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エッセイ

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記事一覧

腐ったエッセイ

梅雨の日曜日が好きだ。

だって、キラキラした人達の予定が台無しになるから。

予定のないはみだしものの僕にとってはちょうどいい。

TikTokには、胸の大きな女性が踊ってる。ひとつも面白くないのに、ベッドで画面を15分も眺める僕は、この世で1番面白くない。

昨日、直属の上司の異動を報じられた。異動が多い会社だから、2.3年もすれば異動になる可能性がぐっと上がる。きてしまったかと不安になりなが

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ストレンジャー・シングスの魅力を言語化したい

ストレンジャー・シングスの魅力を言語化したい

正義とはいったい何なのだろうか。この問いは僕の永遠のテーマであるのは今も昔も変わらない。でも、このストレンジャーシングスという作品に出会って、正義という難しい議題よりも、友達や家族、恋人といった大切な人たちのために自分を犠牲にできることこそが、身近な正義であり、愛なのだとそう思うことができた。そんな大切なことを気付かさせてくれたこのストレンジャーシングスという作品の魅力を是非とも言語化したい。

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ただの抗議文である

「もっと肉つけろよ」

今日も身体的な難題を人々は何の悪気もなくぶつける。
細い、ガリガリ、ヒョロヒョロ。そんな言葉を浴びなかった年はない。生まれたときはぽちゃぽちゃの可愛い赤ん坊だったのに、僕はものごころがついた頃にはヒョロヒョロの青年だった。
それでも細いからといって何か困ったことがあったわけではない。小学生の頃はクラスで1番足が速かったし、スポーツだって苦手ではなかった。体重は軽くて、力はな

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はじめての化粧

僕は髭が濃い。夕方には鼻の下が青くなる。青髭はこの世で受け入れがたいものとして認定されている。生理的現象で受け入れられないものが多いこの世界はなかなか厳しい世界だ。
この世界で生きていくにはこのまま青髭を野放しにしていくわけにはいかない。

隠すしかない

近くのショッピングモールのロフトでメンズ用BBクリームを購入した。今メンズ用の化粧品の数が増えてきてるらしい。化粧なんて今までしたことがない。

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間がやわらかい

寂しさを埋めるようにstand.fmでライブ配信をする。僕はみんなが集まるような人気配信者ではない。寂しいときに、誰かに話を聞いてもらうだけ。なにも配信アプリはお口が達者な根明人間の為にあるわけではないのだ。

実はだいぶ前からラジオもどきみたいなものをstand.fmでやっている。聞いている人は片手で数えられるくらいだけど、今やその5人くらいも絶滅危惧種に入りそうだ。全部僕が悪いのだけど。

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目的のない旅と文と僕vol.1

先月のシフトが公休が1つ少なかったということから、突如現れた休日。
僕は今、目的もなく東京は新宿行きの小田急線に乗っている。
どこで降りるかも決めていない。降りたくなったら降りるし、降りろ!と言われたら降りるだろう。
iPhone内の全てのミュージックをシャッフルで流して、どんな曲も受け入れるつもりだ。だってもともと自分が入れたものなのだから。
今流れているのは藤井風の旅路。

目的がないなんて悪

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目的のない旅と文と僕vol.2いーはとーぼ

目的のない旅と文と僕vol.2いーはとーぼ

新宿行き小田急線に揺られながら、新百合ヶ丘あたりで、ふと下北沢で降りようと思った。

サブカル色の強い、この下北沢でぶらぶらと散歩する。古着屋がたくさんあるこの街で服のひとつでも買おうかと思ったが、古着屋に入るとセンター分け、柄シャツの男達が多くて、ギャ、俺は下北沢に溶け込む男ではない。寧ろ苦手だ、そう思った。

すると珈琲、音楽の店いーはとーぼと書かれた看板が目に入り、入ってみることにした。

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目的のない旅と文と僕vol.3キューバシャツ

目的のない旅と文と僕vol.3キューバシャツ

いーはとーぼを出た後、せっかくだから古着を買いたいと思った僕は、古着屋を巡ることにした。

ふと、ああ俺キューバシャツが欲しいなと思った。キューバシャツとはポケットが4つと刺繍が特長的なキューバ生まれのシャツだ。キューバに行ったときに買えばよかったのだが、あのときは極限まで荷物を減らしながらの旅だったので買えなかった。お金も持ってなかったし。
下北沢で買うのはどうなんだろうとも思ったが、またいつか

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目的のない旅と文と僕vol.4ソロネタリウム

下北沢を後にして、池袋に向かう。池袋サンシャインシティの屋上にプラネタリウムがある。梅雨の空模様を無視して、人工的な美しい星空を見たっていいじゃないか。

行く前に、一応「プラネタリウム 男 ひとり」と検索する。案の定、男でひとりでプラネタリウムに行くのは変ですか?という質問があった。別に変じゃないですよという、当たり前といえば当たり前の返事とともに、僕はこんなことで安心を手に入れた。

プラ

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目的のない旅と文と僕vol.5タイショウ

目的のない旅と文と僕vol.5タイショウ

目的のない旅も、いよいよ終わりを迎える。下北沢と池袋に行っただけで旅って言うなよって言われるかもしれないけど、間違いなく旅である。この世のほとんどが旅だ。

小田急線は自分の家の最寄りに戻ってきた。

家の近くに、おんどりという居酒屋がある。以前父と2人でお酒を交わしたことのあるこの居酒屋にもう一度行きたいと思った。

誰もいない店内に入ると、お一人様は断られた。その代わりとなりのめんどりに案内さ

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ただのアンガーマネジメント

綺麗なことやいいことばかりを書くような人ではないということはもうバレているのだろうけど、感情のままに、感情を言語化することが大事だと思っているから、たった今起きた「怒り」を言語化したい。

お気に入りのカフェでランチをしていた。ハーブソーセージとトマトのパスタをたいらげて、アイスコーヒーで一息つき、お会計をしている最中に事件は起きた。

くたびれた白いワイシャツの50代くらいのおじさんがおもむろに

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嬉しい

小説を読んだ。

Twitterから始まる恋の話。

すごくすごく、ロマンティックで純愛だった。

なんだか僕は色んなことを誤解している。

仕事も恋も何もかも、もっと世界や人の美しさを見逃さないようにしたい。ありふれたものも、よいものとされないものも、きっともっと美しく感じられる。

この世界は本当はすごく美しいのに、見逃している。もっともっとちゃんと見つけたい。そしてそれを言語化したい。

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マッチングアプリでってのは言わないでくださいね

昨日、職場のパートさんの息子さんと、その子の友達と映画を観に行くという、個人的に激レアなイベントがあった。

息子くんと彼の友達は23歳で僕の二つ下だ。弟気質の強い僕からしたら、珍しく弟分ができた気がして嬉しくて兄貴モードを身にまとった。

お互いmarvelが好きという話から、そしたら今度、映画見に行こうぜと、なんとも突発的な竜巻のようにこのイベントは起こったのだった。

息子くんはこの上なく接

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一人暮らしの男の匂い

ねえ、火花くんさ、部屋干ししてるでしょ?

クンクン…

訳 君くさいね。

不意を突かれたパートさんのその言葉に動揺する。何故なら部屋干しだからだ。自分では全く気付かなかった。自分が臭いなんて認めたくない。柔軟剤だって、香りがするやつだって入れて洗濯している。嫌だ。取り消してくれ。

部屋干し用の洗剤使った方がいいよ。全然違うよ。

え、どれどれ、クンクン

別のパートさんも嗅ぎ出す。

うん。

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