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善意の罠を乗り越えるために、インタビューで使える5つの深掘り質問

一問一答式のインタビューで、調査協力者がフラットに回答することは難しいものです。多くの場合、調査協力者は自分の意見を言葉にするのが難しいですし、また調査者に配慮して自分の考えを直接的に表現することをためらうこともあります。そのため、インタビューワーとしては、対話を深め、答えを引き出すために積極的に質問をすることが求められます。

具体的な例として、ある新しいアイデアやサービスに対して「良いですね、使ってみたい」といった当たり障りのない肯定的な答えが出たとして、単に相手が調査者のことを気遣って善意で言っているだけかもしれません、なので、表面的なもので終わらせないように深掘りしましょう。たとえば、以下のような観点から具体的な事例を求め、深掘りすることができます。

  • 具体的な生活に照らして答えられるか

  • 頻度はどれくらい起きそうか

  • どの程度コストをかけそうか

  • 代替手段として何があるか

  • 代替手段にどんな不満を持っているか

1つ目は、その人の具体的な生活環境やライフスタイルに即してそのアイデアを活用する場面や方法が想像できるかを尋ねてみましょう。例えば、「このアイデアはあなたの日常生活のどの部分で役立つと思いますか?」という質問が考えられます。

次に、そのアイデアを活用する頻度を尋ねてみましょう。これは「このサービスを使う機会はどれくらい頻繁にあると思いますか?」といった質問で具体的な状況を理解するのに役立ちます。

さらに、そのアイデアを利用するためにどれくらいのコストがかかると予想されるかを調べてみると良いでしょう。これは金銭的なコストだけでなく、時間やエネルギーなどの他の種類のコストについても含まれます。「このサービスを使うために、どの程度の時間や費用を投資すると思いますか?」と尋ねることができます。

その他に、そのアイデアの代替手段として、現在どのようなものが存在するかを探ります。「今、この問題を解決するためにどのような手段を使っていますか?」といった質問で、その人がすでにどのような手段を利用しているのか、そしてその手段の限界や欠点は何なのかを明らかにすることが可能です。

また、その代替手段に対してどのような不満を持っているのかを探ることも有用です。例えば、「現在使っている方法について、何か不満点はありますか?」というような質問を通じて、新しいアイデアが解決すべき問題点を具体的に把握することができます。

おわりに

これらの質問を通じて、調査協力者が具体的な事例や詳細を提供できない場合、それはその人が実際にアイデアを使う可能性が低いかもしれません。実際のところ、人々は新しいアイデアやサービスについてポジティブなフィードバックを提供することが多いものですが、それが実際の行動につながるとは限らないからです。

また、調査協力者が答えを探そうとしている、あるいは答えに自信を持っていないように見える場合には、自分の考えを自由に述べてもらうことを励ましましょう。たとえば、「私はあなたがどう考えているかを知りたいので、合っているかや正しいかどうかなど気にせず、あなたの考えを教えてください」と声をかけてみましょう。

このような方法を通じて、インタビューの質を高め、より深い理解を得ることが可能となります。調査協力者が新しいアイデアやサービスに対してどの程度の需要があり、またそれをどの程度現実的に活用することが可能かを探ることができるからです。なるべく具体的に情報を得ることで、アイデアの価値や可能性をより正確に評価しやすくなります。

よかったらぜひ活用してみてください。

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