水谷元/建築家

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水谷元/建築家

水谷元建築都市設計室主宰,書籍等:地方で建築を仕事にする(学芸出版)臨海住宅地の誕生(新建築社)現在知Vol1(NHKブックス),日本建築学会 2018年-2019年 建築雑誌編集委員,九州大学「都市建築コロキウム 」2020年前期非常勤講師,島暮らしの猫好き。

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記事一覧

体験と知識の並列化

能古島に拠点を置いて活動していると、行楽地で利便性も高いことから、全国から友人知人が訪ねてくれる。それに甘えているわけではないが、こちらから出向くということが仕…

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加速度的な体現の感覚

仕事でもプライベートでも、目の前の問題を解決するために考え事をしてしまうことは多い。しかし、考えれば考えるほど問題を複雑にするばかりで一向に解決に向かうこと気配…

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風景の採集、日常の豊かな風景

「建築は内部から検討する」と誰が言っていたのか思い出せないが、建築を構想の取り掛かり方は、最終的にすべてを決定するといっても過言ではないほど重要である。大きなカ…

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梅雨の心象風景と、その源

デスクワークで忙しい日でも、毎日必ず一度はデスクから離れて近所を散歩するようにしていると、季節の変化に敏感になる。 特に能古島は身近に動植物の息吹を感じるし、博…

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dot architects『POLITICS OF LIVING』/TOTO ギャラリー間

dot architectsと家成俊勝さんと赤代武志さん5月18日からギャラリー間(以下ギャラ間)で始まった”ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学”のレセ…

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福岡の小規模複合施設のコンバージョン③

新築とは異なる改修工事の難しさリノベーション(改修工事)は、設計も工事も新築よりずっと難しい。いちから構想可能な新築工事の場合、金銭的条件、法的条件、敷地条件さ…

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能古島の都会的風景ーGWの過ごし方

 個人事業主で独身ということもあり、必要な時に有給を取ったり、出張そのものを旅や友人知人との再会としているため、ゴールデンウィーク(以下GW)に遠方に出掛けること…

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【アートのラジオ #149】建築から考えるこれからのライフスタイル

この動画はマガジンを購入した人だけが視聴できます。
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福岡の小規模複合施設のコンバージョン②

3つの建物をひとつの施設に認識してもらうための工夫商業的な施設の場合、建築はメディアの役割を担う必要がある。オーナーが所有する3つの建物は、木造アパート、鉄骨の…

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【アートのラジオ #95】サイトスペシフィック福岡建築 後編

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【アートのラジオ#94】 サイトスペシフィック福岡建築 前編

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福岡市立平尾霊園合葬式墓所

2019年に福岡市で行われた建築設計プロポーザルで選定された木下昌大さんの主催するキノ・アーキテクツの設計による合葬式墓所。 私も応募した建築学会九州支部主催による…

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2022年度建築九州賞「島の家 001」 2次審査プレゼンリハーサル

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「言語」と「強い建築」

表現の世界には作品の世界観を創る「言語」がある。映画やアニメ作品などの映像作品が分かりやすい。ひと目見て「この作品だ!」だと鑑賞者に理解させたり、作品の世界を体…

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福岡の小規模複合施設のコンバージョン①

相続をきっかけに福岡に帰省福岡市中央区白金に位置する小規模な複合施設のコンバージョンの計画。 友達の小さなBARの設計を手掛けたことをきっかけに親しくなった福岡市…

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季節の変わり目と啓蟄の作用

春・夏・秋・冬…はっきりとした季節よりも、その間、季節の変わり目が好きだ。 特に二十四節気でいう啓蟄※1の季節は、生き生きと芽吹いてくる草花の様子にこちらも共鳴…

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体験と知識の並列化

体験と知識の並列化

能古島に拠点を置いて活動していると、行楽地で利便性も高いことから、全国から友人知人が訪ねてくれる。それに甘えているわけではないが、こちらから出向くということが仕事以外では少なくなっていることに気がついた。すぐに市街地に出向くことのできるが、「いつでも市街地にいけるから」と能古島の利便性に甘えてはいないだろうか。

旧・atelierHUGE(現・水谷元建築都市設計室)のウェブサイトを開設する際に「

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加速度的な体現の感覚

加速度的な体現の感覚

仕事でもプライベートでも、目の前の問題を解決するために考え事をしてしまうことは多い。しかし、考えれば考えるほど問題を複雑にするばかりで一向に解決に向かうこと気配を感じない。

実家や親切のお付き合いで歌舞伎役者とお話をすることが、これまで何度かあり、ある歌舞伎役者から「稽古が本番で、舞台は祭り。」と聞いたことがある。

建築設計の世界にも似たような感覚がある。訪れた街や建築をディテールまで観察した

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風景の採集、日常の豊かな風景

風景の採集、日常の豊かな風景

「建築は内部から検討する」と誰が言っていたのか思い出せないが、建築を構想の取り掛かり方は、最終的にすべてを決定するといっても過言ではないほど重要である。大きなカタチ(ボリューム)から構想する人もいるし、その場所での人間の振る舞いから検討する人もいる。

