河伝

やっぱりギターが一番

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やっぱりギターが一番

記事一覧

音楽好き界隈のギスギス、有識者の批評と余波

細田成嗣氏、「にほんのうた」に指摘 みのミュージックこと、みのさんの「にほんのうた」が発売してどれくらいだっただろうか(1ヶ月やそこら)。旧Twitter(現X)でちょっ…

河伝
4か月前
4

みのミュージックの「にほんのうた」を読んだ

みのミュージックを結構見ている 見始めてからどれくらい経っただろうか。最初は「YouTuberがなんか音楽語っとるな」くらいのもんで、「なんぼのもんじゃい」と斜に構…

河伝
5か月前
8

音楽におけるパクリ論争は今となっては不毛かもしれない

音楽においてパクリという言葉は本当にパクっているものより、難癖や野次として用いられる事の方が多いと漠然と思う。確かに似たような音楽はあるといえばある。しかし、…

河伝
7か月前
3

匿名性と、名前に名前っぽくない名詞をつける流れ

思いつきと勢いなので粗勘弁。 M-1グランプリ2023、優勝したのは令和ロマン。お笑いについて語る気はないが、気になったのはこの二人の名前だ。高比良くるま、松井ケム…

河伝
7か月前
3

「traveling」のMVの宇多田ヒカルのリズムの取り方

宇多田ヒカルの「traveling」は子供の頃に音楽番組のランキングでよく目にした映像だ。その頃から気になっていた事があり、最近その理由がわかったような気がした。その気…

河伝
8か月前

君は人のために死ねるか

という曲がある。宮崎駿の映画ではない。 これは杉さまこと杉良太郎さんの曲だ。初めて聴いたのはいつだったろう、結構前だ。改めて聴き返してみると驚いた。すごい変拍…

河伝
10か月前
5

YouTubeからおすすめされる絶妙な音楽たち

YouTubeで音楽を漁る事は多い。取り敢えず「full album」と検索にかけてみる。検索履歴に蓄積された残骸により好みの傾向がある音楽へ誘われる。選んでいるようで選ばされ…

河伝
11か月前
4

音楽のジャンルを分類する際のややこしさ

「あれはロックだ」「いや、ロックではない」、音楽好きの中でよくある会話だ。「いや、本当の音楽好きは〜」とかは勘弁してください。何にせよ音楽をジャンルで括るのは…

河伝
11か月前
3

サブスクを解禁しないアーティスト

サブスクを解禁しないアーティストは一定数いらっしゃる。もちろん解禁してくれた方が便利でありがたい。とはいえ不便だからとむやみにそのスタンスにケチをつける気はな…

河伝
11か月前

ギターにおけるイップス

イップスと言えば野球でよく聞く「ボールの投げ方がわからなくなる」症状だ。当たり前のように出来ていた事が過度な緊張によって出来なくなってしまうという厄介なものだ…

河伝
1年前
5

THE FIRST TAKEのピッチ補正とスレイヤーズのAI疑惑

ピッチ補正が普通になりつつあるものの THE FIRST TAKEがピッチ補正やらで何やら言われているという事を知った。ピッチ補正の件は今年の5月頃の記事が多かったので、その…

河伝
1年前
3

刺青があれば悪人か

偏見と経験則 「偏見」という言葉は悪いイメージで用いられる言葉だ。差別的な物の見方に対して使われる。一方で「経験則」という言葉があるが、これはネガティブなイメ…

河伝
1年前
1

大人が子供に持つイメージ

NHKでマヤ文明をテーマにした曲の歌詞が過激という事で炎上しているらしい。恐らくマヤ文明の子供たちはもっと過激なものを見ただろう。そこまで過去に遡らなくても、現在…

河伝
1年前
2

山下達郎とジャニー喜多川と人間の二面性

発端 松尾潔氏が故ジャニー喜多川氏の性加害問題に触れた事を機に、所属事務所であるスマイルカンパニーとの契約が解除された。世間ではスマイルカンパニーがジャニーズ…

河伝
1年前
6

歌詞について考える

歌詞の内容 「歌詞」とはどのように捉えられているのか。もちろん重要な要素である事に違いない(特にポピュラーミュージックにおいて)。しかし、外国の音楽も普通に聴か…

河伝
1年前
3

日本人にポリコレが響かないのは何故?

