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りんごのお酒


辛口のシードルの小瓶を、格安でたくさん買えてウキウキが止まらない私。

先日、賞味期限間近のリコッタチーズを198円でたくさん並べていた、
面白い品揃えの酒屋さんで見つけたのです。

都会のおしゃれな街ではありえないような価格がうれしく、
ほくそえみが止まらない変な顔で、
お店の人の気が変わる前に、と
急ぎ足で瓶を抱え、帰ってきました。

シードルはりんごの果汁を自然発酵させた天然果汁100%の弱発泡酒。
だからビタミンやミネラル、ポリフェノールも豊富です。

ブルターニュのガレットやクレープとともに楽しむことが多いイメージですが,
魚を蒸した料理や、卵料理、鶏肉も、チーズを使った料理にもよく合うと思っています。

最近はお酒が弱くなった私に、シードルはちょうど良い感じ。
バスクの街角で昼からバルのはしごをしている時も,スペインのシードラの存在に助けられたものでした。

今日はカンペール地方の素朴なシードル用カップで、
ノンビリ頂いています。

さまざまな料理によく合う、とは言っても…
お刺身よりマリネが合いますし、
青魚よりは白身魚、という風に
辛口でも日本酒より料理を選ぶので、
日本では、食中酒としてはなかなか浸透しづらいゆえの格安、だったのかもしれませんね。

なんだかこっそり掘り出し物を見つけたような
ささやかな幸せ。
この街がまた好きになりました。

何本もあるので、ちょっと贅沢に
豚の肩ロースをシードルで煮ました。

塩胡椒をしっかりまぶした肩ロースのブロックを、
スライスしたにんにく、玉ねぎ、セロリと一緒に鍋でじっくりと焼き、
余計な油をふき取ってから、シードルを250㏄、注ぎます。
強火で飛ばしてから、ひたひたになるまで湯を加え、
オリーブを加えてごく弱火で柔らかくなるまで煮込んだら、豚肉を鍋からはずし、ソースに同量くらいのブイヨンを加え、さらに煮つめて、とろりとなったら生クリーム少々とパセリを混ぜます。

切り分けた豚肉は、
南フランスの田舎のおばあちゃんの料理を想像し
ドカ~ンと大皿の真ん中に並べて、
揚げたさつまいもとじゃがいも、そしてソースを添えました。

このソースは、豚だけでなく、さまざまな肉料理の煮込みに。ジビエにも合います。

豚肉を煮ているときに立ちのぼった香りがたまらなかったので、
もう一本は気長に煮詰めて、シードルのコンフィチュールを作ることにしました。
コンフィチュールはジャムに似ていますが、果実の形を崩しすぎず,リキュールやスパイスの香りを添えた、ちょっと大人な味わいです。
もちろんりんごがいちばん合うけれど、
ジュース用のちょっと若いラ・フランスを一緒に煮て、
煮あがりにバニラビーンズ少々と黒胡椒を少々。



*ラ・フランスとシードルのコンフィチュール 

材料
シードル250㏄、はちみつ大さじ2~3(少なめです)、ラ・フランス1個、バニラビーンズ・粗挽き黒胡椒各少々

作り方
琺瑯などの鍋にシードルを入れて半分まで煮詰めたら、皮をむいて薄切りにしたラ・フランスを入れてはちみつも加え、とろりとするまで煮る。バニラビーンズはさやを破って中身をこそげて加える。胡椒も仕上げに振って。
はちみつは好みで増やしてください。

ポワール・ウイリアム(洋梨のリキュール)を仕上げに振ると、いきおい大人な味わいに。

明日の朝クレープを焼いて、このソースもいいなあ、とまた口元緩んでいます。

あぁ、食欲の秋🍁



#note   #料理 #りんご #シードル #ブルターニュ #食欲の秋

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