マガジンのカバー画像

考えがととのうマガジン

32
状況に合わせて、自分の考えをスムーズに巡らせるための考え方を紹介しています。考え方はたくさんあって、自分に合う合わないものがあります。まるでサプリのようなものです。色々試しながら… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

善意の罠を乗り越えるために、インタビューで使える5つの深掘り質問

善意の罠を乗り越えるために、インタビューで使える5つの深掘り質問

一問一答式のインタビューで、調査協力者がフラットに回答することは難しいものです。多くの場合、調査協力者は自分の意見を言葉にするのが難しいですし、また調査者に配慮して自分の考えを直接的に表現することをためらうこともあります。そのため、インタビューワーとしては、対話を深め、答えを引き出すために積極的に質問をすることが求められます。

具体的な例として、ある新しいアイデアやサービスに対して「良いですね、

もっとみる
相談してきた人の考え方に寄り添う相談の乗り方

相談してきた人の考え方に寄り添う相談の乗り方

私たちには、誰しも誰かからの相談を受けるという経験があります。しかし、相手の感情に共感し、自分の意見を効果的に伝えることは容易なことではありません。そこで今回の記事では、「考え方」に焦点を当て、相談に対応するためのテクニックを解説します。

相談に乗るときに考え方に着目するとは?

相談に対応する際、多くの人は直接的なアドバイスを提供することを考えがちです。しかし、それ以外のアプローチもあります。

もっとみる
あなたの抽象化のクセを知りたいときに使えるラダーリング法

あなたの抽象化のクセを知りたいときに使えるラダーリング法

抽象化の仕方は、人によってかなりの違いがあります。この違いがあることでうまく人に自分の考えを伝えられなかったり、他の人の議論についていけなくなったりします。また、抽象化のトレーニングをしようと思っても、そもそも自分のクセを知らないとうまくできなかったりします。そこで、今回はラダーリングという方法を使って、自分の抽象化のクセを探る方法を紹介します。

ラダーリングとは?ラダーリングは、はしご(ラダー

もっとみる
抽象度のコントロールが難しいと感じるときに使える2つの考え方

抽象度のコントロールが難しいと感じるときに使える2つの考え方

何かについて考えるときに「抽象度をコントロールすること」が難しい、という話を聞くことがあります。私自身も興味をもっているテーマの一つで、抽象度のコントロールが上手くなりたいと思っています。そこで今回は、抽象度のコントロールについて「抽象度を上げる方向性」と「抽象度の段階の刻み方」という2つの視点から考える方法を紹介します。

抽象度を上げる方向性まず「抽象度を上げる方向性」について考えてみます。た

もっとみる
質的なリサーチが重たく感じる時に使える「視点の変え方」

質的なリサーチが重たく感じる時に使える「視点の変え方」

質的なリサーチは、きちんと進めようとすると時間がかかるものです。普段お仕事をするなかでやろうとすると、重たく感じることがあるかもしれません。そういうときに使える視点の変え方を紹介します。

「一つでも学びば得られたらよし」と考える一度のリサーチで核心に辿りつかなければと思うと、重たく感じてしまいがちです。なので、一つでも自分が知らなかったことを学んでみようと思うようにしてみましょう。

また、学び

もっとみる
新しいことに取り組む時に使える、到達目標を段階に分けて設定する考え方

新しいことに取り組む時に使える、到達目標を段階に分けて設定する考え方

新たになにかに取り組むときは不確実さが伴うので、思い描いた通りに目標を達成できることは少ないものです。

そんなときに、段階的に目標を設定するという考え方があります。たとえば、私が講義を組み立てるときは3段階(最低目標、中間目標、最大目標)で目標を設定することが多いです。下位の目標が達成できないと、上位の目標は達成できないという構造を意識して記述します。

たとえば、単純化するために「自分に合う美

もっとみる
仏教の広がりを捉える時に使える、2軸で捉える考え方

仏教の広がりを捉える時に使える、2軸で捉える考え方

仏教には、たくさんの宗派があって面白いものです。一見すると「本当に仏教としてくくっていいの?」と思うぐらい考え方が違うものもあります。今回はその広がりを、利己的と利他的、自力と他力、という2軸で考えてみます。

