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一日必冊  氏神さまへ初詣

川崎市の北にある自宅近くには大山街道という古い道が通っている。そのせいか、伝承や古来からの儀式が残っている。しかし住み始めて10年くらいはそんなことは全く知らなかった。

2010年ごろ、「オオカミの護符」というドキュメンタリ映画を観た。本の表紙にあるこの黒い犬のお札は畑や商店の店先で時々見ていた。この由来を古くからこの地に住むドキュメンタリプロデューサーが作ったものだ。

驚いた。こんな豊かな歴史があったのか。それを知らずに私はこの上で暮らしていたのか。だから手紙を書いた。この映画の本を作ってくれと。それが実現したのがこの本だ。

川崎市の実家で著者が目にした一枚の護符。描かれた「オイヌさま」の正体とは何か。高度成長期に、小さな村から住宅街へと変貌を遂げた神奈川県川崎市宮前区土橋。古くから農業を営んできた小倉家の古い土蔵に貼られた「オイヌさま」に導かれ、御岳山をはじめ関東甲信の山々へ――護符をめぐる謎解きの旅が始まる。

アマゾンの紹介文

民俗学の本はそれほど話題にならないことが多いが、東日本大震災のあと、足元の歴史に人の興味が集まり、異例のヒットをした本書は今でも売れ続けている。

この本に出てくる一番近い地元の神社が土橋神社だ。急な階段を上った先にある小さな神社だが三が日は人が詰めかける。いつもなら人の減る3日くらいに詣でるのだが、今年は病気平癒を心から願うために1時間半並んで詣でた。御神籤を引くと「大吉」で病は「おそけれどなほる」とある。年末、神戸の生田神社と一緒だ。信じることにする。


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