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抽象度のコントロールが難しいと感じるときに使える2つの考え方

何かについて考えるときに「抽象度をコントロールすること」が難しい、という話を聞くことがあります。私自身も興味をもっているテーマの一つで、抽象度のコントロールが上手くなりたいと思っています。そこで今回は、抽象度のコントロールについて「抽象度を上げる方向性」と「抽象度の段階の刻み方」という2つの視点から考える方法を紹介します。

抽象度を上げる方向性

まず「抽象度を上げる方向性」について考えてみます。たとえば「赤いスポーツカー」を対象にしてみましょう。単語をベースに考えるだけでも「赤いもの」「車」などと抽象度を上げることができます。

他にも、単語自体には表現されていませんが「かっこいいと思うもの」とか「運転を楽しむためのもの」などと抽象度を上げる人もいるでしょう。

このように、どのような方向に抽象化するか捉えるかが大きく変わります。

抽象度を下げるときも同様に方向性を考えることができます。たとえば、「かっこいいと思うもの」の抽象度を下げていくときに、「車」といった物体に着目する人もいれば、色に着目したり人の振る舞いに着目したりする人もいます。

人によって好みの方向性が違うことも多いのです。そのため、抽象度を上げ下げするなかで「同じものを取り上げたけど、私とあなたは全然違った方向から見ていましたね」というのは良く起こります。逆に、「あ、一見全く違うものに着目していたけど、実は同じ方向性で考えていたのね」ということもあります。

抽象度の段階の刻み方

次に「抽象度の段階の刻み方」について考えます。たとえば「赤いスポーツカー」というものの抽象度を上げるときに、「スポーツカー」とするか「車」とするか「移動体」とするかなど、自由に抽象度の段階を選べます。

このとき、一足飛びに抽象度を上げすぎてしまうと、特徴がなくなってしまいますし、逆に抽象度が上がってないと考えを広げることは難しいものです。

順を追って抽象度を上げていく、ということは難しいものです。なので、パっと思いつく抽象化をしてから「間を刻む」という方法が使いやすいでしょう。たとえば、「スポーツカー」と「車」の間ってなんだろうと考えたりします。「運転を楽しむための車」などといえるかも知れません。

他にも、ここで「車」という抽象度で考える必要はあるか?といった考え方もあります。たとえば、「運転を楽しむもの」とすれば、車にこだわらずに発想を広げることもできます。一方で「車から離れすぎだ!」と言われてしまうかもしれません。

検討テーマや参加メンバーに合わせる

抽象度のコントロールにはこれらの自由度があるので、自分が考えたいテーマに上手く合わせることが大事になります。また、チームになると人によって抽象度の上げ下げの方向性も刻み方も多様になるので、より意識的に伝えていかないとズレたまま合わないということが良く起きます。

ズレを防ぐ一つの方法は、相手に何かを伝えるときに、具体的に何の話をしているか、それをどのような抽象度と抽象化の方向性で考えたのか、セットにして明示的に説明することです。

この時、複数の抽象化の方向性を組み合わせて説明することもできます。たとえば、「赤いスポーツカー」は「かっこいいもの&運転を楽しむもの」の組み合わせができることが特徴になるといった具合です。ただし、このような組み合わせ方も自由なので、慣れないうちは難しさを感じるかもしれません。

おわりに

今回は抽象度のコントロールについて「抽象度を上げる方向性」「抽象度の段階の刻み方」についてお話しました。また、「抽象化したものの組み合わせ」という考え方についてお話しました。

抽象度をコントロールすることが難しいと感じている方に、考え方として参考になれば幸いです。世の中には考えるための良い型がいろいろあります。少しずつ試してみて、自分に合うものを取り入れてきましょう。

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