新しいことに取り組む時に使える、到達目標を段階に分けて設定する考え方
新たになにかに取り組むときは不確実さが伴うので、思い描いた通りに目標を達成できることは少ないものです。
そんなときに、段階的に目標を設定するという考え方があります。たとえば、私が講義を組み立てるときは3段階(最低目標、中間目標、最大目標)で目標を設定することが多いです。下位の目標が達成できないと、上位の目標は達成できないという構造を意識して記述します。
たとえば、単純化するために「自分に合う美味しいカレーを作る」ことについて講義をして欲しい、という依頼があったとしましょう。今回の参加者は、調理のスキルは一定あるけどカレーのこと(新しいこと)は知らないとして書いてみます。
最低目標:そもそもカレーとは何か?どう作るか?の知識がある
中間目標:あるレシピに従って、実際にカレーを作ってみれる
最大目標:レシピをアレンジして、自分に合ったカレーを美味しく作れる
このようにすることで、どういう段階を踏んで最大目標を目指すつもりなのかがはっきりしますし、目標ごとに何をする必要があるかも考えやすくなります。関係者とも目線を合わせた議論がしやすくなる効果もあります。他にも、後で振り返った時に、どこまでは到達できたのか、できなかったのか、それはなぜか、などを振り返りにも活用できます。
なお、目標は取り組みを進めるうちに変わることもあります。変更があったときは、どういう事情があって変えたのかを記録して学びにかえます。そうすることで、目標を設定する精度をあげていくことに繋がります。
今回はカレーの作り方を例にしたので不確実さをあまり感じないかもしれません。しかし、もっと複雑なことを教えたり、取り組んだりする場合は、上位の目標にいくほど見込みを立てることが難しくなります。また、もっと段階を分けて目標を書いた方が良い場合も出てきます。見直しや段階は、取り組むことに合わせて変えるようにしましょう。
今回の考え方に関連する手法としてEnabler Framework(参考資料のNo.11 P36〜)があります。今回の考え方はこの手法の一部分を単純化している感じです。興味があれば参考文献に目を通してみてください。
今回紹介した考え方に限らず、良いものは沢山あります。まずは試してみて、自分に合うものを取り入れてみてください。
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