林田直樹

音楽ジャーナリスト・評論家 1963年埼玉県生まれ。著書「そこには、音楽と言葉があった… もっとみる

林田直樹

音楽ジャーナリスト・評論家 1963年埼玉県生まれ。著書「そこには、音楽と言葉があった」「ルネ・マルタン プロデュースの極意」「クラシック新定番100人100曲」「バレエ入門」他。音楽之友社社外メディア・コーディネーター。インターネットラジオOTTAVAプレゼンター。

最近の記事

【音楽関連書寸評】「イエスが愛した聖女 マグダラのマリア」(マービン・マイヤー、エスター・A・デ・ブール著 藤井留美、村田綾子訳 日経ナショナル・ジオグラフィック社)

あるとき、急に気になった。 マグダラのマリアって何者だ? 聖母マリアとは違う。 バッハの「マタイ受難曲」「ヨハネ受難曲」では、イエスが十字架にかけられる場面、そして墓の場面まで付き従った女性たちの一人として登場する。ユダの裏切りの場面の前に、イエスに香油をかける女性もマグダラのマリアとされている。 ロイヤル・バレエで最晩年のケネス・マクミランが振付した性的暴力の描写がショッキングな作品「ユダの木」では、嫉妬と悪のきっかけとして一人の美しい女性の存在にマグダラのマリアが含意さ

    • 青いからといって避けるのは損!甘くて程よい酸味が食べやすい。いままで食べたミカンの中でもトップクラスですね。冬によくある倉庫で保存してた感は全くなく、フレッシュなもぎたて感が嬉しい。秋の味覚、宮崎の極早生みかん。近くのスーパーで8個299円。すぐに全部食べ切って2袋目を買った。

      • BSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」収録を終えて。ナビゲーターの指揮者・藤岡幸夫さん(右)、テレビ東京アナウンサーの角谷暁子さん(左)と。初めてゲストにお招きいただきました。ヴォーン・ウィリアムズやエルガーなどイギリス音楽をテーマに話が盛り上がりました。放映予定は近日中発表。

        • 瞬間と永遠のしるし、そして人類の墓碑銘――現代美術家・蔡國強の展示を振り返る

          とにかく若い人が多く、活気に満ちている。 音楽業界の側の人間としては、正直、この会場のお客さんが、そのままクラシックのコンサートに来てくれたらどんなにいいだろうと思った。 この夏最も印象に残った展覧会は、「蔡國強(ツァイ・グオチャン) 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる」(国立新美術館、8/21で終了)だった。 現代美術家の蔡國強(1957-)については、世界文化賞の受賞者として名を連ねているほど国際的なステイタスが高いこと、火薬を使ったアートが特徴で、北京オリンピック開会

        【音楽関連書寸評】「イエスが愛した聖女 マグダラのマリア」(マービン・マイヤー、エスター・A・デ・ブール著 藤井留美、村田綾子訳 日経ナショナル・ジオグラフィック社)

        • 青いからといって避けるのは損!甘くて程よい酸味が食べやすい。いままで食べたミカンの中でもトップクラスですね。冬によくある倉庫で保存してた感は全くなく、フレッシュなもぎたて感が嬉しい。秋の味覚、宮崎の極早生みかん。近くのスーパーで8個299円。すぐに全部食べ切って2袋目を買った。

        • BSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」収録を終えて。ナビゲーターの指揮者・藤岡幸夫さん(右)、テレビ東京アナウンサーの角谷暁子さん(左)と。初めてゲストにお招きいただきました。ヴォーン・ウィリアムズやエルガーなどイギリス音楽をテーマに話が盛り上がりました。放映予定は近日中発表。

        • 瞬間と永遠のしるし、そして人類の墓碑銘――現代美術家・蔡國強の展示を振り返る

          【音楽関連書・寸評】「砂男/クレスペル顧問官」(E.T.A.ホフマン著 大島かおり訳 光文社古典新訳文庫)

          特に新刊でなくとも、音楽書でなくとも、音楽に関連する本は片っ端から私はOTTAVAの番組の本の紹介コーナーで扱っている。これは9/15放送分。 ケーニヒスベルクに生まれたドイツの作家エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン(1776-1822)は、クラシック音楽に関心ある人にとって、避けて通れない存在である。 本書は、オッフェンバックのオペラ「ホフマン物語」に出てくる3人の女性、オランピア、アントニア、ジュリエッタについてのホフマンの原作を集めた短編小説集。本書は201

