あなたの抽象化のクセを知りたいときに使えるラダーリング法
抽象化の仕方は、人によってかなりの違いがあります。この違いがあることでうまく人に自分の考えを伝えられなかったり、他の人の議論についていけなくなったりします。また、抽象化のトレーニングをしようと思っても、そもそも自分のクセを知らないとうまくできなかったりします。そこで、今回はラダーリングという方法を使って、自分の抽象化のクセを探る方法を紹介します。
ラダーリングとは?
ラダーリングは、はしご(ラダー)を上り下りするように、抽象度を変えながら検討していく方法です。抽象度のコントロールは自由度が高く難しいので、実務で使う場合には参考のリンクにあるように、はしごの段階をあらかじめ定義しているものが多く見られます。
たしかに特定のジャンルについて考えるときには、はしごの段階をあらかじめ用意されていた方が考えやすくはなります。一方で、自分の抽象化のクセを知りたい場合は不向きです。あえて段階を設けずに自由に考えるようにします。
クセを知るためのラダーリングのやり方
まずはテーマを選ぶ
まず、あなたが考えてみたいテーマを一つ選んでみましょう。考えてみたいテーマなら何でも構いません。どのようなテーマを選ぶかも、自分のクセを知るヒントになります。
ラダーリングをしてみる
次に、選んだテーマについてラダーリングをします。考えたいテーマを中央において、抽象化(ラダーアップ)をしてみたり具象化(ラダーダウン)をしてみたりしましょう。下図のテンプレートに示すように、上下に伸ばすように考えることも、同じ抽象度で横並びになるように考えることもできます。
このテンプレートは、あくまで上下や横並びにラダーリングをするイメージを掴むためのものです。テンプレート通りにそのまま埋めようとするとクセが見えにくくなるので、あくまで自分のやりやすいように伸ばしていきましょう。
また、どのように抽象化をするのか正しいか?もあまり気にしなくて良いです。あくまで自分のクセを知ることが目的です。段階をもっと細かくしたいとかがあれば間に足しても良いですし、これとこれは繋がるなと思えば複数のものを一つに繋げても構いません。
完成させるというよりは自分の思考を素のままに出すイメージで、だいたい10〜15分ぐらいを目安にやってみましょう。
ラダーリングした結果を振り返る
ラダーリングをし終わったら、ラダーリングした結果を振り返ります。以下のようなポイントを見ることで、自分のクセを知ることができます。
ラダーアップ・ラダーダウンの傾向
横並び・上下で考える傾向
ラダーアップ・ラダーダウンの細かさの傾向
設定したテーマの抽象度
書きやすかった・書きにくかったポイント
なお、設定したテーマの抽象度によってラダーリングの傾向も変わります。たとえば、「チキンカレーライス」などの具体的なテーマなら抽象化(ラダーアップ)の方がやりやすいでしょうし、「幸せな人生」などの抽象的なテーマであれば具象化(ラダーダウン)の方がやりやすいでしょう。そのため、抽象度の高い・低いでいくつかテーマを設定してラダーリングを試してみると、より自分のクセを考察しやすくなります。
おすすめはラダーリングを複数人でやってみること
自分ひとりでも抽象化のクセを考察できますが、複数人で同じテーマについて考えてみることをおすすめします。抽象化のクセをお互いに比較しながら考察しやすくなります。また、チームの相互理解を深めるためのチームビルディングとして活用することもできます。
おわりに
今回は、自分の抽象化のクセを知るために、ラダーリングを活用することをご紹介しました。
抽象化は大なり小なり誰しもがやっていますが、人によって質も違えば個性も出るものです(それが面白いところです)。自分の個性を理解した上で、うまく活かしたり質を高めていきましょう。
なお、抽象度の上げ下げについてはこちらの記事でも解説しています。トレーニングしてみたい人には参考になるかもしれません。よかったらあわせてご覧いただければうれしいです。
世の中には思考をととのえるための考え方がいろいろあります。少しずつ試してみて、自分に合うものを取り入れてきましょう!
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