずに、いかに静かに、かつ平和に時間を過ごすかが、私たち家族に課せられた使命だった。

　飛行機が離陸して最初の40分間は、息子はまるで小さな天使のように眠ってくれていた。その時は、「これなら大丈夫かもしれない」と、希望に胸を膨らませたものだ。しかし、彼が目覚めた瞬間から状況は一変する。「もう飽きた、降りたい、歩きたい」という彼の熱い訴えに、私たちは一筋縄ではいかない戦いに突入した。

　彼の「飛行機からの脱出計画」を阻止しようとする私たちと、限られた空間での自由を求める息子との間で、まさに静かなる戦いが繰り広げられた。それは、小さな探検家が大人のルールに挑むドラマのようだった。

　最終的には、多少のアクシデントを乗り越えて沖縄に到着し、息子の飛行機デビューは記念すべきものとなった。これから始まる家族旅行の冒険が、どんな素晴らしい思い出を私たちにもたらしてくれるのか、今から楽しみで仕方がない。息子の飛行機デビューは、家族旅行の新たな一ページを飾る大事件となった。そして、この小さな冒険家との旅は、これからも続いていく。