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Now&Here

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君の喋る言葉の半分は意味がない。今夜、ここには誰もいない…。oh!Yeah‼︎ by 疒教授
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2017年9月の記事一覧

クロスワードパズルを解きながら....。(Live at RainyDayBookstore&Cafe 2010)

クロスワードパズルを解きながら....。(Live at RainyDayBookstore&Cafe 2010)

Now&Here#08 Live at RainyDayBookstore&Cafe
(2010年4月記)

仕事を早めに切り上げ、地下鉄を表参道で
下車して渋谷方面へとしばらく歩く。
骨董通りへ折れると、通りには
高級ブティック店が建ち並ぶ。

通りから少しはずれた住宅地の一角に
Rainy Day Bookstore & Cafeはありました。
まだまだ肌寒い中、開演を待つ観客が
数人入り

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"虹の橋のたもとで…。"

"虹の橋のたもとで…。"

Now&Here#09 (2011年7月記)

ひとけのない 東京駅のプラットホーム。
湿っぽいベンチに腰掛けて
たった今、繰り広げられた
ばかりのまばゆいギグを思い描いていた。

ずっとずっと昔、
独りよがりで根拠のない虚勢だけで
駈けていた頃。
身勝手さと自由をはき違え、
醜い肉体をもてあましていた。

ある時、この世界のまぶしさに
目をふさぎ、耳を凝らしてみると
凶暴で鋭角な光が暗闇の片

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Life is Beautiful.....?

Life is Beautiful.....?

Now&Here#10 (La Vita e Bella) 2012年8月記

どんな芸術家にも描けないような、研ぎ澄まされた青空に
巨大な入道雲が微動だにせずにへばりついている。
突然、陽がかげり 大粒の雨がトタンの屋根を激しく打つ音。
そして雨上がりの世界の夏のにおい。

この一瞬の光に満ちた景色は小さな子どもの頃の記憶に刻まれた、
ある時はひとりぼっちで、ある時は親しい人と過ごした日々の

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ハルナツアキフユ

ハルナツアキフユ

Now&Here#11 (2013年6月記)

ぶ厚い雨雲の遙か上で、
太陽は夏の日差しの支度をして、
月はこの世界の闇を
あぶり出して包み込もうとしている。

誰かの命のありかを語るには
おこがましく、
授かった命をもてあまし、
かけがえのないこの瞬間は、
ただ過ぎ去って行く。

かつて佐野元春はアルバム
「COYOTE」の頂で、
"Show Real"と唄った。

その後、ぼくらは 2011.

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ある晴れた新年のひとコマ

ある晴れた新年のひとコマ

Now&Here#12  (2015年1月のある日)
佐野元春&The Coyote Band
2014Autumn Tour at 渋谷公会堂

柴犬のみどりは今朝はことのほかご機嫌で
しっぽをふりふり、 誰もいない公園の大地を
軽快に踏みしめて時々鼻歌を歌ってる。

冬の空では太陽が青く澄んだ空を低い軌道で
たおやかな旋律を奏で、その片隅では白骨の様な
月のかけらが浮かんでる。

朝起き

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川を渡って月を見た。

川を渡って月を見た。

Now&Here#13 (2015年9月記 旅の途中で見た”紅い月”)

何十年もの間 乗り継いだお決まりの通勤電車。
目的の場所までは、いくつかの川を渡ってたどり着く。

朝、陽の光を乱反射してきらめく川面。
夜、月明かりを揺らしてくたびれた街を癒す。

その窓から見えた世界は限られた小さな小さな世界。
川底では邪悪な光、清らかな闇が 混ざりあい、
こんこんと海へと流れて行く。

気がつくとつり

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Rock&Roll Fantasy

Rock&Roll Fantasy

NOW&HERE #14 (2016年9月記)
Dedicate To community site” CafeBohemia”

「キング・エルヴィスはとうの昔に死んだ。
いつまでもロックンロール・ファンタジーにおぼれて
生きていくわけにはいかない」とかつてレイ・デイヴィスは唄った。
そう、いつだってはじまりは 今ここ なんだ。

プリンスはさびれた宮殿で緻密なビートを紡ぎ続ける。

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In Motion 2017ー変容

In Motion 2017ー変容

NOW & HERE #15  (2017年4月記)

桜がほころび穏やかな日差しが
今年も生真面目に降り注いだ日の夜、
仕事を片付けて渋谷に向かいました。

今だに僕にとっては迷路のような
都心の地下通路をさまよいながら
地上に出ると、そこはエリクトリック
パレードに魅せられた人たちが
幾重もの流れにまかせて確かな
足取りでヒトの足にもつれる
こともなく漂っている。

流れの溜まり場、
スクランブ

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問答無用。浮かび上がる残像に恋い焦がれて.....。

問答無用。浮かび上がる残像に恋い焦がれて.....。

NOW&HERE#16
(佐野元春 & The COYOTE BAND 4th アルバム「Maniju」を聴いて…。)

ギブソン・レスポールのコードカッティングが
目の前の憂鬱な光と優し気な闇の束を切り刻む。

ここに漂う逃げ水のようなグラデーションを
まばゆい光が分断する。
その残骸を吸い込んだ鍵盤が現実のかたちを
なぞる様に揺らぎながら舞い上がる。

目がくらむ。 浮かび上がる残像。

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