以前はそこそこの性能のコンパクトデジタルカメラを持ち歩いていたが、最近はiphoneのカメラ性能が非常に優れているので、さらに日常的に写真を撮るよ

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梅雨の心象風景と、その源

梅雨の心象風景と、その源

デスクワークで忙しい日でも、毎日必ず一度はデスクから離れて近所を散歩するようにしていると、季節の変化に敏感になる。

特に能古島は身近に動植物の息吹を感じるし、博多湾の真ん中に位置していることから海と山をパノラマで眺めることができ、広い空には様々な表情を見ることができる。

毎年巡る四季の風景も覚えているようで、実は結構忘れている。その季節が訪れてみて「そうだ、こんな季節だった。」と思い出す。この

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dot architects『POLITICS OF LIVING』/TOTO ギャラリー間

dot architects『POLITICS OF LIVING』/TOTO ギャラリー間

dot architectsと家成俊勝さんと赤代武志さん5月18日からギャラリー間(以下ギャラ間)で始まった”ドットアーキテクツ展 POLITICS OF LIVING ⽣きるための⼒学”のレセプションにご招待頂き、展示の内容を拝見してきた。

大阪の北加賀屋を拠点とした身の丈のまちづくり。毎日の暮らしと活動の延長にシームレスに繋がる、超平面系プロセスの建築。日常的なエンタメが建築に昇華されるまで

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福岡の小規模複合施設のコンバージョン③

福岡の小規模複合施設のコンバージョン③

新築とは異なる改修工事の難しさリノベーション(改修工事)は、設計も工事も新築よりずっと難しい。いちから構想可能な新築工事の場合、金銭的条件、法的条件、敷地条件さえ押さえれば基本的には何を作ろうが自由である。

改修工事の場合、床下や屋根裏などの現地調査が可能でも、いざ工事が始まって解体してみると見えていなかった様々な下地や設備の劣化や損傷が発見される。結果、限られた意匠のための予算は工事開始と同時

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能古島の都会的風景ーGWの過ごし方

能古島の都会的風景ーGWの過ごし方

 個人事業主で独身ということもあり、必要な時に有給を取ったり、出張そのものを旅や友人知人との再会としているため、ゴールデンウィーク(以下GW)に遠方に出掛けることは毎年していない。また、福岡市は観光地としても確立しており、GWに開催される祭り『どんたく』は毎年200万人の動員があることでも有名で、どこに赴いてもたくさんの人でごった返している。

 人の多い場所が苦手で、移動や宿泊費も高額になりがち

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福岡の小規模複合施設のコンバージョン②

福岡の小規模複合施設のコンバージョン②

3つの建物をひとつの施設に認識してもらうための工夫商業的な施設の場合、建築はメディアの役割を担う必要がある。オーナーが所有する3つの建物は、木造アパート、鉄骨のビル、実家の木造家屋とそれぞれ異なった形式で意匠はバラバラだった。異なった形式の建物をひとつの建物として運用していくわけだから、利用する側に新しい白金のカルチャーを発信するひとつの施設として認識してもらうために意匠を統一する必要がある。

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福岡市立平尾霊園合葬式墓所

福岡市立平尾霊園合葬式墓所

2019年に福岡市で行われた建築設計プロポーザルで選定された木下昌大さんの主催するキノ・アーキテクツの設計による合葬式墓所。

私も応募した建築学会九州支部主催による建築九州賞の現地審査のために木下さんが来られるついでに現地をご案内頂けるということでお言葉に甘えた。

少子高齢化による人口減少が進む中、全国的に墓所の需要が増えると同時に、親族との繋がりの無さや核家族化によるお墓の管理不行き届きが日

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「言語」と「強い建築」

「言語」と「強い建築」

表現の世界には作品の世界観を創る「言語」がある。映画やアニメ作品などの映像作品が分かりやすい。ひと目見て「この作品だ!」だと鑑賞者に理解させたり、作品の世界を体験しているかのように引き込むための装置のようなもの。エレメント(要素)などとも言われることもあり、作品世界の構成要素のことを「言語」という。

例えばディズニー映画なら、特徴的なキャラクターデザインとクネクネした独特の動きがディズニー映画と

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福岡の小規模複合施設のコンバージョン①

福岡の小規模複合施設のコンバージョン①

相続をきっかけに福岡に帰省福岡市中央区白金に位置する小規模な複合施設のコンバージョンの計画。

友達の小さなBARの設計を手掛けたことをきっかけに親しくなった福岡市中央区を中心に活動している不動産屋さんからの相談で、2014〜2015年に手掛けることになった計画・設計したコンバージョンの計画。

まずはオーナーさんをご紹介され、現在は東京にお住まいだけどお母さんが他界されて実家とその隣に立つ2階建

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季節の変わり目と啓蟄の作用

季節の変わり目と啓蟄の作用

春・夏・秋・冬…はっきりとした季節よりも、その間、季節の変わり目が好きだ。

特に二十四節気でいう啓蟄※1の季節は、生き生きと芽吹いてくる草花の様子にこちらも共鳴する。

気温が低く安定している年末年始に今年の目標は?と聞かれれば答えることはできても体も頭もどこかハッキリとせずに曖昧に答えてしまうが、春を目前にした季節には気持ちも高ぶり、前向きになる。今年はなにをやろう?どんなことがあるのだろう?

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