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一日一記

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江草が毎日何かしら考えたことを書く日記みたいなプロジェクトです。 2023年2月から一時的にお休み中でしたが、10月13日より再開します。
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2023年1月の記事一覧

2023年1月振り返りと不定期更新化のお知らせ

2023年1月振り返りと不定期更新化のお知らせ

こないだ「明けましておめでとう」と言ったばかりと思っていたら、あっちゅうまに1月が終わりでございます。早い、早すぎる。ここまで光陰矢の如しとなると、もしかすると来月ぐらいには2024年が来るんじゃないかしら。それではみなさま良いお年を。

というわけで、月末恒例の月間振り返りです。

今月はまあ調子にのって書きまくった月でした。

調子に乗りすぎて反省文まで書いたんですけど、

その後も、結局は数

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すべての道は医療に通ず

すべての道は医療に通ず

noteでやたら社会の話とか、労働の話とか、議論の話とかしまくっていますけれど、ご存知の方はご存知の通り、実は江草は医者を生業としています。

だから、ともすると「医者のくせになんでこんな変な話ばっかりしてるんだ。医学の勉強に集中しろ」と思う方もいるかもしれません。実際、江草はリアルでそういう風に怒られた経験もあります。

ただ、江草としては、医者が様々なものごとに関心を向けるのはそんなにおかしい

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議論でもめがちパターンその2「今までの経験則が通用するのか、今回こそは違うのか」

議論でもめがちパターンその2「今までの経験則が通用するのか、今回こそは違うのか」

というわけで、早速「議論でもめがちパターン」シリーズ第二回目。

今回とりあげるのは「今までの経験則が通用するのか、今回こそは違うのか」です。
これもほんとよくモメモメしてます。

何か問題が生じている時に、その原因を「昔からうまくいってた方法を徹底するのを最近サボってるから」とか「過去の経験則(エビデンス)を無視しているからだ」として「今までうまくいってた方法をちゃんと踏襲するようにすべきだ」と

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議論でもめがちパターンその1「その問題の原因は内にあるか外にあるか」

議論でもめがちパターンその1「その問題の原因は内にあるか外にあるか」

世の中には様々な問題があって、日々あちらこちらで論争が交わされています。残念ながら多くの場合(とくにSNSでは)、議論が平行線であったり噛み合わない状態になったりして、不毛な状況に陥ることが少なくありません。

で、そういう状態を観察していると、具体的に何についての議論かにかかわらず、いつももめがちなパターンというのがあることに気づきました。

今日はそのひとつを紹介してみるコーナーです。

今日

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「各個人が努力して生産性を上げよう」「長く働けば働くだけエライ」の罠

「各個人が努力して生産性を上げよう」「長く働けば働くだけエライ」の罠

昨日「指数関数ヤベえ」という話の一般論を書きました。

ちょうどいい機会なのでその応用編を今日は調子に乗って書いちゃいましょう。

題材は「働き方改革とは何か」について。

「それ指数関数と関係あるん?」と思われるかもしれませんが、関係オオアリなんですよ。

働き方に関して、特に日本社会では「各個人が一層努力して生産性を上げよう」とか「長く働けば働くだけエライ」という考え方が根強くあります。
とこ

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指数関数、それは人類の友であり敵であり

指数関数、それは人類の友であり敵であり

指数関数とどう付き合うか、指数関数をどう御するかが、これまでもこれからも人類の重要課題のひとつであることは意外と広く認識されてなさそうです。

指数関数というのは誰もが学校で習ったはずの「xのn乗」みたいなやつで、「べき乗則」とか「累乗」とか「倍々ゲーム」などとも言われます。

たとえば2のn乗(いわゆる倍々ゲーム)は、御存知の通り
1,2,4,8,16,32,64,128,256,512,102

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「計算」は少子化対策の天敵

「計算」は少子化対策の天敵

先日のメロンダウトさんの記事がさすが面白かったのです。

全体にとても骨太の考察であるのを恐縮ながら江草の雑な理解で勝手に言い換えちゃいますと。

社会が「しっかりと将来安泰に育てられる環境を子どもたちのために用意しよう」という未来主義的なスローガンを言い過ぎると、「後先考えずに衝動的に産みやがって」と言われたりお金が足りなくて十分な生育教育環境を用意できなかったりすることを恐れて、ものすごく準備

