林田直樹

音楽ジャーナリスト・評論家。著書「そこには、音楽と言葉があった」「音響設計家・豊田泰久…

林田直樹

音楽ジャーナリスト・評論家。著書「そこには、音楽と言葉があった」「音響設計家・豊田泰久との対談 コンサートホール×オーケストラ 理想の響きをもとめて」他。音楽之友社社外メディア・コーディネーター。クラシック音楽専門インターネットラジオOTTAVAプレゼンター。

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9/21(土)15時30分より、四ツ谷のジャズ喫茶いーぐるで、「横断的クラシック講座第22回」として、サロンと都市文化をテーマに話します。予約不要。参加費1200円+飲食代金。注目の新譜からも紹介します。ふるってご参加ください。 https://eaglegoto.hatenablog.com/entry/2024/09/07/072818

    • エリーザベト・レオンスカヤの最新録音。ベルク「ソナタop.1」、ヴェーベルン「変奏曲op.27」、シェーンベルク「3つのピアノ曲op.11」「6つの小品op.19」「組曲op.25」をロマン派の延長線上にある耽美的な響きで。あれほどのシューベルトを演奏できる人だからこその名演。

      • チョン・ミョンフン指揮東京フィルのシェイクスピア原作のヴェルディのオペラ「マクベス」演奏会形式(9/17サントリー)。セバスティアン・カターナ(マクベス)とヴィットリア・イェオ(同夫人)が深く豊かな声。各歌手や新国立劇場合唱団も健闘。チョンの指揮は鬼気迫る勢いで悲劇の質を高めた。

        • KAAT「リア王の悲劇」(9/16初日、河合祥一郎訳、藤田俊太郎演出)。底本フォーリオ版はシェイクスピア自身の改訂版で日本初舞台化。無駄なく引き締まった展開。宮川彬良の音楽は大衆的で皮肉の効いた劇中歌が良い。主演の木場勝己は人間の愚かさと哀れさを持ち味の自然で深みある演技で体現。

        9/21(土)15時30分より、四ツ谷のジャズ喫茶いーぐるで、「横断的クラシック講座第22回」として、サロンと都市文化をテーマに話します。予約不要。参加費1200円+飲食代金。注目の新譜からも紹介します。ふるってご参加ください。 https://eaglegoto.hatenablog.com/entry/2024/09/07/072818

        • エリーザベト・レオンスカヤの最新録音。ベルク「ソナタop.1」、ヴェーベルン「変奏曲op.27」、シェーンベルク「3つのピアノ曲op.11」「6つの小品op.19」「組曲op.25」をロマン派の延長線上にある耽美的な響きで。あれほどのシューベルトを演奏できる人だからこその名演。

        • チョン・ミョンフン指揮東京フィルのシェイクスピア原作のヴェルディのオペラ「マクベス」演奏会形式(9/17サントリー)。セバスティアン・カターナ(マクベス)とヴィットリア・イェオ(同夫人)が深く豊かな声。各歌手や新国立劇場合唱団も健闘。チョンの指揮は鬼気迫る勢いで悲劇の質を高めた。

        • KAAT「リア王の悲劇」(9/16初日、河合祥一郎訳、藤田俊太郎演出)。底本フォーリオ版はシェイクスピア自身の改訂版で日本初舞台化。無駄なく引き締まった展開。宮川彬良の音楽は大衆的で皮肉の効いた劇中歌が良い。主演の木場勝己は人間の愚かさと哀れさを持ち味の自然で深みある演技で体現。

          ネット上の誹謗中傷への対処について、音楽やアート関連に強い骨董通り法律事務所の橋本阿友子さんにざっくばらんに話をうかがっています。WebマガジンONTOMOの連載「知識ゼロからわかる!インターネットと音楽についての法律相談室」第7回。 https://ontomo-mag.com/article/column/%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%a8%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%81%ae%e6%b3%95%e5%be%8b%e7%9b%b8%e8%ab%87%e5%ae%a4%e3%80%80%e7%ac%ac7/

          ネット上の誹謗中傷への対処について、音楽やアート関連に強い骨董通り法律事務所の橋本阿友子さんにざっくばらんに話をうかがっています。WebマガジンONTOMOの連載「知識ゼロからわかる!インターネットと音楽についての法律相談室」第7回。 https://ontomo-mag.com/article/column/%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%a8%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e3%81%ae%e6%b3%95%e5%be%8b%e7%9b%b8%e8%ab%87%e5%ae%a4%e3%80%80%e7%ac%ac7/

