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トロフィーなど評価頂いた記事

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#秋の味覚レシピ

晩秋ルッコラのピュレ

晩秋ルッコラのピュレ

一向に寒くならない今年の11月ですが、
雨上がりの朝ならではの、
一面、雨風で散った落ち葉の絨毯。
あたたかい色合いの妙が、
晩秋の風情そのもので、
急ぎ足が はたと止まってしまいました。

春と秋、どちらも短いのが惜しまれますが、
それでも、桜よりは紅葉の方が
少しだけ長く楽しめて嬉しいのです。

そんな晩秋の今週末、
農家の直売所で見かけたルッコラは
日頃目にするハウス栽培のパック入りの、

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残り野菜でいちょうのお寿司

残り野菜でいちょうのお寿司

秋が来た、と言い切れない日が続いていたけれど、
気づけば銀杏並木は色付きはじめ、
ところによってはまるで黄色い炎が立ちのぼるように美しい眺めを楽しませてくれるようになりました。

落葉樹は自分の身を守るために葉を落としてしまうけれど、
その、いらなくなったはずの葉が こんなにも美しいのは、どうしてなんでしょうね。

さて、今夜のごはん作りです。
仕事で煮物用の切れ端野菜ばかりが余ることが多いので、

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生落花生と誕生日

生落花生と誕生日

秋生まれのわたし。
今年の誕生日で、
いよいよというか、ついにというか、
第二の人生の始まりともいうべき、還暦を迎えることになりました。 

還暦は厄年でもあると聞きますが、 
まだ歳をとる前だというのに
ここのところなんだかついていない私。
一つ一つはそれほど大きくないけれど、
あまりに重なるのでいささか凹んでいます。 

思えば昨年も、せっかくの誕生日前に胃を壊し、お祝いの美味しいものもお預け

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新銀杏と秋鮭のひりょうず

新銀杏と秋鮭のひりょうず

秋の味覚、新ぎんなん。
安い時に箱買いしておくと、いろいろ楽しめます。

でも、箱買いしたばかりに、
ぎんなんの塩炒りにハマって止まらなくなりがち。
息子が家にいた頃、秋になるとパクパクと食べ過ぎるのが心配になり、調べたことがありました。

特に子供がたくさん食べると良くないそうです。
あの苦味は子供には苦手とされやすいけれど、
理にかなっているんでしょうね。

適量なら、薬効ありで、
咳止めや頻

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ほっそり秋刀魚

ほっそり秋刀魚

丸々と太った秋刀魚を振り塩で香ばしく焼き、
酢橘と大根おろしをたっぷり添えて。

そんな食後に決まって抱く、幸福と満腹感で満ち足りた思い。
秋になれば当たり前に享受できるものと捉えていました。

それがここ数年、見過ごせないほど痩せて小さくなってしまっている、日本の秋刀魚。

ここでも御多分に洩れず温暖化由来のダメージが起こっていて、秋刀魚の群れが栄養豊富な近海から離れてしまっていたり、
他国が大

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スモーキーな番茶

スモーキーな番茶

ぐんと涼しさが増してきました。
温かいお茶が昨日より美味しくおもえます。

これは奈良の美味しい番茶。
関東の番茶は、普段使いの緑茶なのに対して
京都など西の番茶は、
茶葉を摘み取った後の大きな葉や枝を高温で薫り高く焙煎した、ほうじ茶の一種です。
京都の錦市場などでは
お茶屋さんの数軒前から、この芳ばしい香りにクンクン鼻をくすぐられ、引き寄せられてしまいます。
カテキンやカフェインは減る分、血液

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栗のくれるめぐり

栗のくれるめぐり

明日から10月。なのにまだ真夏日が来るなんて。
そろそろ秋ならではの涼しさが待ち遠しくなってきました。
ようこそ、秋本番。

台風接近のせいか蒸し暑さに、急な雨降り、突風…
こんなきつい気候変動の影響からか
からだの不調を感じてらっしゃる方が多いと聞きます。
かく言う私も9月に入ってから、起き抜けや、車を降りる際に足先が痛みはじめました。
それでも10歩ほど歩いているとなぜか軽快してくるのですが

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魚貝を漬ける。

魚貝を漬ける。

十五夜のお月見、そしてお彼岸を過ぎると、
今年もまたお決まりのように暑さは形を潜め、
朝に晩に、涼しさが増してきました。
夕陽と追いかけっこするように運転しながら帰宅していると、日毎暗くなるのが早まっていくのを感じます。
そうして車窓から夕暮れ空を眺めているうちに
不意に昔のことを思い出したりして。

片付けたい仕事がまだ残っていても、
(ああ、そろそろ保育園や学童保育のお迎えに行かなければ)

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りんごのお酒

りんごのお酒

辛口のシードルの小瓶を、格安でたくさん買えてウキウキが止まらない私。

先日、賞味期限間近のリコッタチーズを198円でたくさん並べていた、
面白い品揃えの酒屋さんで見つけたのです。

都会のおしゃれな街ではありえないような価格がうれしく、
ほくそえみが止まらない変な顔で、
お店の人の気が変わる前に、と
急ぎ足で瓶を抱え、帰ってきました。

シードルはりんごの果汁を自然発酵させた天然果汁100%の弱

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和梨の蜜煮とあったかスープ

和梨の蜜煮とあったかスープ

蝉の声も名残の猛暑もようやく鳴りを潜め、
秋虫の声があちこちで暗闇を彩るように。
これから、日毎に夜が長くなっていきます。

心も身体も軽くなり、
やっとくる秋のお持たせを二種作ってみました。

和梨のコンポート。
1つはシンプルに白ワインとミントの葉で、
もう1つは、実は火鍋の残りものなのですが
ナツメとクコの実に、八角やシナモンなどのスパイスを少しだけまとわせました。

洋梨より風味さっぱりな

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味噌が恋しくなる、秋。

味噌が恋しくなる、秋。

日一日と季節は秋へと歩みを進め、
あれほど空を独り占めしていた入道雲は一斉にどこかへ消え去り、小さくちぎれちぎれで鱗のよう。

エアコンがなければ命に関わるような日々から一転、一晩中かけていると肌寒さで目覚める朝もあるのだから、驚きます。

暑さが苦手なうちの犬も
毎朝嬉しそうにあちこちくんくん探索開始。

人間のわたしも、少し似ているのかな、
休みの日も、気づけばあちこち動きまわっています。

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小豆を炊く時

小豆を炊く時

これまで何度、小豆を煮ただろう。
と思いながら、ふつふついう鍋の中を眺めています。
毎回少しずつ違う、あんこの奥深さ。
なぜか夜中に炊くと、うまく行く気がしてからは
家族が寝静まった頃にやり出すように。
眠れない夜などにはぴったりなのです。

こうして小豆を炊きながら、色々な思い出が次から次へと心中に去来するのもまた愉し。

小豆の仕事が入り、
とても稀少な備中(びっちゅう)の白小豆を探していたと

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