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やめられないとまらないnoteかきもん

やめられないとまらないnoteかきもん

江草は反省しています。
何度目だこの話って感じなんですけども、とにかく反省しています。

年始に「ライトに更新します」と言っていたにもかかわらず、気づけば昨日、一昨日と3000字越えのまあまあの重量級の記事を書きあげてしまいました。しかもけっこう濃い味付けのやつ。

いや、予定としてはそうじゃなかったんですよ。Yahoo!とかで見かけた記事の感想をちょちょいのちょいっと書いて、はいおしまい。そうい

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「風呂なし物件」を選ぶ若者の報道に怒り出す人たち

「風呂なし物件」を選ぶ若者の報道に怒り出す人たち

「風呂なし物件」をあえて選ぶ若者が増えているんだそう。

常識的には必要とされてるものをあえて個人的には外してしまう、いわゆるミニマリスト的な発想を感じますね。

まあ、これだけなら「へー」で過ぎ去るだけのトピックなのですが、真に興味深かったのはこの報道に寄せられてるコメントたちです。

たとえば目についたのをピックアップすると。

このように「本当は誰だって風呂は欲しいはずなのだから、これは要す

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少子化対策は人類初の試練

少子化対策は人類初の試練

中国がついに人口減少トレンドに入ったとのこと。

出生率も中国政府の予想以上に急減しているらしく、ついこの間まで人口の増えすぎを警戒して「一人っ子政策」をしていた中国が、今やあっという間に「少子高齢化」の難題をかかえるようになってしまったわけです。
諸行無常と言いますか、あれだけ強力な国家権力を誇っているようにみえる中国ですら右往左往するとなると、人口のコントロールがいかに難しいものなのかがありあ

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変化の激しい世の中ならば好きなことをするしかない

変化の激しい世の中ならば好きなことをするしかない

「変化の激しい世の中」とよく言われます。
いわゆる「VUCA時代」ですね。
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を組み合わせた言葉で、要するに「めっちゃ変化する上にどういう形の変化になるか予想もつかん時代」という意味になります。

ほんとうに変化の激しい時代なのかは人によって賛否が分か

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「文句言うなら対案を出せ」に文句を言うよ

「文句言うなら対案を出せ」に文句を言うよ

「文句ばかり言うな。文句言うならお前が対案を出せ」という定番の批判フレーズがあります。
江草のnoteもあれやこれやに日々文句ばっかり言ってるので、こう思われていてもおかしくなさそうです。

こう批判したくなる気持ち自体は分からないでもないのですが、それでも文句を言う時にいちいち対案を挙げることを要求することは適切ではないと江草は考えています。

これは江草自身がなんだかんだいって診断医のマインド

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「教育格差」を問題視しながら「教育」に興味がない世の中

「教育格差」を問題視しながら「教育」に興味がない世の中

ホモ・ネーモさんが相変わらずの鋭い切れ味の記事を書かれてまして。

世の多くの「教育格差を無くすべき」との主張の背後には「教育機会が与えられたにも関わらず努力しなかった者は低収入の職業についても仕方がない」という職業差別的な前提が隠れているのではないかとの指摘です。

江草もほんと同感です。

多くの場合「教育格差が問題だ」と言いながら、実のところ注目しているのが「収入格差の是正」や「就職競争の公

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もちろん「ゆるい職場」なんてダメで「きつい職場」こそが良いというわけでもない

もちろん「ゆるい職場」なんてダメで「きつい職場」こそが良いというわけでもない

ちょっと自分で「書き足りてなかったなあ」と気になってきちゃったので、今日は昨日の補足説明を。

昨日のnoteで「ゆるい職場」にブルシット・ジョブの香りがすることを書いたのですけれど、だからといってもちろん「ゆるい職場」なんてダメで「きつい職場」こそが良いと言いたいわけではありません。
実を言えば、あえて「きつい職場」を肯定する理路も一応ありえないわけではないのですが、江草個人的には「きつい職場」

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