          今日はさすがに興奮で仕事が手につかない。我が阪神タイガースのまさかの逆転勝ち。奇跡がありうるかも。ちなみに熱狂的な虎ファンだった亡き武満徹さんとは、昔取材したときにタイガースの話で盛り上がったことがある。もし「クラシック音楽猛虎会」を結成するとしたら、永久名誉会長に最適任だろう。

          今日はさすがに興奮で仕事が手につかない。我が阪神タイガースのまさかの逆転勝ち。奇跡がありうるかも。ちなみに熱狂的な虎ファンだった亡き武満徹さんとは、昔取材したときにタイガースの話で盛り上がったことがある。もし「クラシック音楽猛虎会」を結成するとしたら、永久名誉会長に最適任だろう。

          「『わからない』人のための現代アート入門」(藤田令伊著 大和書房)。現代アートの最先端について平易に解説。1980年を分水嶺とする視点もいい。難解さを尊ぶ玄人筋の上から目線の「スノビズム鑑賞」が一般の人々を遠ざける現状をやんわり批判。音楽にも該当する点が多く、とても面白く読んだ。

          「『わからない』人のための現代アート入門」(藤田令伊著 大和書房)。現代アートの最先端について平易に解説。1980年を分水嶺とする視点もいい。難解さを尊ぶ玄人筋の上から目線の「スノビズム鑑賞」が一般の人々を遠ざける現状をやんわり批判。音楽にも該当する点が多く、とても面白く読んだ。

          苔の大森林。ミクロの世界の壮大な風景。国立能楽堂の中庭にて。最近よく能を観に行くようになった。霊的な世界と通じ合おうとする物語、象徴的で洗練された仮面劇。音楽もいい。コマーシャライズされていない素のままの民族音楽、日本中世の貴族社会に由来する静寂をたっぷりと含んだ古楽ともいえる。

          苔の大森林。ミクロの世界の壮大な風景。国立能楽堂の中庭にて。最近よく能を観に行くようになった。霊的な世界と通じ合おうとする物語、象徴的で洗練された仮面劇。音楽もいい。コマーシャライズされていない素のままの民族音楽、日本中世の貴族社会に由来する静寂をたっぷりと含んだ古楽ともいえる。

          近藤譲「時の形」「撚りⅢ」「二重奏曲」「静物」を収めたLPからの復刻版CD。すっかり気に入って何度も聴いた。1曲目は高橋アキ(ピアノ)と黒岩英臣指揮N響。冒頭からすぐに心を掴まれた。1980年代録音だが、研ぎ澄まされたクールな美しさがある。クレーの抽象画のような懐かしい雰囲気も。

          近藤譲「時の形」「撚りⅢ」「二重奏曲」「静物」を収めたLPからの復刻版CD。すっかり気に入って何度も聴いた。1曲目は高橋アキ(ピアノ)と黒岩英臣指揮N響。冒頭からすぐに心を掴まれた。1980年代録音だが、研ぎ澄まされたクールな美しさがある。クレーの抽象画のような懐かしい雰囲気も。

          WebマガジンONTOMOに毎月3枚の注目新譜を紹介しています。今月は、ロザコヴィッチ&プレトニョフのグリーグ&フランクのヴァイオリン・ソナタ他、ノット&東京交響楽団のマーラー6番、ラトル&ロンドン交響楽団のブリテン作品集。 https://ontomo-mag.com/article/column/hayashida-cd-2024-9/

          WebマガジンONTOMOに毎月3枚の注目新譜を紹介しています。今月は、ロザコヴィッチ&プレトニョフのグリーグ&フランクのヴァイオリン・ソナタ他、ノット&東京交響楽団のマーラー6番、ラトル&ロンドン交響楽団のブリテン作品集。 https://ontomo-mag.com/article/column/hayashida-cd-2024-9/

          今日は引きこもり作業。その傍らApple Music Classicalで、バーンスタインが晩年にドイツ・グラモフォンに録音したシベリウス1、2、5、7番とショスタコーヴィチ1、6、7、9番を聴いてた。ウィーン・フィルもシカゴ響もそれぞれ上質で貫禄十分の熱い演奏。巨匠晩年の名盤。