ポリコレと言っても人種に関するものと性に関するものがある。一応、最後に少しだけLGBTについて触れるが、この記事では主に人種に関することを書いた。 人種のポリコレ …

河伝
1年前
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音楽好き界隈のギスギス、有識者の批評と余波

音楽好き界隈のギスギス、有識者の批評と余波



細田成嗣氏、「にほんのうた」に指摘

みのミュージックこと、みのさんの「にほんのうた」が発売してどれくらいだっただろうか(1ヶ月やそこら)。旧Twitter(現X)でちょっとした動きがあり、それに呼応するような動きも現れた。「AA 五十年後のアルバート・アイラー」の編集者であり、批評家の細田成嗣さんが「にほんのうた」に疑問を呈したのだ。(以下敬称略)
細田成嗣の書評を見て、自分を恥じた。前

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みのミュージックの「にほんのうた」を読んだ

みのミュージックの「にほんのうた」を読んだ



みのミュージックを結構見ている

見始めてからどれくらい経っただろうか。最初は「YouTuberがなんか音楽語っとるな」くらいのもんで、「なんぼのもんじゃい」と斜に構えながら動画を見始めたのがきっかけだった。

まぁ〜〜〜、詳しいね。その時見た動画は好きなアルバムを語る回とかだった。そこから一目置く事になる。

見始めたちょっと後にキラーコンテンツ「賛否両論」が始まったと記憶している。印

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音楽におけるパクリ論争は今となっては不毛かもしれない

音楽におけるパクリ論争は今となっては不毛かもしれない

音楽においてパクリという言葉は本当にパクっているものより、難癖や野次として用いられる事の方が多いと漠然と思う。確かに似たような音楽はあるといえばある。しかし、そう安易に「ちょっと似てる!パクリだ!」としてしまうのも気が早すぎる。
おそらく音楽を聴けば聴くほど、安易に「パクリだ!」と言えない事に気付くだろう。俺自身、中高生のとき「あれパクリちゃう?」みたいな事は深い考えもなく言っていたような気が

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匿名性と、名前に名前っぽくない名詞をつける流れ

匿名性と、名前に名前っぽくない名詞をつける流れ

思いつきと勢いなので粗勘弁。

M-1グランプリ2023、優勝したのは令和ロマン。お笑いについて語る気はないが、気になったのはこの二人の名前だ。高比良くるま、松井ケムリ。「くるま」と「ケムリ」、どちらもあまり名前に使われる名詞ではない。いや、今となっては言い切れない。
芸人に限らず音楽家にもその類の名前が既にいる。思いついた人だけでも挙げてみると、長谷川白紙、尾崎世界観、小林私、鈴木もぐら、

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「traveling」のMVの宇多田ヒカルのリズムの取り方

「traveling」のMVの宇多田ヒカルのリズムの取り方

宇多田ヒカルの「traveling」は子供の頃に音楽番組のランキングでよく目にした映像だ。その頃から気になっていた事があり、最近その理由がわかったような気がした。その気になっていた事がタイトルに書いてある事だ。
該当のシーンは最初のサビで横からのアングルで後ろに諸々を連れ、音楽に合わせて首を縦に振っているところ。それだけでは普通の事に思えるが、何故か気になった記憶がある。今、凄くフワッと書き始

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君は人のために死ねるか

君は人のために死ねるか

という曲がある。宮崎駿の映画ではない。

これは杉さまこと杉良太郎さんの曲だ。初めて聴いたのはいつだったろう、結構前だ。改めて聴き返してみると驚いた。すごい変拍子なのだ。前々から歌いにくい曲だと思っていたが改めて聴くと、それはもう、予想以上に複雑だった。少なくとも俳優が劇伴で歌う曲の拍子とは思えない。踊らない方の「大捜査線」の主題歌だ。見たことないけど。
基本は4拍子なのだが途中で3拍子にな

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YouTubeからおすすめされる絶妙な音楽たち

YouTubeからおすすめされる絶妙な音楽たち

YouTubeで音楽を漁る事は多い。取り敢えず「full album」と検索にかけてみる。検索履歴に蓄積された残骸により好みの傾向がある音楽へ誘われる。選んでいるようで選ばされている。そしてふと気付けばよく知らない日本のアーティストの作品が何百万再生を記録していたりするのを横目にする。コメント欄を覗けば日本人は少数派だと知る。
個人的にはYouTubeの選曲センスに一定の信頼を置いている。何な

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音楽のジャンルを分類する際のややこしさ

音楽のジャンルを分類する際のややこしさ

「あれはロックだ」「いや、ロックではない」、音楽好きの中でよくある会話だ。「いや、本当の音楽好きは〜」とかは勘弁してください。何にせよ音楽をジャンルで括るのは難しい場合がある。しかしなんで。
もちろんわかりやすくまとめやすい勢力がいるからこそジャンルという分類は成立しているのだけど、音楽はジャンルの枠を跨りながら発展していく事が多いので(というか基本的にそうか)、どうしても跨り中の分類しにくい