          【音楽関連書・寸評】「砂男/クレスペル顧問官」(E.T.A.ホフマン著 大島かおり訳 光文社古典新訳文庫)

          銀座線1000系特別仕様車。5%の確率でしか出会えないらしい。室内側面予備灯は子供の頃乗った記憶にも鮮明だ。いまはお洒落な飾りに過ぎないが、かつては停車駅の直前ごとに車内が真っ暗になり、この灯だけが強烈な光を放った。昔は古色蒼然たる車両でガタガタ揺れて疾走感がすごかったものだ。

          銀座線1000系特別仕様車。5%の確率でしか出会えないらしい。室内側面予備灯は子供の頃乗った記憶にも鮮明だ。いまはお洒落な飾りに過ぎないが、かつては停車駅の直前ごとに車内が真っ暗になり、この灯だけが強烈な光を放った。昔は古色蒼然たる車両でガタガタ揺れて疾走感がすごかったものだ。

          作曲家・西村朗さんと死について話した日

          2013年9月3日。 当時私がやっていたインターネットラジオ番組「カフェフィガロ」のスタジオで、初めて作曲家・西村朗さんとたくさん話した。 私は西村朗さんの音楽の大ファンだった。 作曲技法が云々というよりも、西村さんの音楽が示している世界観そのものに憧れ、共感していた。何よりも音楽がくねくねと曲がりくねっていて、エロティックかつプリミティブで面白かった。 西村さんは天平勝宝4年(752年)4月9日の東大寺大仏開眼供養会について語った。インドやチベットや中国などアジア全土か

          作曲家・西村朗さんと死について話した日

          【音楽書寸評】「コルトー=ティボー=カザルス・トリオ 二十世紀の音楽遺産」(フランソワ・アンセルミニ+レミ・ジャコブ著 桑原威夫訳 春秋社)

          音楽書をいかに応援するか? ボランティア的に自分がやれることがあるとすれば、このような場で、少しずつでも着々とレビューを書いていくことだろう。 OTTAVAでの自分の番組では、もう10年くらいは毎週ノンジャンルで音楽に関連するものを中心に「本の紹介コーナー」を続けている。そこで扱った本をここでもう一度紹介しておくのも良いかもしれない。 必ずしも新刊とは限らない。 三日坊主にならないように、ゆるゆると。 室内楽の歴史において燦然たる輝きを放つピアノ三重奏団についての伝記本。刊

          【音楽書寸評】「コルトー=ティボー=カザルス・トリオ 二十世紀の音楽遺産」(フランソワ・アンセルミニ+レミ・ジャコブ著 桑原威夫訳 春秋社)

          ドイツ・グラモフォンの音楽配信「ステージプラス」でジョン・ウィリアムズ指揮サイトウ・キネン・オーケストラ(9/5サントリーホール)を視聴。音質もカメラワークも臨場感豊かで、生のコンサートに行ったような満足感。アーカイブも充実している。土曜午前はステージプラスを習慣化したくなった。

          ドイツ・グラモフォンの音楽配信「ステージプラス」でジョン・ウィリアムズ指揮サイトウ・キネン・オーケストラ(9/5サントリーホール)を視聴。音質もカメラワークも臨場感豊かで、生のコンサートに行ったような満足感。アーカイブも充実している。土曜午前はステージプラスを習慣化したくなった。

          夏の札幌出張の記憶。ランチタイムに一人メシするなら、地元のチェーン店「花まる」がお気に入り。気軽に地元の人が食べにくる海の幸でコスパも抜群。写真は、寿司と炉端焼・四季花まる北口店「10種の海鮮丼」税込1300円。柔らかいのとコリっとしたのと食感の異なる2種のイカが特に美味でした。

          夏の札幌出張の記憶。ランチタイムに一人メシするなら、地元のチェーン店「花まる」がお気に入り。気軽に地元の人が食べにくる海の幸でコスパも抜群。写真は、寿司と炉端焼・四季花まる北口店「10種の海鮮丼」税込1300円。柔らかいのとコリっとしたのと食感の異なる2種のイカが特に美味でした。

