マガジンのカバー画像

はがの思想

33
普段考えたこと・感じたことを自由に綴っています。
運営しているクリエイター

#私達

穴だらけの、ほつれだらけの、私達、

穴だらけの、ほつれだらけの、私達、

ずっと自分で作った服に自信が持てなかった。

2畳半の小さな作業部屋で、夢中で作っていても、
完成してみると、なんかパッとしない気がして。

誰かに褒めて欲しくて、写真を送りつけても、
いくらみんなにヨシヨシされても、どこか不安。

それは、本当に服が良いから褒めているの?
それとも、頑張っている私へのお情け?慰め?

メンヘラになっちゃうよねぇ。困ったねぇ。

だから、頑張って作った初めてのリメ

もっとみる
トレモロ・ミルフィーユ

トレモロ・ミルフィーユ

“慮る6日間”と一週間ぶりの“答え合わせ”

それは、今日も変わらず君を想っている証拠で。
こんな関係も、なんだかんだ心地良いと思える。

本当はやり過ごすつもりだった恋人の連絡不精。

君が思っている百億倍、私は連絡を心待ちにして
携帯が鳴るたびに期待して、本当に淋しくて。
それでも強要はしたくないし、喧嘩も嫌なの。

考えれば考えるほど八方塞がりだ。
この涙は、墓場まで持っていこう。そう決めた

もっとみる
おかえりの森

おかえりの森

「芳賀乃森、売り払ったって」

父があまりにもサラッと告げるものだから、
事の重大さに気づくのに1週間もかかった。

曽祖父が村人達から寄贈されて、祖父が管理
していた芳賀乃森を、ついに売却したという。

いつも家族並んで記念撮影していたあの森が、
とうとう無くなってしまった。

❄︎ ❄︎ ❄︎

芳賀乃森。北海道の奥深くに眠る私達の森。

ぴょんぴょん飛び跳ねるうさぎを眺めながら、
その奥には

もっとみる
ゆきのひ

ゆきのひ

「雪奈の誕生日はやっぱり沢山雪が降るね」
ママはリビングの外を眺めてニッコリと微笑む。

私が生まれた日はとんでもない吹雪で、パパは
出産に全く間に合わなかったらしい。

吹雪じゃない誕生日を迎えるのにも慣れてきた。
もう5回目らしいよ。早いもんだね。

23歳は、“温かさ”を分かち合える人になりたい。

この一年は本当に穏やかで、ぬくぬくした日々を過ごしていた気がする。

初めての大阪、初めての

もっとみる