          今日は引きこもり作業。その傍らApple Music Classicalで、バーンスタインが晩年にドイツ・グラモフォンに録音したシベリウス1、2、5、7番とショスタコーヴィチ1、6、7、9番を聴いてた。ウィーン・フィルもシカゴ響もそれぞれ上質で貫禄十分の熱い演奏。巨匠晩年の名盤。

          オルソップ指揮ウィーン放送響(9/8サントリー)。モーツァルト「戴冠式」は角野隼斗が考え抜いた自由なピアノを披露。ベートーヴェン「英雄」はあっさりサクサク進む。いわゆる「感動」系を拒絶したザッハリヒカイト的な演奏として考えればユニーク。どちらもツアーが進むにつれ面白くなるかも。

          オルソップ指揮ウィーン放送響(9/8サントリー)。モーツァルト「戴冠式」は角野隼斗が考え抜いた自由なピアノを披露。ベートーヴェン「英雄」はあっさりサクサク進む。いわゆる「感動」系を拒絶したザッハリヒカイト的な演奏として考えればユニーク。どちらもツアーが進むにつれ面白くなるかも。

          自分で料理を作って食べる喜びは何ものにも代え難い。有元葉子の新著「有元家の『これさえあれば』」(三笠書房)もとても勉強になった。生活者にとって何が必要か、実用的で簡単なことと質が良いことの両立、引き算の美学とシンプルであることの素晴らしさ。この人のレシピは音楽にも通じると思う。

          自分で料理を作って食べる喜びは何ものにも代え難い。有元葉子の新著「有元家の『これさえあれば』」(三笠書房)もとても勉強になった。生活者にとって何が必要か、実用的で簡単なことと質が良いことの両立、引き算の美学とシンプルであることの素晴らしさ。この人のレシピは音楽にも通じると思う。

          二期会「コジ・ファン・トゥッテ」(9/5新国立劇場)。ペリー演出は現代のスタジオを舞台に、歌手たちが楽譜通りの歌から徐々に離れて、モーツァルトの音楽に導かれて自分たちの人生そのものを歌い出す趣向。官能的な恋の喜劇をアルミンク指揮新日本フィルのしなやかで上質な響きが包み込んだ。

          二期会「コジ・ファン・トゥッテ」(9/5新国立劇場)。ペリー演出は現代のスタジオを舞台に、歌手たちが楽譜通りの歌から徐々に離れて、モーツァルトの音楽に導かれて自分たちの人生そのものを歌い出す趣向。官能的な恋の喜劇をアルミンク指揮新日本フィルのしなやかで上質な響きが包み込んだ。

          河村尚子の「20-Twenty-」先行試聴盤を聴いた。シューマンに始まり坂本龍一に至る見事な構成のピアノ小品集。「エリーゼのために」「愛の夢」のような有名曲もあれば、ブラームスやフォーレでの凝った選曲も。そのピークはショパンの即興曲第3番。まろやかで大きな音楽に強い感銘を受けた。

          河村尚子の「20-Twenty-」先行試聴盤を聴いた。シューマンに始まり坂本龍一に至る見事な構成のピアノ小品集。「エリーゼのために」「愛の夢」のような有名曲もあれば、ブラームスやフォーレでの凝った選曲も。そのピークはショパンの即興曲第3番。まろやかで大きな音楽に強い感銘を受けた。

          東京バレエ団60thガラ(9/1NHKホール)。武満音楽、キリアン振付「ドリームタイム」の時空を越えた夢の世界が目的だったが、ベジャールやノイマイヤーらの作品も新鮮に楽しんだ。優美で挑発的な「ボレロ」の上野水香はもちろん、秋山瑛、沖香菜子、宮川新大、柄本弾ら魅力的なダンサーたち。

          東京バレエ団60thガラ(9/1NHKホール)。武満音楽、キリアン振付「ドリームタイム」の時空を越えた夢の世界が目的だったが、ベジャールやノイマイヤーらの作品も新鮮に楽しんだ。優美で挑発的な「ボレロ」の上野水香はもちろん、秋山瑛、沖香菜子、宮川新大、柄本弾ら魅力的なダンサーたち。