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穴だらけの、ほつれだらけの、私達、
ずっと自分で作った服に自信が持てなかった。
2畳半の小さな作業部屋で、夢中で作っていても、
完成してみると、なんかパッとしない気がして。
誰かに褒めて欲しくて、写真を送りつけても、
いくらみんなにヨシヨシされても、どこか不安。
それは、本当に服が良いから褒めているの?
それとも、頑張っている私へのお情け?慰め?
メンヘラになっちゃうよねぇ。困ったねぇ。
だから、頑張って作った初めてのリメイク服も、
タンスのずっと奥底に、そっとしまった。
❄︎ ❄︎ ❄︎
「まぁ!素敵ねぇ。ファッションショーしてね」
半年ぶりに再会した、世界で一番尊敬する教授が
一目散に言ってくれた。
そうだ、あの頃も毎週褒めてくれてたっけ。
いつまでもクヨクヨ自信の持てない私は、
何度も、先生の言葉に背中を押してもらう。
「その服着てみても良い?ずっと欲しくてさ」
同棲していた彼女が鏡の前でクルクル回りながら
満面の笑みで呟く。
そうだ、普段スカートなんて履かないあなたが、
私の作ったスカートを喜んでくれたあの日から、
もっと頑張りたいって心に誓ったんだった。
ずっとずっと埋まらなかった小さな穴と綻びが、
少しずつ、補修されていく音が聞こえたの。
私たちは、いつだって穴だらけ。
いろんな綻びを纏いながら、前へ進んでいく。
自信のない日も、上手く笑えない日も、今日も、
そんなあなたの穴も超絶可愛いねって、ぎゅっと
抱きしめたい。
そういう穴だらけの私達へゆるやかな戦闘服を、
これからも、ずっと、作り続けたいのです。
大丈夫。もう、十分だよ。
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すぐにお守り戦闘服作るから、待っててね。
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