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1月「みんなのフォトギャラリー」

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2022年1月に「みんなのフォトギャラリー」で私の写真を使って下さったみなさまのnoteをまとめています。 使っていただいたみなさま、ありがとうございます!とっても嬉しいです😊🌟…
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#エッセイ

ただもうすこしだけ、あなたの笑顔が見たい

ただもうすこしだけ、あなたの笑顔が見たい

2020年、語学留学先のオーストラリアから戻ったわたしを待っていたのは、コロナの日々。マスクのひとたちだらけの世界のはじまり。

幼少期から耳が「きこえない」わたしは、補聴器で音や声を感じることはするけれど、ひととのコミュニケーションはすべて「見る」「感じる」ことを前提に成り立っている。

だれかと話すときは、その方の唇のうごきを読み、目をはじめ表情のゆらめきを感じ、首やほっぺたのふるえもなんとな

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20歳の時に気づいていれば人生無双になっていたかもしれない3つの力の話

20歳の時に気づいていれば人生無双になっていたかもしれない3つの力の話

2021年3月末。いよいよ新生活が始まる。

ワクワクしているだろうか。モヤモヤしているだろうか。ソワソワしているだろうか。多分、全部だと思う。

私は、上京して家族総出での引っ越しが終わった後、ひとり東京に残り、アパートのワンルーム、とりあえず敷かれた布団の上に座って、この混沌とした感情を感じていたはずだ。

なんでもできると思っていた。でも、なにもできないかもしれないとも思っていた。

現在、

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読書灯

読書灯

 砂山くんは空に浮かぶ満月をひょいっと取って小脇に抱えた。よく晴れた夜だった。透き通るような闇を潜水艦のライトみたいに月明かりが照らす。その範囲は限定されたものであり、田舎町の隅々(例えば、排水溝の中だとか、植込みに潜むネコだとか、帰路につくサラリーマンのコートのポケットに入った飴玉や小銭なんか)までは届かない。
 満月のときにしかできないんだよ、と彼は静かな声で言う。月を失った夜空は、その不在を

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夜明けのレインボーブリッジで、僕たちは大人になった

夜明けのレインボーブリッジで、僕たちは大人になった

僕の地元は、東京湾の近くにある下町。
かつて宿場町として栄えた場所で、同級生には職人の息子や娘も多かった。
年に一回行われる地元名物のお祭りには、各町内会から大きな神輿が出る。
町の大人たちはその神輿を楽しみにしていて、神輿を担ぐのが好きな人たちの肩や首には、大きな力こぶができていた。
そんな町で育った僕には、中学2年生くらいから高校を卒業するまで、元旦に恒例行事があった。
地元中学に通う同級生数

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