          JR有楽町駅日比谷口すぐ横の高架下のカフェ&バー「THE STAND」(ザ・スタンド)がお洒落でいい感じ。誰もが通る場所の小さな異次元に、今さらながら気が付いた。一人でエスプレッソを飲んで5分だけホッとするのにはちょうど良い。誰かを誘って30分だけ軽く話すというのもありかも。

          JR有楽町駅日比谷口すぐ横の高架下のカフェ&バー「THE STAND」(ザ・スタンド)がお洒落でいい感じ。誰もが通る場所の小さな異次元に、今さらながら気が付いた。一人でエスプレッソを飲んで5分だけホッとするのにはちょうど良い。誰かを誘って30分だけ軽く話すというのもありかも。

          取材で訪れた名古屋能楽堂にて。総木曾檜づくりの舞台は清新な木の香りが立ち昇る。舞台正面鏡板に描かれているのは、通常の老松ではなく目に鮮やかな若松。地方自治体の能楽堂としては日本最大級の630席。すぐ横の"食楽堂"「蓬左<hosa>」のきしめんも美味。名古屋城正門前の格調高い建物。

          取材で訪れた名古屋能楽堂にて。総木曾檜づくりの舞台は清新な木の香りが立ち昇る。舞台正面鏡板に描かれているのは、通常の老松ではなく目に鮮やかな若松。地方自治体の能楽堂としては日本最大級の630席。すぐ横の"食楽堂"「蓬左<hosa>」のきしめんも美味。名古屋城正門前の格調高い建物。

          オーストリア政府観光局の紹介でエステルハージ財団の人と話す機会があった。ハイドンのパトロンだったこの大貴族は、ハプスブルク家に忠実でハンガリーとのパイプ役も果たした。最近まで続く名門の家柄だったが、現在の宮殿は財団管理。観光にも力を注ぐ。ワイナリーもあり楽天でも購入可能とのこと。

          オーストリア政府観光局の紹介でエステルハージ財団の人と話す機会があった。ハイドンのパトロンだったこの大貴族は、ハプスブルク家に忠実でハンガリーとのパイプ役も果たした。最近まで続く名門の家柄だったが、現在の宮殿は財団管理。観光にも力を注ぐ。ワイナリーもあり楽天でも購入可能とのこと。

          【掲載情報】JBpress連載「林田直樹の劇場から覗く世界」更新。音楽の中の祈りについて。樫本大進&ヴァイグレ指揮読響による細川俊夫のヴァイオリン協奏曲《祈る人》日本初演、チョン指揮東京フィルのヴェルディ「オテロ」を振り返りながら。 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76737

          【掲載情報】JBpress連載「林田直樹の劇場から覗く世界」更新。音楽の中の祈りについて。樫本大進&ヴァイグレ指揮読響による細川俊夫のヴァイオリン協奏曲《祈る人》日本初演、チョン指揮東京フィルのヴェルディ「オテロ」を振り返りながら。 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76737

          「トスカニーニ・ブレンド」というコーヒーがあることを知った。イタリアの大指揮者からとった立派な名に負けない、まろやかな味と香り。門前仲町駅すぐのカフェ「珈琲専門店東亜」にて。創業43年の昭和レトロな建物で2階は食事も可。トーアコーヒーというこだわりの会社が経営。気になる人はぜひ。

          「トスカニーニ・ブレンド」というコーヒーがあることを知った。イタリアの大指揮者からとった立派な名に負けない、まろやかな味と香り。門前仲町駅すぐのカフェ「珈琲専門店東亜」にて。創業43年の昭和レトロな建物で2階は食事も可。トーアコーヒーというこだわりの会社が経営。気になる人はぜひ。

          「祈りと音楽と~音楽書と楽譜のフェア」、銀座教文館3階のギャラリーステラで7/30まで開催中

          7月29日(土)14時~15時半に「音楽と祈り」をテーマにしたトークイベントをさせていただく打ち合わせを兼ねて、銀座教文館3階のギャラリーステラに行ってきたのですが、そこに展開されている音楽書と楽譜の品ぞろえが素敵でした。 良書に囲まれた空間は、それだけで心が洗われます。これこそ、意思を強く持っている書店のいいところだと思います。期間中銀座に来られた方は、ぜひ教文館の3階にお立ち寄りください。キリスト教関係の書籍は芸術書・人文書ともに他に類を見ない充実ぶりです。 なお、こ

          「祈りと音楽と~音楽書と楽譜のフェア」、銀座教文館3階のギャラリーステラで7/30まで開催中