チェリビダッケ&ミュンヘン・フィルのブルックナー作品集12枚組。作曲家の生誕200年を機にリリース。旧EMI盤の再発だが最新リマスターで音質がリフレッシュされた。自分にとって圧倒的な影響を受けた巨匠。若い世代にも支持が広がっているのは嬉しい。常に参照し学ぶべきものがここにはある。
近藤譲「時の形」「撚りⅢ」「二重奏曲」「静物」を収めたLPからの復刻版CD。すっかり気に入って何度も聴いた。1曲目は高橋アキ(ピアノ)と黒岩英臣指揮N響。冒頭からすぐに心を掴まれた。1980年代録音だが、研ぎ澄まされたクールな美しさがある。クレーの抽象画のような懐かしい雰囲気も。
河村尚子の「20-Twenty-」先行試聴盤を聴いた。シューマンに始まり坂本龍一に至る見事な構成のピアノ小品集。「エリーゼのために」「愛の夢」のような有名曲もあれば、ブラームスやフォーレでの凝った選曲も。そのピークはショパンの即興曲第3番。まろやかで大きな音楽に強い感銘を受けた。
アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管によるハイドン後期交響曲集第3集。彼らのベートーヴェンやブラームスと同様、ハイドンもきびきびとした力強い音楽の運びが素晴らしい。いたずらに喚いたり叫んだりせず、にこやかで味わい深い、大人の日常性の音楽。今最も楽しみにしているシリーズの一つ。
WebマガジンONTOMOに毎月3枚の注目新譜を紹介しています。今月は、ロザコヴィッチ&プレトニョフのグリーグ&フランクのヴァイオリン・ソナタ他、ノット&東京交響楽団のマーラー6番、ラトル&ロンドン交響楽団のブリテン作品集。 https://ontomo-mag.com/article/column/hayashida-cd-2024-9/