1週間で950万再生!トミー・リッチマンの『Million Dollar Baby』が大ブレイク
先日ご紹介した4batzは、今までに数曲しかリリースしていないにもかかわらず、TikTokで大きな話題を呼びました。その結果、ドレイクやカニエ・ウェストなどの有名アーティストとのコラボレーションの機会を得て、全米での知名度を一気に高めることができました。
今回ご紹介するのはTommy Richman(トミー・リッチマン)です。彼もまた、TikTokでの大ヒットをきっかけに、全米シングルチャートに初登場し、2位を獲得しました。今現在もその注目度は非常に高まっています。
ここでは、トミー・リッチマンのこれまでのキャリアと、ヒットまでの道のりについて詳しく解説します。
レーベル : ISO Supremacy, PULSE Records
リリース日 : 2024年4月26日
名前 : Tommy Richman
年齢 : 24歳
出身地 : バージニア州ウッドブリッジ
バージニアの新星:トミー・リッチマンが目指す音楽シーンの未来
トミー・リッチマンはバージニア州ウッドブリッジ出身で、幼少期から音楽に親しんでいました。彼の父親はドラムの先生であり、母親は聴覚障害を持っています。トミーは幼い頃からボイスレッスンを受けるなどして、音楽の世界に深く関わっていました。
バージニア州はファレルやティンバランドといった多くの名プロデューサーを輩出した地として知られています。しかし、トミー・リッチマンは若手アーティストたちが互いに協力せず、分裂している現状を問題視しています。彼は、若手アーティストたちがもっと団結し、協力することで、音楽シーン全体が成長できると感じています。
トミー・リッチマンは10代半ばからSoundCloudやSpotifyで楽曲を発表し始め、2016年にシングル『Ballin' Stalin』をリリースしました。2019年には、70年代ソウルの雰囲気をまとったスローナンバー『Pleasantville』をリリースし、この曲が好評を博したことが彼の転機となりました。この成功を受け、彼は大学を退学し、音楽の道を本格的に探求することを決意しました。
Tommy Richman - Pleasantville (2019)
トミー・リッチマンは幅広いアーティストから影響を受けていると語っています。その中でも特にメタルバンドのモトリー・クルーやリル・ウェイン、50セントなどが挙げられますが、俳優のアンディ・サーキスと元NBAプレーヤーのデニス・ロッドマンには特に大きな影響を受けているようです。
彼は精力的に楽曲を制作し、2022年にはロサンゼルスに移住。そして、自身初となるEP『Paycheck』をリリースしました。このEPには、過去に発表されたロック調のシングル『Game』(2022)や、彼の心地よい歌声とシンセサイザーが特徴的なシングル『Star Girl』(2021)などが収録されています。
Tommy Richman - Star Girl (2021)
その同じ年に、彼は7曲入りのデビューアルバム『ALLIGATOR』(2022)をリリースしました。このアルバムには、ハイパーポップ調の「WURTH」や、シンセサイザーが印象的な「LATENITE2REMEMBR」などが収録されています。さらに、メロディックでオルタナティブR&Bの要素を持つ「ELECTRIFY TONIGHT」も収められており、彼の多彩な音楽スタイルを感じさせます。
このアルバムを通じて、トミー・リッチマンは様々な音楽トラックを取り入れ、実験的なアプローチを展開しています。これにより、彼の音楽の幅広さと新たな魅力を引き出すことに成功しています。
Tommy Richman - ELECTRIFY TONIGHT (2022)
ブレント・ファイヤズのサポートで新境地へ
2023年、トミー・リッチマンはシンガーのBrent Faiyaz(ブレント・ファイヤズ)と出会い、彼のレーベルISO Supremacyと契約を結びました。ブレント・ファイヤズは、ドレイクとの共演やセカンドアルバム『Wasteland』が全米チャートで2位を獲得したことで知られるアーティストです。
ISO Supremacyは2023年5月に設立された新しいレーベルであり、トミー・リッチマンはこのレーベルと契約後、ブレント・ファイヤズのツアー『F*ck The World, It's a Wasteland』でオープニングアクトを務めました。トミー・リッチマンは、この素晴らしい機会を与えてくれたブレント・ファイヤズとレーベルに深く感謝していると語っています。
さらに、ブレント・ファイヤズが2023年に発表したミックステープ『Larger Than Life』には、トミー・リッチマンがゲストとして参加した曲『Upset』が収録されています。この曲では、トミー・リッチマンがブレント・ファイヤズに劣らない歌唱力を披露し、楽曲に良いアクセントを加えています。
Brent Faiyaz feat. Tommy Richman & FELIX! - Upset
驚異のストリーミング数:トミー・リッチマンの名が全米に轟く
2023年9月、トミー・リッチマンはISO Supremacyから初のプロジェクトとなる2枚目のEP『THE RUSH』をリリースしました。そして、2024年4月には、彼の名前が全米中に知れ渡ることとなるシングル『Million Dollar Baby』をリリースしました。
この曲は、リリース前にVHS風のレコーディング風景をTikTokで公開し、その動画が1週間足らずで950万再生を記録するバイラルヒットとなりました。この驚異的な反応により、トミー・リッチマンの名前は一気に全米に広まりました。
このことにより、リリース初週にはアメリカ国内だけで3800万回のストリーミングが記録され、まだ無名だった彼が突如全米シングルチャートで2位に輝きました。Billboardによれば、1958年に全米シングルチャートが始まって以来、チャートでの実績がなく初登場で2位以上を記録したアーティストは他に5組しかいませんでした。
最初にこの偉業を成し遂げたのはローリン・ヒルで、彼女は1998年に『Doo Wop (That Thing)』が1位に輝きました。しかし、それ以前に彼女はFugeesのメンバーとして3曲のチャートインを果たしていました。2番目は、2004年にAmerican Idolで優勝したFantasiaで、彼女の『I Believe』が首位を飾りました。2013年には、Baauerがネットミームとなった『Harlem Shake』で首位を獲得。2016年には、Zaynがソロデビューシングル『Pillowtalk』で1位を獲得しましたが、ローリン・ヒルと同様に、彼もOne Directionのメンバーとして29曲をチャートインさせていました。
トミー・リッチマン以前の最近の例として、昨年の8月にオリバー・アンソニー・ミュージックが、どのランキングでも事前のチャートインした経歴がない中で『Rich Men North of Richmond』で初登場1位を獲得していました。
さらに、『Million Dollar Baby』は早くもSpotifyで1億回以上のストリーミングを記録しており、この大ヒットにより、トミー・リッチマンの楽曲リストはたった1週間で4220万回のストリーミングを達成しました。2週間前には彼の楽曲リストのストリーミング数は合計44.5万回でしたが、その数はなんと約90倍に跳ね上がったのです。
Tommy Richman - MILLION DOLLAR BABY
おわりに
トミー・リッチマンは、今回の成功は素晴らしいチームのおかげで自分が認められ、自分の努力が実を結んでいることにとても感謝していると述べています。
これまでも、多くのアーティストがTikTokなどのSNSを通じて、短期間で多くの人々に名前を知られ、ブレイクを果たしてきました。トミー・リッチマンが『Million Dollar Baby』のタイトル通り、ミリオンを稼ぐアーティストとして輝けるのか、今後の活躍に期待が高まります。
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