これは趣味的な解釈(β版)なので、事実とズレている部分があるかもしれません。もし気づいた方がいたら、教えていただいてアップデートできたら良いなとおもっています。

利己的x自力の仏教初期の

もっとみる
グループワークで議論が停滞しそうな時に使える「個人の時間を活かす」テクニック

グループワークで議論が停滞しそうな時に使える「個人の時間を活かす」テクニック

グループで話し合うことで、一人ではたどり着けない発想ができることがあります。一方で、せっかくグループで話し合っているのに「これなら一人で考えた方が良くない?」という場面に出くわすことがあります。今回は、そんな時に、グループでの話し合いをより活かせるようにするための「個人で考える時間を作る」と「構造的に考えをまとめる」という考え方を紹介します。

グループで話し合いをするときは、参加する一人ひとりの

もっとみる
複雑なことを考えるときに使える、ものことを視点ごとに分けて考える方法

複雑なことを考えるときに使える、ものことを視点ごとに分けて考える方法

複雑なものことを考えるときに、すべてを同時に考えることはできません。そこで、どのような視点から考えることが必要か洗い出し、視点同士の関係性を整理したうえで、視点ごとに考えるようにします。

3DCGを描くことを例に挙げてみます。3DCGを描くときは、三面図(平面図、正面図、側面図)といわれる、3つの視点を使って考えたりします(図はNMRIのページ「機械設計のための基礎製図」からの引用です)。

もっとみる
なかなか考えが広がらない時に使える、「なんのため?」に注目して深掘りする考え方

なかなか考えが広がらない時に使える、「なんのため?」に注目して深掘りする考え方

一生懸命考えているのになかなか考えが広がらない、という時があります。そういう時のために、「考え方」を覚えて使えるようにすると捗るものです。

そこで、今回は「なんのため?」に注目する考え方を紹介します。

観光地について考えることを例にとって考えてみます。観光地について調査してみると、観光地に行きたい当事者から「短時間でいける場所が良い」という声があることが分かりました。その発見をもとに「この観光

もっとみる
ニーズを具体的に捉えたい時に、あなたのサービスを必要とする実在する人を考える

ニーズを具体的に捉えたい時に、あなたのサービスを必要とする実在する人を考える

「あなたのサービスを喜んで使う人がいるとしたら、それはどんな人ですか?」と聞いて、具体的な人をパッと答えられることは、サービスを考える上でとても大事です。

サービスを考えるためのレクチャーで受講生の提案を聞いてると「このサービスのユーザーは、このサービスを使う人です」みたいなコメントをもらうことあります。もしくは、「大学生」とか「父親」とかざっくりしたカテゴリで返答がくることもあります。

あな

もっとみる
「これを作ってほしい」といわれたときの効果的な取り入れ方

「これを作ってほしい」といわれたときの効果的な取り入れ方

サービスやプロダクトづくりをする中でインタビューをしていると、お客さまから「これを作ってほしい」と、直接的に解決策の提案をもらうことがあります。大体の場合、確かにそのお客さまが解決策として欲しいものなので、上手く取り入れていきたいと思いますよね。とはいえ少し注意が必要です。

取り入れていくときに大事なことは、なぜその解決策がほしいと言われているのかを詳しく知ることです。たとえば、どういう状況で、

もっとみる
「諸行無常」を構造的に捉える(β版)

「諸行無常」を構造的に捉える(β版)

個人的に釈迦が説いた初期の仏教は「世の中についての考え方」が面白いと思っています。なので、その考え方について私なりに捉えてみる試みをしようと思います。今回は「諸行無常」という考え方について捉えてみます。

諸行無常とは諸行無常とは言葉で説明するとどういうことか、佐々木 閑. NHK「100分de名著」ブックス ブッダ 真理のことば, NHK出版. Kindle Edition, から引用します。

もっとみる
何かを主張をしたい時に使える、「ちょうど良さ」を意識的する考え方

何かを主張をしたい時に使える、「ちょうど良さ」を意識的する考え方

何かを主張したいときは、やった事実に合わせて、ちょうど良い主張をすることが大事です。主張しすぎればどこかに穴が出ますし、主張しなさすぎると魅力が伝わりません。とくに、研究などの成果を報告するときには、この考え方が大事になります。

カレーを例に考えてみる今回は、Aさんが「今まで食べたカレー史上、最も美味しいカレーだ!」といってくれた、という例で考えてみます。このカレーの魅力を誰かに伝えたいと思った

もっとみる