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Rock&Roll Fantasy

NOW&HERE #14 (2016年9月記)   
Dedicate To community site” CafeBohemia”

「キング・エルヴィスはとうの昔に死んだ。
いつまでもロックンロール・ファンタジーにおぼれて
生きていくわけにはいかない」とかつてレイ・デイヴィスは唄った。
そう、いつだってはじまりは 今ここ なんだ。

プリンスはさびれた宮殿で緻密なビートを紡ぎ続ける。

立川談志は語った。「現実は正解だ」

佐野元春は唄った。                        「今までの君は間違いじゃない」                   そして「現実は見た目とは違う」

10代、20代、30代そして40代のぼくがとった選択が
今の自分を構成している。

ずっとずっと昔に、ヒト前で今思えば無謀にも
「つまらない大人にはなりたくない」とギターを抱えて
シャウトした。

残念ながら今ではダメダメな烙印は免れず、
自信なんてものは刻々と失われていくばかりだ........。

今,この現実のための身の振り方。

「禍福は糾える縄の如し。」

また誰かが嘘やでっち上げで武装してつまらない威嚇を試みる。
または、ありったけの情熱やでっち上げになりかねない愛情で
目の前の現実に向き合い魂を削って新たな素敵な旋律を奏でて
今にも朽ち落ちそうな君に届くようにと試みる。

刻一刻と消えていく生のかけら。
その確かなすき間のしるしで世界は歪み、変わり続ける。

やつれたしあわせ。しみったれた愛情。しょぼくれたID。

ずっとずっと昔、横浜文化体育館の入口前、
品川プリンス前の雑踏の中、
くわえ煙草でチケットを握りしめていた自分。

何も持っていないがここまでたどり着くだけの
ズル賢さは持ち合わせていた。

この世界はファンタジーをはらんでいる。
ぼくたちはかつて、そして今でもこの世界のそこかしこに
ロックンロールのファンタジーが潜んでいることを知っている。
そしてそのファンタジーが無力ではあるがこの世界を
支えるささやかだが、ヒトが生きていくためのかけがえのない
糧だということを......。

「シュガータイム」が鳴り響き、
「優しい闇」がここに引き戻す。
確かな現実の景色が瞬時に広がる。

景色には聴こえない音があり。
音には見ることが出来ない景色がある。

ぼくは壊れたビートに従って日々益々世知辛くなる
現実を受け入れて眺めてる。

このカフェは佐野元春のビジョンを基軸にして誰もが自由に
大切な言葉を包んだ虹を描こうと試みた素敵な空間でした。

このカフェですれ違った方、声をかけて下さった方、
キーワードに目を留めてくださった方、
MWSのスタッフの皆様、佐野元春さん、
そして気持ちを分けあえられたかもしれない君に、

心からどうもありがとう。

ぼくの人生の中でかけがえのない
時には刺激的で時にはほっこりと出来た空間でのひとときでした。

カフェの窓際にポツンと腰掛けて最後に口ずさむよ、

"いつものやり方で時間を止めて!

Da Da Du Da Du Da Do Dan!!!!”


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