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モノローグエッセイ

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日々を生きていて体験したことやふと考えたことをモノローグのように残したいエッセイです。
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#創作

【モノローグエッセイ】オーディションキョウソウキョク

【モノローグエッセイ】オーディションキョウソウキョク

稽古場。
A、B、Cがいる。

A:私、受けるのやめようかな

B:え、本気で言ってるの?何で?

A:だって、やっぱ事務所入ってないと勝ち目ないでしょ

B:そんなの関係無いよ、オーディションなんだから

A:それはあんたは所属してて、 (対面審査で)見てもらえるからでしょ、フリーはフリーってだけで舐められるんだよ、それにプリンシパルは客寄せパンダが取ってっちゃうし

C:たしかに…それはあるか

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【モノローグエッセイ】悪口専門店

【モノローグエッセイ】悪口専門店

"悪口は、娯楽となり得るか"

現代。日本。
古びた造りのアパートの4階。その一室。
ドア上部の【インターンホンを押さずに、時間になりましたら中にお入りください。】という文字を見て、三苫はドアを開けて部屋の中に入る。

三苫:こんにちは…

蕪木:いらっしゃい。えーと…お名前は?

三苫:あ、18時に予約の、三苫です。

蕪木:三苫さん、ようこそいらっしゃいました〜、そこ座って

三苫:はい(だが

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【モノローグエッセイ】懺悔室のモノローグ

【モノローグエッセイ】懺悔室のモノローグ

懺悔室に1人の人間が入っていく。

…神父様、告白に参りました…。私の話を、どうか聴いてください。(少し言い淀むが、意を決して)…昨日のニュースで、こんなものがあったのご存知ですか?20代の女性が自殺したニュース。放送では濁してましたけど、SNSでは職場でのいじめとハラスメントが原因だったって暴露されていて、ネットは炎上していました。ここ最近、そういう理由で自ら命を絶ってしまう方が多いですよね。ニ

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【モノローグエッセイ】たのしみ(令和改造版)

【モノローグエッセイ】たのしみ(令和改造版)


楽しみは春の桜に、秋の月、夫婦仲良く三度食う飯

そして、一人愛でるいつも尊い俺の推し

おあとがよろしいようで。

あとがき

楽しみは春の桜に、秋の月、夫婦仲良く三度食う飯

は、五代目市川團十郎がつくった狂歌。

今年は演技の勉強に、月に一度落語を見に行く習慣をつくっているのですが、

この前見に行った寄席で、まくら(落語に入る前のアイスブレイクのようなトーク)に十三代目市川團十郎の襲名披

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【モノローグエッセイ】歩くのが速い女

【モノローグエッセイ】歩くのが速い女

画家×マフィアものの話が書きたくて、長年温め続けている創作作品がある。
「パレット×バレット」というタイトルと、マフィアのコードネームが画家の名前で、ゴッホとゴーギャンがコンビを組んでいて、2人が所属している「印象派ファミリー」のファーザー(ボス)はクロード・モネというコードネームの女性というところまで決まっていて、ストーリーだけが始まっていない。
だけど、登場人物にこういう台詞を言ってほしいなぁ

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【モノローグエッセイ】「私たちは何だって手に入れられる」

【モノローグエッセイ】「私たちは何だって手に入れられる」

※ビックガールとは、彼女の愛車兼住まい。

頭の中で構想を練っているソングサイクルミュージカルのラストナンバー前に入れる予定の台詞。
今年出会った、インタビュー記事をまとめた本の中にあったこの回答が、私は舞台上の台詞としても成立するくらい良い言葉だなぁと思ったので、まるまる台詞にした。(本当に上演する時はちょっと変えなくちゃだけど。)本とか、人と話をする中で、出会って感銘を受ける言葉は台詞としても

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【モノローグエッセイ】独裁者のスープのモノローグ

【モノローグエッセイ】独裁者のスープのモノローグ

☆彼の作ったスープを飲んで、美味しいと思ったら、私も独裁者になるのかしら?

第1稿

お昼を少し過ぎた時刻。
晴れ。やや曇り。空気は乾燥している。
列車の個室席。自由席で、座席内部は、ウッド調の空間で、緑のベルベット地のソファに、開閉ができる窓、内側から鍵がかけられる扉があり、扉の窓には座席番号表記がある。座席の頭上には荷物を収納できるスペースがある。
既に一人の乗客が座っている。乗客は堅苦しく

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