FUKUDA Showhey™

素描画家 / Drawing Artist https://www.instagra…

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素描画家 / Drawing Artist https://www.instagram.com/showheyhyougen/

マガジン

記事一覧

懐かしさ中毒

思い出は、人それぞれの中で、それぞれの意味を持っている。 最近、『懐かしがること』について考えていた。過去の記憶を遡り、その時の情景や言葉や感情を頭の中でリプレ…

うめく。

自分の心をどうにかしたいと思っている時って、大抵心が病んでいる。そういう時って、いつも長い文章を書きたくなる。あと、人の心について色々調べてまとめようとする。と…

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3か月前
4

ドーパミン調整計画

映画『PERFECT DAYS』を公開初日に観て、1ヶ月後に2回目を観た。 随分前の情熱大陸で、画家の石井一男さんの日常が取り上げられていて、そのルーティンライフに衝撃を受…

FUKUDA Showhey™
3か月前
8

自分を知る旅

《ミステリという勿れ》のワンシーン。 放課後の教室で、ぼぅっと窓の外を眺める久能君。大切な人との別れがあった。 その様子を見た天達先生が声をかける。すると、 2…

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4か月前
7

声のない叫びは煙となり

新年あけまして、 こんな災いはひどい。 人々が幸福を祈る最も大切な節目に、 神は元日でも容赦ない。そんな幕開けだった今年。 あれから何だか、心のどこかにモヤモヤか…

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4か月前
1

少女の眼

青い空に入道雲が湧いていた。 コーヒーを買いにコンビニへ行く途中、信号待ちをしていた黒塗りの霊柩車を見かけた。運転席にはマスクをした葬祭場スタッフの男性。助手席…

FUKUDA Showhey™
11か月前

『マグカップ展』 に参加します。

マグマグカップの展示会をします。 マグカップばっっっかりです。 お時間ありましたらぜひ✋ 『Brand New Mug,Brand New Day!』 @KOZENDOギャラリー(MAP) 福岡市中央区…

1

【終了】『KOZENDO Exhibition』

『KOZENDO Exhibition』2023年2月1日(水)〜2月14日(火) グループ展に参加することになりました。 昨年の展示会に出展した作品の続きを出す予定です。昨年の作品を『左景』…

変わること。

散歩をした。 昔暮らしていた家の辺りを歩いていた。 池のほとりにその家はあったが、随分前に取り壊されていて、見る影もない。今日は当時の面影を、その周辺の家や道に…

1

ある地鎮祭と、地域アート。

地域アートの話、の前に、 直接関係のない地鎮祭のお話。 先日、友人の仕事のお手伝いで、地鎮祭の設営に行った。 新しくお家を建てる土地では、安全・安心に暮らしていけ…

願いの先、苦しみの果て。

心から願うことは、その願いに囚われているということ、らしい。 願うこと自体が束縛を生み、願えば叶うまで自分自身を苦しめる。願いが叶ったところで、また次の願いを欲…

4

しゃべる。

喋る事は、伝えるという事。 しかし、伝えるという事は 喋る事だけとは限らない。 言葉を使わずに伝える事。 表情、仕草、態度、佇まい。 それはもはや、伝えるというより…

1

青春に気づいた瞬間。

高校1年生のとき。 合唱コンクールで僕は指揮者を担当した。 男子クラス。野太い声。みんなで一生懸命ブルーハーツの『青空』を歌った。学年予選で敗退し、全校あげての…

9

焚き火。

いつもの仲間と、久々の焚き火会。 揺らぐ炎、蠢く熱を前に 言葉は自然と削ぎとられ、 語らいは濃縮される。 シンプルなものほど、 心に残るものは濃い。

2

サナギ。

私の自転車を寝床に選んだ芋虫。 彼(もしくは彼女)を見つけたのは2週間前。 3日後には立派なサナギになっていた。 その後、 無理に引き離すのは忍びないと思い、 しばら…

