記事一覧
日本人義肢装具士・ルダシングワ真美さんからの手紙
書店で出会った本が思わぬ大きさで世界を広げてくれることがあります。
私の読書日記によると、この本を購入したのは2019年10月7日の事。棚ざしになっていたこの本が私を呼び止めたような気がしました。そういう本はだいたい当たりなんです。経験に裏打ちされた選本眼には自信があります。そして本当に名著でした。総ふり仮名で子供でも読める、そういう造本になっています。
ある日本人女性が、病気で足が不自由にな
一日必冊 2022年ベストノンフィクション
ベスト小説を出したら、やはり私の得意分野であるノンフィクションもお知らせしなくてはなりませんね。ただ、年末近くになって、すごい作品が次々に上梓されたので、まだ読みきれておりません。近刊のレビューはぜひHONZ の記事をお読みください。『黒い海』、すごいです。
昨年末、各媒体に発表したベスト本は以下の通りです。
ダ・ヴィンチ「BOOK OF THE YEAR」
本読みのプロが厳選!とっておきの今
一日必冊 極私的2022年ベスト日本小説
昨日(2023年1月4日)が第20回本屋大賞第一次投票の締め切り日だったようですね。どんな作品がノミネートされるのか、毎年とても楽しみにしています。
2022年、私が読んだ日本の小説のベスト10を出してみました。とはいえ、小説は70冊くらいしか読んでないし、そもそも手に取るジャンルが偏っており、新人作家、女性作家優先という自分の決まり事みたいなものはあります。結末が腑に落ち読後感の良い作品が好み
一日必冊 「スポーツを見る」ということ
正月恒例といえば箱根駅伝だ。はるか昔、親戚一同が集まって正月祝いをしているなか、テレビは駅伝をうつしていた。何人かは食い入るように見ていて、その中には姑も混じっていた。
2023年の二日、なんとなくテレビを付けたら箱根駅伝が始まったところだった。見るともなく見ていたら、学生連合の選手が飛び出し後続を話していく。目が離せなくなってそのままつけっぱなしにしていた。
年末に、友人が講師をしている駒澤
贔屓のお店(神戸新聞「随想」第4回)
阪神淡路大震災で、夫の両親の家は全壊しました。舅は戦後、自分の母親と妹とともに福井から神戸に出てきて、川崎製鉄の工員となり、小さな家を建てたことを誇りにしていました。その家が目の前で崩れ落ちたことは、彼にとってどれくらいショックだったでしょう。私にとっては感謝してもしきれないお店の物語です。
神戸新聞「随想」連載の4回目です。
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大震災の記憶(神戸新聞「随想」第3回)
阪神・淡路大震災から25年が経ちました。あの時の記憶は、かなり加工されながらも私の脳裏にはっきりと残っています。その思いを神戸新聞の「随想」第3回目につづりました。
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台風15号により甚大な被害を受けた千葉県の様子は、阪神・淡路大震災直後の神戸の街を思い出させた。
1995年1月17日早朝、私の母の電話でたたき起こされ、テレビをつけて驚愕した
川越宗一『熱源』162回直木三十五賞受賞作
大方の下馬評通り、川越宗一『熱源』が直木賞を受賞しました。発売当時からスケールの大きいストーリーが本好きを魅了した作品です。
公明新聞で連載中の「ちょっと気になる」で私も紹介しました。ネットでは読めないようですので、こちらで公開します。
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『熱源』の主人公はふたりいる。
ひとりは樺太(サハリン)生まれのアイヌ、ヤヨマネクフ。後に和人の中で暮らすた