馬場こうた

排拙文。非文と予測変換でフィクションを書いています。

馬場こうた

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記事一覧

聖護院に向ける

風景を覚えている 遠くにある 自分が小さくなるようだ 時折白昼夢を見る 目と脳の間、果てしない距離を見ている 永遠に興味がないといえば嘘になる ミスチルの歌うことは…

馬場こうた
2週間前

不在

夢 を 散 歩 し た こ と 太 陽 が 昼 休 憩 か ら 戻 っ て く る と き 告 げ 口 を し て お い た 木 漏 れ 日 が 一 人 歩 き し て た こ と き み に 言 い た か …

馬場こうた
3週間前

しと追憶

雁たちのゆく あなたのいた空 添削するみたいだ 手書きの文字を注意深く飛ぶ

馬場こうた
3週間前

断片

しになれなかった言葉たち 聞いたか、郷愁は死んだらしい 戦場であいつは悟りを開いたらしく ヒースレジャーよろしく ダイナマイトで病院を吹き飛ばした! 本当の名前も…

馬場こうた
3週間前
2

記憶、電車

四年振り生まれた国を訪れて見知らぬ街へ行こうとしてる 書き溜めたメモ帳が消えてしまったiPadの裏切りと斜めに降る日差しに悦んでいる(Freude)電車の中である。ひとり…

馬場こうた
2か月前
2

私史 その転換点

車と悲しみ 壁に描かれた男性器のグラフィティ 買えないから悲しい グラスに浮かんだ金魚たち カラカラと揺れている ミントの混じった湯気が鼻腔を通って 中枢に私を刻み…

馬場こうた
2か月前

記憶 忘却 忘却した記憶 忘却された忘却

iPadを買って喜び勇んでいたわたしの 書き溜めたメモ帳が消えてしまった 斜めに降る日差しに悦んでいる電車の中である。 記憶について考える。 忘れたこと、それはかつ…

馬場こうた
3か月前
1

ハンブルク見下ろす天使について

夕陽が「俺は美しいだろう」とこれ見よがしに黄金みたいな光を投げかけてくる。太陽は女だなんてこの辺の奴らはいうがこんな見栄っ張りな女がいてたまるかってもんだ。それ…

馬場こうた
3か月前
3

Un-über-seh-bar

真夜中の部屋でテーブルランプだけをつけている。目が勝手に瞳孔を開いたり閉じたりして視界の明るさを調整している。暗く、明るく、交互にいれ変わる世界。デジタルカメラ…

馬場こうた
3か月前

東の空

知ったこと、あめが降ることゆきが降ることふたつ重なりゆめが降ること

馬場こうた
4か月前
2
+4

ものがなしきものがたり

馬場こうた
5か月前

燃やせ、道標を。こぼれたアイスに、祝福を。

多分単純な事実なのだろう。目の前に誰かがいることも。疑うことだけが真理だと 思えていたのは初めて、だけで 考えることは私の営みではなく 私に命じるのです 考えろと …

馬場こうた
8か月前
+3

オートポエイシスが終わりを告げた

馬場こうた
8か月前
2

バスタブにさよならを

馬場こうた
8か月前

ゆるし

ガラスの割れる音を聴いた気がする のさばっている幸せ わたしの目覚め 無限に跳ね続けたピンポン球が貫く ゴミ箱の中の確かな夢 かけなかったこと、かくのをためらっ…

馬場こうた
10か月前
1

火葬

ぼくらは暖かいのになぜ冷たさを想うのだろう シャンプーの匂いを 無機物の関節 あの子はもう猿ではないけれど 若葉になって帰ってきたよ 斜め上から世界を見てる 伸びた…

馬場こうた
10か月前
2

聖護院に向ける

風景を覚えている
遠くにある
自分が小さくなるようだ

時折白昼夢を見る
目と脳の間、果てしない距離を見ている

永遠に興味がないといえば嘘になる
ミスチルの歌うことは嫌いだ
ミスチルの歌はいい

善悪と美醜は違うと思う

今日は日差しが柔らかかった
とても晴れやかな朝でさ

他人を見てみるよ
ある人は投資信託を始めていて
ある人は生きてたい場所にやってきて
ある人はミュージシャンやっててさ
ある

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不在























































































しと追憶

雁たちのゆく

あなたのいた空

添削するみたいだ

手書きの文字を注意深く飛ぶ

断片

しになれなかった言葉たち

聞いたか、郷愁は死んだらしい
戦場であいつは悟りを開いたらしく
ヒースレジャーよろしく
ダイナマイトで病院を吹き飛ばした!