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懐かしさ中毒

懐かしさ中毒

思い出は、人それぞれの中で、それぞれの意味を持っている。

最近、『懐かしがること』について考えていた。過去の記憶を遡り、その時の情景や言葉や感情を頭の中でリプレイする。その時に想いを馳せ、その時に意識を浸らせる。それは、ふと目の前に現れた道や山や海、住宅や学校や病院や街、部屋や引き出しやテレビ番組、気温や湿度や天気、朝だったり昼だったり夜だったり、そして写真だったり。思いがけないきっかけで突然リ

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うめく。

うめく。

自分の心をどうにかしたいと思っている時って、大抵心が病んでいる。そういう時って、いつも長い文章を書きたくなる。あと、人の心について色々調べてまとめようとする。ということは、今がまさにそういう時なんだろう。

旧約聖書のひとつに《エゼキエル書》というものがある。ここに登場するエゼキエルは、紀元前6世紀頃のユダヤ人で預言者。彼が神より得た言葉を48章にまとめ、構成された聖書がエゼキエル書とよばれている

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ドーパミン調整計画

ドーパミン調整計画

映画『PERFECT DAYS』を公開初日に観て、1ヶ月後に2回目を観た。

随分前の情熱大陸で、画家の石井一男さんの日常が取り上げられていて、そのルーティンライフに衝撃を受けたことを思い出した。その質素清貧の生活は、ただ単なる地味な習慣ではなく、心の豊かさと力強さを感じさせる。過去に辛い経験もされていて、単純な人生を送っているわけではない。この土台があるからこそ、今、目の前にある些細な出来事に小

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自分を知る旅

自分を知る旅

《ミステリという勿れ》のワンシーン。

放課後の教室で、ぼぅっと窓の外を眺める久能君。大切な人との別れがあった。

その様子を見た天達先生が声をかける。すると、

2人だけの静かな教室で、久能君は思っていることを話す。

少しの沈黙のあと、先生は話し出す。

久能君は先生を見つめる。
先生は元気づけるように、話を続ける。

自分を“探す”旅、ではなくて
自分を“知る”旅。
自分探しと銘打って、ここ

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声のない叫びは煙となり

声のない叫びは煙となり

新年あけまして、 こんな災いはひどい。
人々が幸福を祈る最も大切な節目に、 神は元日でも容赦ない。そんな幕開けだった今年。

あれから何だか、心のどこかにモヤモヤかイライラがうろちょろしているようで。決して晴れ渡った心ではない。自分のことで精一杯ではあっても、報道で被災された方々の呆然と佇む姿や、振り絞って出されている声を目の当たりにすると、つい傍観者になってる自分の愚かさに気づく。「僕は別件で、

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少女の眼

少女の眼

青い空に入道雲が湧いていた。
コーヒーを買いにコンビニへ行く途中、信号待ちをしていた黒塗りの霊柩車を見かけた。運転席にはマスクをした葬祭場スタッフの男性。助手席には、10歳くらいの少女が座っていた。こちらからは顔だけしか見えないほど、少女は小さかった。じっと前方を見て、静かに座っていた。誰が亡くなったのかはわからない。想像もしない。ただ、少女が霊柩車の助手席に座っているその光景に、悲しさや絶望など

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『マグカップ展』 に参加します。

『マグカップ展』 に参加します。

マグマグカップの展示会をします。
マグカップばっっっかりです。
お時間ありましたらぜひ✋

『Brand New Mug,Brand New Day!』

@KOZENDOギャラリー(MAP)
福岡市中央区平尾3-5-9
2023年5月16日(火)~28日(日)
​open 11:00~18:00
*22日(月)は休み​21日、28日(日)は、
リビングコーヒーによる出張コーヒー。

詳しくはホ

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【終了】『KOZENDO Exhibition』

【終了】『KOZENDO Exhibition』

『KOZENDO Exhibition』2023年2月1日(水)〜2月14日(火)

