馬場こうた

排拙文。非文と予測変換でフィクションを書いています。

馬場こうた

排拙文。非文と予測変換でフィクションを書いています。

最近の記事

聖護院に向ける

風景を覚えている 遠くにある 自分が小さくなるようだ 時折白昼夢を見る 目と脳の間、果てしない距離を見ている 永遠に興味がないといえば嘘になる ミスチルの歌うことは嫌いだ ミスチルの歌はいい 善悪と美醜は違うと思う 今日は日差しが柔らかかった とても晴れやかな朝でさ 他人を見てみるよ ある人は投資信託を始めていて ある人は生きてたい場所にやってきて ある人はミュージシャンやっててさ ある人はワーホリして会社に入ってさ ある人はもうすぐ帰らなきゃならないって ビット

    • 不在

      夢 を 散 歩 し た こ と 太 陽 が 昼 休 憩 か ら 戻 っ て く る と き 告 げ 口 を し て お い た 木 漏 れ 日 が 一 人 歩 き し て た こ と き み に 言 い た か っ た な ボ | イ ン グ 蜻 蛉 み た い に と ん で い く 見 上 げ る 大 人 も 子 ど も み た い ね

      • しと追憶

        雁たちのゆく あなたのいた空 添削するみたいだ 手書きの文字を注意深く飛ぶ

        • 断片

          しになれなかった言葉たち 聞いたか、郷愁は死んだらしい 戦場であいつは悟りを開いたらしく ヒースレジャーよろしく ダイナマイトで病院を吹き飛ばした! 本当の名前もあったらしいが 俺たちには必要ないんだとよ 追憶は必要だってのにな 「果てしない」を指す単位があって 「わからない」を指す名前があって 知性は自己中なんだと思う 黒を探そう 真夜中を束ねたみたいな黒い黒を ほろ酔いで電車が止まる 壊れた掲示板夜中の3時に愛しく無意味だ 太陽が卵を焼いたのでもう目玉は入りま

          記憶、電車

          四年振り生まれた国を訪れて見知らぬ街へ行こうとしてる 書き溜めたメモ帳が消えてしまったiPadの裏切りと斜めに降る日差しに悦んでいる(Freude)電車の中である。ひとりだ(Ohne Freunde)。 記憶について考える。 忘れたこと、それはかつて覚えていたことを覚えていて 覚えていたことを覚えているその記憶さえ消えてしまったら 忘れたことも忘れてしまえば 全ては無かったことになるのだろうか 泡沫の人の世であろう、なら 失われた人間たち 彼らは記憶の海流を漂って、

          私史 その転換点

          車と悲しみ 壁に描かれた男性器のグラフィティ 買えないから悲しい グラスに浮かんだ金魚たち カラカラと揺れている ミントの混じった湯気が鼻腔を通って 中枢に私を刻みつけている 枢軸時代があるとするならば それは出逢いの瞬間なのでしょう ころころとふりつくゆきのなかを あるくかぜのおとがきこえてくる

          私史 その転換点

          記憶 忘却 忘却した記憶 忘却された忘却

          iPadを買って喜び勇んでいたわたしの 書き溜めたメモ帳が消えてしまった 斜めに降る日差しに悦んでいる電車の中である。 記憶について考える。 忘れたこと、それはかつて覚えいたことを覚えていて、さえ消えてしまったら 忘れたことも忘れてしまえば全ては無かったことになるのだろうか 失われた人間たちは記憶の海流の中を漂って暗闇へと落ちていくのだ どうしても耐えられなかった記憶があったとしたら 幸せなのは忘れてしまうことだろう 嬉しい記憶にとって 幸せなのはきっとそ

          記憶 忘却 忘却した記憶 忘却された忘却

          ハンブルク見下ろす天使について

          夕陽が「俺は美しいだろう」とこれ見よがしに黄金みたいな光を投げかけてくる。太陽は女だなんてこの辺の奴らはいうがこんな見栄っ張りな女がいてたまるかってもんだ。それをみてよろこぶことはどこかキッチュなことなんだろうか。脇目をふれば昔あったかもなかったかも分からないアポテーケだ。私はなにも知らない。公園がまさらと白い。訳でもなく。どこか暗い道のニュアンス。少女、10歳くらい。マイナス3度のなか外套の前あけて踏み固められた雪を走る。ボールを蹴る少年ら。足跡から雑草たちが死んでたまるか

          ハンブルク見下ろす天使について

          Un-über-seh-bar

          真夜中の部屋でテーブルランプだけをつけている。目が勝手に瞳孔を開いたり閉じたりして視界の明るさを調整している。暗く、明るく、交互にいれ変わる世界。デジタルカメラみたいな音が頭から聞こえてくるかもしてれないと思い部屋の隅とランプを交互に見比べていたら部屋の猫が不思議な顔して丸い瞳をこちらに向けていた。

          東の空

          知ったこと、あめが降ることゆきが降ることふたつ重なりゆめが降ること

          +4

          ものがなしきものがたり

          ものがなしきものがたり

          +4

          燃やせ、道標を。こぼれたアイスに、祝福を。

          多分単純な事実なのだろう。目の前に誰かがいることも。疑うことだけが真理だと 思えていたのは初めて、だけで 考えることは私の営みではなく 私に命じるのです 考えろと 解き明かすことも説明することも虚構だって 世界の創造、発明と発見 生きるとは、逆らうことだ この嘘にも本当があって、悪意にたぶん理由はある。アイスクリームふたつももって、ぼたぼた溢れる視線の先に、子どもが見えてて父の浮遊に、川辺が涼しく生臭くもあり、水を避けて生きている。所在のなさげに指をコーヒーカップに伝わせて

          燃やせ、道標を。こぼれたアイスに、祝福を。

          +4

          オートポエイシスが終わりを告げた

          オートポエイシスが終わりを告げた

          +3

          バスタブにさよならを

          バスタブにさよならを

          ゆるし

          ガラスの割れる音を聴いた気がする のさばっている幸せ わたしの目覚め 無限に跳ね続けたピンポン球が貫く ゴミ箱の中の確かな夢 かけなかったこと、かくのをためらったこと その全てを殺してわたしはわたしを書いている 放浪の旅でもらった記憶 全部井戸にかくしてしまおう 忘却にともなうその責任 失われた命の中に家族を見る 怒号の中で回り回る経済資本 どぅぅぅうんと夜明け、あなたを待っている われわれはもそこにいた、許されることもなく 痛みが愛しくそして惜し

          火葬

          ぼくらは暖かいのになぜ冷たさを想うのだろう シャンプーの匂いを 無機物の関節 あの子はもう猿ではないけれど 若葉になって帰ってきたよ 斜め上から世界を見てる 伸びた爪先未練を捨てる 繋ぎ止められたアメジスト 夏生まれではない、わたしの 吐き気を催す美しさ あなたの一部であって 世界の全てでもある 緑を描くとき、オレンジを混ぜるんです 油にあなたの爪を入れて火を入れていました (詩を書くノートに読みかけの小説が挟んであって、小説にペンが挟まっている) しおり、しお