本当の名前もあったらしいが
俺たちには必要ないんだとよ
追憶は必要だってのにな

「果てしない」を指す単位があって
「わからない」を指す名前があって
知性は自己中なんだと思う

黒を探そう
真夜中を束ねたみたいな黒い黒を

ほろ酔いで電車が止まる

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記憶、電車

四年振り生まれた国を訪れて見知らぬ街へ行こうとしてる

書き溜めたメモ帳が消えてしまったiPadの裏切りと斜めに降る日差しに悦んでいる(Freude)電車の中である。ひとりだ(Ohne Freunde)。

記憶について考える。

忘れたこと、それはかつて覚えていたことを覚えていて
覚えていたことを覚えているその記憶さえ消えてしまったら
忘れたことも忘れてしまえば
全ては無かったことになるのだろ

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私史 その転換点

車と悲しみ
壁に描かれた男性器のグラフィティ

買えないから悲しい
グラスに浮かんだ金魚たち
カラカラと揺れている

ミントの混じった湯気が鼻腔を通って
中枢に私を刻みつけている

枢軸時代があるとするならば
それは出逢いの瞬間なのでしょう

ころころとふりつくゆきのなかを
あるくかぜのおとがきこえてくる

記憶 忘却 忘却した記憶 忘却された忘却

iPadを買って喜び勇んでいたわたしの

書き溜めたメモ帳が消えてしまった

斜めに降る日差しに悦んでいる電車の中である。

記憶について考える。

忘れたこと、それはかつて覚えいたことを覚えていて、さえ消えてしまったら

忘れたことも忘れてしまえば全ては無かったことになるのだろうか

失われた人間たちは記憶の海流の中を漂って暗闇へと落ちていくのだ

どうしても耐えられなかった記憶があったとしたら

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ハンブルク見下ろす天使について

夕陽が「俺は美しいだろう」とこれ見よがしに黄金みたいな光を投げかけてくる。太陽は女だなんてこの辺の奴らはいうがこんな見栄っ張りな女がいてたまるかってもんだ。それをみてよろこぶことはどこかキッチュなことなんだろうか。脇目をふれば昔あったかもなかったかも分からないアポテーケだ。私はなにも知らない。公園がまさらと白い。訳でもなく。どこか暗い道のニュアンス。少女、10歳くらい。マイナス3度のなか外套の前あ

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Un-über-seh-bar

真夜中の部屋でテーブルランプだけをつけている。目が勝手に瞳孔を開いたり閉じたりして視界の明るさを調整している。暗く、明るく、交互にいれ変わる世界。デジタルカメラみたいな音が頭から聞こえてくるかもしてれないと思い部屋の隅とランプを交互に見比べていたら部屋の猫が不思議な顔して丸い瞳をこちらに向けていた。

東の空

知ったこと、あめが降ることゆきが降ることふたつ重なりゆめが降ること

燃やせ、道標を。こぼれたアイスに、祝福を。

多分単純な事実なのだろう。目の前に誰かがいることも。疑うことだけが真理だと 思えていたのは初めて、だけで 考えることは私の営みではなく 私に命じるのです 考えろと 解き明かすことも説明することも虚構だって 世界の創造、発明と発見 生きるとは、逆らうことだ この嘘にも本当があって、悪意にたぶん理由はある。アイスクリームふたつももって、ぼたぼた溢れる視線の先に、子どもが見えてて父の浮遊に、川辺が涼し

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ゆるし

ガラスの割れる音を聴いた気がする

のさばっている幸せ

わたしの目覚め

無限に跳ね続けたピンポン球が貫く

ゴミ箱の中の確かな夢

かけなかったこと、かくのをためらったこと

その全てを殺してわたしはわたしを書いている

放浪の旅でもらった記憶

全部井戸にかくしてしまおう

忘却にともなうその責任

失われた命の中に家族を見る

怒号の中で回り回る経済資本

どぅぅぅうんと夜明け、あなたを待

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火葬

ぼくらは暖かいのになぜ冷たさを想うのだろう
シャンプーの匂いを
無機物の関節

あの子はもう猿ではないけれど
若葉になって帰ってきたよ

斜め上から世界を見てる
伸びた爪先未練を捨てる

繋ぎ止められたアメジスト
夏生まれではない、わたしの

吐き気を催す美しさ
あなたの一部であって
世界の全てでもある

緑を描くとき、オレンジを混ぜるんです
油にあなたの爪を入れて火を入れていました

(詩を書く

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