グループ展に参加することになりました。 昨年の展示会に出展した作品の続きを出す予定です。昨年の作品を『左景』とした上で、今回『右景』を只今絶賛描き追われ中です。場所は、福岡市中央区平尾のKOZENDOというできたてのギャラリーです。高宮通り沿いの古民家をリノベーションした落ち着いた空間で、ギャラリーのこけら落とし

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変わること。

変わること。

散歩をした。

昔暮らしていた家の辺りを歩いていた。
池のほとりにその家はあったが、随分前に取り壊されていて、見る影もない。今日は当時の面影を、その周辺の家や道に求めながら歩いていた。

池が、最近埋め立てられているという話を聞いた。見に行くと、池は赤い土で満たされていて既に水分を失っていた。広い空き地となったその場所は、もう思い出の場所ではなくなった。永遠に存在する池だと思っていたが、今はさびし

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ある地鎮祭と、地域アート。

ある地鎮祭と、地域アート。

地域アートの話、の前に、
直接関係のない地鎮祭のお話。

先日、友人の仕事のお手伝いで、地鎮祭の設営に行った。
新しくお家を建てる土地では、安全・安心に暮らしていけるようその土地の神様に願う儀式【地鎮祭】が行われる。神事ということなので、神社関係の方々がやってきて、祝詞やお祓いなどをするのだが、我々はその儀式の準備ということで、テントを張ったり、テーブルや椅子の設置をしたりする。いつものように二人

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願いの先、苦しみの果て。

願いの先、苦しみの果て。

心から願うことは、その願いに囚われているということ、らしい。

願うこと自体が束縛を生み、願えば叶うまで自分自身を苦しめる。願いが叶ったところで、また次の願いを欲してしまう。一遍上人らしい極端な捉え方だけど、わかる気がする。「南無阿弥陀仏と唱えれば、信仰にかかわらずその人は救われる」という究極的な彼の教えをなぞれば、「願う」という「希望ある行為」で先々の変化や維持に期待してしまうよりも、「唱える」

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しゃべる。

喋る事は、伝えるという事。
しかし、伝えるという事は
喋る事だけとは限らない。

言葉を使わずに伝える事。
表情、仕草、態度、佇まい。
それはもはや、伝えるというより
伝わるという 存在・生き方だろう。

そうやって生きている人が、
ポツンと発した言葉に
濃縮された意味が込められていたり、
研ぎ澄まされた価値が含まれていたりして、
聞いた人はそれを自分なりに敷衍(ふえん)し
愉悦に浸る。

芸術以

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青春に気づいた瞬間。

高校1年生のとき。

合唱コンクールで僕は指揮者を担当した。
男子クラス。野太い声。みんなで一生懸命ブルーハーツの『青空』を歌った。学年予選で敗退し、全校あげての本選には行けずに終わってしまった。

ほどなくして僕は長期入院生活に入った。

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一年数か月後の4月初め、学校へ復帰した。留年の為、ひとつ若い学年からの再出発。転校生のような気持ちで突入した。また男

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焚き火。

焚き火。

いつもの仲間と、久々の焚き火会。

揺らぐ炎、蠢く熱を前に
言葉は自然と削ぎとられ、
語らいは濃縮される。

シンプルなものほど、
心に残るものは濃い。

サナギ。

サナギ。

私の自転車を寝床に選んだ芋虫。
彼(もしくは彼女)を見つけたのは2週間前。
3日後には立派なサナギになっていた。

その後、
無理に引き離すのは忍びないと思い、
しばらくそのままにして、様子をみていた。

通勤用でもある自転車の為、乗るときには
名刺サイズの小さなジップロックでサナギを覆い、
風のリスクを最小限に抑えて
一緒に通勤した。

雨の日も、台風の日も、
彼(もしくは彼女)はその殻の中でじ

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