【モノローグエッセイ】たのしみ(令和改造版)
楽しみは春の桜に、秋の月、夫婦仲良く三度食う飯
そして、一人愛でるいつも尊い俺の推し
おあとがよろしいようで。
あとがき
楽しみは春の桜に、秋の月、夫婦仲良く三度食う飯
は、五代目市川團十郎がつくった狂歌。
今年は演技の勉強に、月に一度落語を見に行く習慣をつくっているのですが、
この前見に行った寄席で、まくら(落語に入る前のアイスブレイクのようなトーク)に十三代目市川團十郎の襲名披露公演を見に行った話をしていた噺家さんがいて、
その後の香盤の噺家さんで、「たらちね」をかけてくれた方が、↑このフレーズを言っていたのが印象的だった。後で調べてみたら、五代目市川團十郎がつくった狂言だということが判明し、さらには本来のくだりでは、『飯を食うのが楽しみだよ、八寸を四寸ずつ食う仲のよさってなあ』という部分を、この市川團十郎の狂歌に変えていたことが分かり、その機転の良さとセンスに舌を巻いた。
(※後に判明したのだけど、元々この市川團十郎の狂歌がくだりになっている場合も「たらちね」にはあるらしい。いずれにせよ、前の噺家さんのまくらを受けて「たらちね」をかけるセンスが痺れるぜ。)
それが、この五代目市川團十郎の狂言と私の馴れ初めなのですが、
これに、令和を生きる私が新たなたのしみを付け加えるとしたら、こうかな?っていうのを大喜利っぽく作ってみたのが前述のそれ。
ごめんね、五代目市川團十郎。ごめんね、成田屋。
この狂言がつくられたのは江戸時代。
たのしみは、時を経て、ヴァリエーション豊かになっていく。
大勢でも、二人でも、おひとり様でも楽しいものは楽しいんです。
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