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サブスクを解禁しないアーティスト

サブスクを解禁しないアーティスト

サブスクを解禁しないアーティストは一定数いらっしゃる。もちろん解禁してくれた方が便利でありがたい。とはいえ不便だからとむやみにそのスタンスにケチをつける気はない。
サブスク、それらはここ10年、いや5年くらいで広く普及した印象だ。最初はサブスクを解禁していなかった有名アーティストたちもここ2、3年で次々と解禁しだした(漠然とした記憶だけで語っています)。名前を挙げ始めるとキリがない、そう言いな

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ギターにおけるイップス

ギターにおけるイップス

イップスと言えば野球でよく聞く「ボールの投げ方がわからなくなる」症状だ。当たり前のように出来ていた事が過度な緊張によって出来なくなってしまうという厄介なものだ。
自分はギターを弾いているが、過去になりかけた事がある。自分の経験を元にギターにおけるイップスを振り返ってみる。

イップスの発生

おそらくギターでイップスになる人は速弾きの練習をしている人に多いのではないだろうか。自分の場合「地獄

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THE FIRST TAKEのピッチ補正とスレイヤーズのAI疑惑

THE FIRST TAKEのピッチ補正とスレイヤーズのAI疑惑

ピッチ補正が普通になりつつあるものの

THE FIRST TAKEがピッチ補正やらで何やら言われているという事を知った。ピッチ補正の件は今年の5月頃の記事が多かったので、その時に話題になっていたようだ。なぜ今頃知ったのかと言うとKEYTALKのベースボーカルの首藤さんの発言がニュースになっていたからだ。

正直意外だなと思ったのはピッチ補正の認知度の高さだ。この件でコメントする人々の印象は割

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刺青があれば悪人か

刺青があれば悪人か

偏見と経験則

「偏見」という言葉は悪いイメージで用いられる言葉だ。差別的な物の見方に対して使われる。一方で「経験則」という言葉があるが、これはネガティブなイメージでは用いられないし、むしろ良いイメージかもしれない。誰の経験則であるかにもよるが。ちなみにどちらも個人的なものと集団的なものがあるように思う。
偏見と経験則の共通点は、どちらも収集された情報を元に見解を生み出すという点だろう。そこに

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大人が子供に持つイメージ

大人が子供に持つイメージ

NHKでマヤ文明をテーマにした曲の歌詞が過激という事で炎上しているらしい。恐らくマヤ文明の子供たちはもっと過激なものを見ただろう。そこまで過去に遡らなくても、現在もどこかで過激なものと隣り合わせの子供たちがいる。

そんなに繊細でしたか?

先進国の癖なのか治安が良いからなのか子供の見るものに過保護になる傾向があるように思う。しかし、子供の頃を思い出して欲しい。そんなに神経質な子供ばかりではな

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山下達郎とジャニー喜多川と人間の二面性

山下達郎とジャニー喜多川と人間の二面性

発端

松尾潔氏が故ジャニー喜多川氏の性加害問題に触れた事を機に、所属事務所であるスマイルカンパニーとの契約が解除された。世間ではスマイルカンパニーがジャニーズとの関係性の為の忖度をしたと捉えられた。
また、その際に松尾氏はスマイルカンパニー所属の山下達郎氏の名を挙げ、彼も契約解除に賛同しているという事から波紋が広がる事となった。
それに対し、山下達郎氏は自身のラジオで応えた。そこには性加害

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歌詞について考える

歌詞について考える

歌詞の内容

「歌詞」とはどのように捉えられているのか。もちろん重要な要素である事に違いない(特にポピュラーミュージックにおいて)。しかし、外国の音楽も普通に聴かれている事実から考えて「歌詞の内容」というのが音楽において絶対的なものではないという事が伺える。
ラップに至ってはメロディすら希薄だが、その語感の面白さから言っている意味が分からなくても普通に聴けてしまう。
こういう事を言うと「歌詞

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日本人にポリコレが響かないのは何故?

日本人にポリコレが響かないのは何故?

ポリコレと言っても人種に関するものと性に関するものがある。一応、最後に少しだけLGBTについて触れるが、この記事では主に人種に関することを書いた。

人種のポリコレ

映画、ドラマ、ゲーム、アニメ、漫画等の創作に関連して最近よく聞く言葉が「ポリコレ」だ。日本のゲームに関するポリコレがよく論じられているのは、それだけ世界中の人々に親しまれているからだ。
ここで、「世界の価値観に合わせよう」とす

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